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創業融資の審査に通らない人の共通点|7つの特徴と通過率を上げる対策

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創業融資の審査に通らない人の共通点|7つの特徴と通過率を上げる対策

日本政策金融公庫の創業融資に申請したのに、思うように通らない――そうした相談は決して珍しくありません。創業融資は新規開業の最大の資金源ですが、申請者の準備状況によって通過率は大きく分かれます。

この記事では、元信用金庫の法人営業として融資審査の実務に携わった筆者が、創業融資の審査に通らない人に共通する7つの特徴と、否決と言われたあとに取るべき対応、再申請までに整えておくべき準備を実務目線で整理します。本記事は2026年5月時点の制度・運用を前提に解説しています。最新の金利・限度額・要件は必ず日本政策金融公庫の公式情報でご確認ください。

創業融資の審査で金融機関が見ている4つの基本ポイント

創業融資の審査は、ベテラン経営者を相手にした既存企業向け融資とは性格が異なります。実績データがない分、金融機関は次の4つを総合的に評価します。

  1. 自己資金:いくら貯めてきたか、どう貯めたか
  2. 事業計画:売上根拠、収支計画、資金繰りの実現可能性
  3. 経歴・経験:その業界・業務でどれだけ実務を積んできたか
  4. 信用情報・既存借入:返済能力に影響する個人的な負債・履歴

このうち、どれか1つが大きく欠けていると、ほかの項目で挽回するのは難しくなります。「自己資金は薄いけど熱意で押し切る」「計画書はテンプレでもいい」――そうした発想で申請すると、通る確率は急激に下がります。

創業融資の審査に通らない人の7つの共通点

融資相談の現場で繰り返し見かける、通らない人の共通点を7つ整理します。当てはまる項目があれば、再申請までに対策を打ちましょう。

共通点1:自己資金が「総投資額の1割」を切っている

創業融資では、総投資額に対する自己資金比率が重要な指標になります。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では自己資金要件はないが、実際には最低でも10分の1の自己資金が必要。実務的には2〜3割の自己資金を確保していると審査側の印象が良くなります。1割を切ると、厳しいでしょう。

共通点2:自己資金の「貯め方」が不自然

金融機関は通帳のコピーで自己資金の入金履歴を確認します。コツコツ貯めた形跡があれば「計画性のある人」と評価されますが、申請直前にまとまった額が一括入金されている場合は「見せ金」の疑いがかかります。家族・親族からの援助金や贈与は出所を説明できる必要があります。出所が不明瞭な資金は自己資金として認められないケースもあります。

共通点3:事業計画書が「テンプレートそのまま」

創業計画書は、日本政策金融公庫が用意したフォーマットを使うことが一般的ですが、内容まで「教科書通り」のままでは弱いです。市場規模・顧客像・売上根拠・原価率・利益計画――すべて自社の数字で語る必要があります。「業界平均が〇%なので当社も同等」といった他人事の書き方では、計画の信ぴょう性が薄いと判断されがちです。

共通点4:売上計画の根拠が示せていない

月商や年商の数字は書けても、その根拠が示せない申請者が多くいます。「客数×客単価×営業日数」「広告経由の問い合わせ数×成約率×単価」など、売上の構成要素を分解し、それぞれに業界統計や自社の準備状況の裏付けがあるかを確認されます。根拠のない数字は、希望的観測と受け取られます。

共通点5:信用情報に延滞・債務整理の履歴がある

クレジットカード、消費者金融、奨学金、携帯電話の分割払いなどで延滞や債務整理の履歴があると、信用情報機関のデータベースに記録されています。延滞中はもちろん、過去の延滞でも一定期間は不利に働きます。事故情報が残っている期間に申請しても、ほぼ通らないと考えるのが現実的です。

共通点6:事業内容と本人の経験が結びついていない

「飲食店を初めて開業するが、飲食業界での就業経験はない」「IT系のスタートアップを立ち上げるが、本人は事務職一筋」――このような業務未経験のケースは、審査で大きく不利になります。日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金では、その業種でおおむね6年以上の経験を持つことが目安として示されています。経験が薄い場合は、共同創業者・パートナーの体制でカバーする必要があります。

共通点7:面談での説明が曖昧で答えに詰まる

申請書面が整っていても、面談での回答が曖昧だと印象が悪化します。「資金使途は何ですか」「想定顧客は誰ですか」「競合と何が違いますか」「想定通りいかなかったらどうしますか」――こうした質問に、自分の言葉で、自分の事業のリアルな数字で答えられるかが見られています。

「自己資金」周りで落ちる人のパターンを深掘り

自己資金は審査で最も重視される項目の一つです。次のいずれかに該当しないか、申請前にチェックしましょう。

  • 申請の1〜2か月前に親族口座から一括で振り込まれた資金を「自己資金」としている
  • 消費者金融や信販系のカードローンから借りた資金を自己資金として扱っている
  • 通帳のコピーを提出できない口座を自己資金の根拠にしている
  • 自己資金の中に「使う予定の運転資金」が含まれていて、純粋な余剰資金が薄い

金融機関は、起業家本人がリスクをどこまで負っているかを自己資金で見ています。「自分のお金を入れていない事業に、他人の金を貸せるか」が審査の根底にあります。

「事業計画書」周りで落ちる人のパターン

事業計画書は、文章量よりも「数字の整合性」と「根拠の具体性」で評価されます。次のチェックポイントを満たしているか確認してください。

  • 売上計画と仕入・原価率・人件費・家賃の整合性が取れている
  • 初月から黒字化する想定になっていない(飲食・小売など実店舗系では赤字スタートが現実的)
  • 資金繰り表が月次で作られ、運転資金の必要月数が示されている
  • 競合分析が地名・店舗名レベルで具体化されている
  • 事業者本人が「なぜこの事業をやるのか」を自分の言葉で書いている

