
経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「権威効果」とは?
「この人が言うなら間違いない」
そんなふうに感じて、商品やサービスを選んだ経験はありませんか?
これは偶然ではなく、人間心理に基づく権威効果が働いている可能性が高いのです。
1. 権威効果とは?
ズバリ言います。
権威効果とは、専門家や有名人、権威ある機関の意見や推奨を信用しやすくなる心理効果のことです。
心理学者ロバート・チャルディーニ氏が提唱する「影響力の武器」の一つでもあります。
例えば、
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医師がすすめる健康食品
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有名大学教授が監修した教材
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政府機関が認定した製品
こうした情報は、根拠や内容を詳しく調べなくても「信頼できそう」と感じさせます。
2. なぜ経営者が知っておくべきか?
権威効果は、商品やサービスの信頼性を一瞬で高め、購入決定を後押しする力があります。
特に初めて接触する顧客に対しては、「この会社は信頼できる」と思ってもらうきっかけになります。
実務面では、
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成約率の向上
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価格競争からの脱却
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ブランド価値の向上
といった効果が期待できます。
3. ビジネスでの活用例
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資格・肩書きの提示
「税理士」「中小企業診断士」「医師」など専門資格を明記する。 -
メディア掲載実績の紹介
テレビ、新聞、雑誌で紹介された事実をPR。 -
受賞歴・認定制度の活用
業界賞や自治体の認定マークを商品に表示。 -
著名人の推薦コメント
著名人やインフルエンサーの体験談を掲載。
4. 実践ステップ
私が経営者に提案する権威効果の取り入れ方は、次の通りです。
① 自社の強みを「権威化」する
資格取得、第三者認定、受賞歴などを積極的に獲得します。
② 見える形で伝える
ホームページ、パンフレット、名刺、店舗の看板など、顧客の目に入る場所に表示します。
③ ストーリーとセットで発信
単に「受賞しました」ではなく、「なぜ受賞できたのか」という背景を伝えることで、より信頼感が増します。
④ 第三者の声を活用
顧客や著名人の推薦コメント、口コミ、インタビュー記事を掲載します。
5. よくある失敗パターン
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権威の濫用
本来関係ない権威を持ち出すと逆効果になる。 -
根拠のない権威づけ
虚偽や誇張は信頼失墜につながる。 -
古い実績のまま放置
最新性がないと効果が弱まる。
6. 成功事例
ある健康食品メーカーは、医師監修のもと商品開発を行い、パッケージや広告に「医学博士監修」と明記。さらに監修医師のインタビュー動画を公開したことで、販売開始から3カ月で売上が前年比150%アップしました。
また、ある地域密着の建設会社は、県の優良建設業者表彰を受賞。その受賞歴をホームページやチラシの目立つ位置に掲載したところ、新規問い合わせが1.5倍に増加しました。
7. 今日からできる実務チェックリスト
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自社や商品に関して、第三者の認定や評価を受けているか?
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それを顧客の目に触れる場所でアピールしているか?
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最新の情報や実績を更新しているか?
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権威と顧客ニーズが一致しているか?
まとめ
権威効果は、人の意思決定に強く働く心理要因の一つです。
経営者としては、「自社や商品をどう権威づけするか」を意識し、その価値を効果的に見せることが大切です。
大切なのは、本物の実績や資格を正しく伝えること。
権威効果を上手に活用できれば、信頼性が高まり、価格競争に巻き込まれにくい強いブランドを築けます。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。