
売上債権回転期間って何?現金化までのリードタイムを見える化する指標
「うちって、売ったあとにお金入ってくるまで、どれくらいかかるんだろう?」
そんな疑問を持った社長さんも多いでしょう。
売上を上げるだけではなく、「売ってから現金が口座に入るまで」の流れを把握することも、健全な経営には必要です。そこで役立つ指標が「売上債権回転期間(Days Sales Outstanding:DSO)」です。
売上債権回転期間とは?
売上債権回転期間(DSO)は「売上金が現金化するまでに、何日かかっているか」を示した数値です。
計算式:
売上債権回転期間(DSO) = 売上債権残高 ÷(年間売上 ÷ 365)
DSOをチェックすべき理由
- 資金繰りに直結する – 売上があってもキャッシュがなければ経営は不安定に。
- 信頼性の指標になる – 銀行や取引先が信用度を測る目安になります。
- 業務改善のヒントになる – 支払い条件やフローの見直しのきっかけに。
具体的な数値例
- 売上債権残高:1,000万円
- 年間売上:1億円 → 1日あたり約27万円
- 1,000万円 ÷ 27万円 ≒ 37日
つまり、平均して売上が現金になるまで約37日かかっている、ということです。
DSOの目安と業種ごとの違い
- BtoB業態:30〜60日程度
- BtoCや前払い型:0〜30日程度
業種や取引慣行を考慮して判断するのがポイントです。
DSOを改善するには?
- 請求・回収フローの見直し
- 支払い条件の改善
- 前受金・立替金の導入
- 請求ミスを防ぐ管理体制の整備
DSO改善で得られる効果
- 資金繰りの安定
- 借入ニーズの減少と金利コスト削減
- 取引先・金融機関からの信頼アップ
- 投資判断がしやすくなる
“平均値”の裏にあるもの
DSOは平均値なので、極端に回収が遅れている案件に引っ張られている可能性も。
「なぜその数値になっているのか?」まで掘り下げる視点が重要です。
まとめ:DSOは手元資金を守る重要指標
DSOは単なる数値ではなく、「売上から現金になるまでのスピード」を可視化するための武器です。
- 資金繰りの不安を数値で管理
- 外部への説明資料として活用
- 社内フローや条件の見直しにも最適
「売上を現金に変える力」こそが、強い経営の土台です。
計算方法や改善施策に悩んだら、お気軽にご相談くださいね!