計画書は「金融機関を説得する道具」であると同時に、「事業を継続的に運営する自分自身の地図」でもあります。提出後も自分が読み返して納得できる内容に仕上げましょう。

「信用情報・既存借入」周りで落ちる人のパターン

信用情報は本人開示請求で事前確認ができます。CIC、JICC、KSC(全国銀行個人信用情報センター)の3機関にそれぞれ開示請求が可能です。次のいずれかに該当する場合は、申請の前に整理が必要です。

  • クレジットカードや住宅ローン、自動車ローンの返済を直近1年以内に延滞した履歴がある
  • 債務整理・自己破産・任意整理の記録が残っている
  • 消費者金融・カードローンの残債が多く、月々の返済負担が重い
  • 携帯電話・スマートフォンの端末分割払いを未払いで放置している

事故情報の保有期間(CICで5年、KSCで7年など)を過ぎていれば情報は消えていますが、消えるまでは申請を見送るか、整理して完済してしばらくたってから申請するのが現実的な選択肢になります。

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面談で落ちる人の共通パターン

書類審査を通過しても、面談で印象を落として最終的に通らないケースがあります。面談で減点される代表的なパターンは次のとおりです。

  • 計画書に書いてある数字を、本人がスラスラ答えられない
  • 競合店・競合サービスについて聞かれて答えられない
  • 「儲かりそうだから始める」と動機が曖昧
  • 想定通りに売上が上がらなかった場合の対応策が用意されていない
  • 家族・配偶者の理解が得られているか確認されると答えに詰まる

面談は試験ではなく、対話です。完璧な回答を用意するというより、自分の事業を「自分の言葉」でリアルに語れるかが見られています。

「通らない」と言われたあとに取るべき5つの行動

否決通知を受けたあとも、次に向けてやるべきことは明確です。感情的に動かず、次の手順で立て直しましょう。

  1. 否決理由を担当者から可能な範囲で確認する(直接の理由開示は限定的だが、改善方向のヒントは得られることが多い)
  2. 申請書類を客観的に読み直す(時間を置いて他人視点で見る、信頼できる第三者に読んでもらう)
  3. 自己資金・信用情報・経験面の不足を1つずつ補強する
  4. 再申請までの期間を最低6か月確保する(短期間での再申請は同じ理由で落ちやすい)
  5. 並行して別ルート(自治体制度融資・親族借入・クラウドファンディング)も検討する

「もう一度同じ書類で再申請」を繰り返しても結果は変わりません。落ちた原因を正面から潰す姿勢が必要です。

再申請までに整えておくべき準備

再申請で通過率を上げるために、次の準備を計画的に進めます。

  • 自己資金を毎月一定額ずつ積み上げて、通帳上に「計画的な貯蓄」の履歴を作る
  • 事業計画書を月次キャッシュフロー表まで詳細化する
  • 業界経験を補強する(短期就業・修行・パートナーの確保)
  • 信用情報の事故情報を本人開示で確認する
  • 面談想定問答を準備し、模擬面談で言葉に詰まる箇所を洗い出す

自分で進めるか専門家に依頼するかの判断軸

創業融資の申請は、自力でも進められる手続きです。ただし、次のような状況であれば専門家サポートを検討する価値があります。

  • すでに1度落ちており、何を直せばよいか自分では判断できない
  • 自己資金が要件ぎりぎり、または信用情報に過去事故がある
  • 業界未経験で事業を始める
  • 融資額が大きい(1000万円以上)、または運転資金の必要月数が読みづらい

専門家に依頼する場合、「100%融資が通る」「必ず満額が出る」と保証する事業者は信頼性に欠けます。融資審査は金融機関の判断であり、結果を約束できる立場の人間は存在しません。実績件数と料金体系、面談同行の可否、否決時のフォロー範囲を確認した上で選びましょう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一度落ちたら、もう創業融資は通りませんか?

A. そんなことはありません。落ちた原因を改善し、半年〜1年程度の準備期間を経て再申請する人は珍しくありません。同じ書類で再申請すると同じ結果になりがちなので、必ず改善を入れます。

Q2. 信用情報に傷があるとどのくらい待てば通りますか?

A. 事故情報の保有期間は信用情報機関ごとに異なります(CICで5年、KSCで7年程度)。期間が満了してから本人開示で削除を確認したうえで申請するのが安全です。

Q3. 自己資金ゼロでも通るケースはありますか?

A. 例外的に通ることはありますが、極めて少数です。共同創業者の自己資金を合算する、現物出資の評価額を加算する、家族の支援を出所明確化したうえで自己資金扱いにする、などの工夫が必要になります。

Q4. 創業融資はどこに相談すれば良いですか?

A. 日本政策金融公庫の支店窓口、認定経営革新等支援機関、地元商工会議所などが基本ルートです。すでに否決経験がある場合は、融資申請の実務経験豊富な専門家(元金融機関職員・税理士・行政書士など)への相談も有効です。

まとめ

創業融資の審査に通らない人の共通点は、自己資金不足・計画書の薄さ・信用情報の傷・経験不足・面談での説明不足など、ある程度パターン化されています。自分の状況がどこに該当するかが見えれば、改善のための打ち手も具体化できます。

大切なのは、「とりあえず出してみる」ではなく、「通る状態を作ってから出す」発想に切り替えることです。創業融資は事業の最初の信用形成にもつながる重要な手続きですので、不安があるうちに専門家の客観的な意見を聞き、整えてから申請するのが結局のところ最短ルートになります。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業

資金繰り解決コンサルタント

V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役

大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。

日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。

クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役

同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。

支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。

日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。

長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

中野裕哲紹介画像


この記事を監修した人

中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】

税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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