
養殖業で活用できる水産庁の補助金|マーケットイン型養殖等実証事業とは?
マーケットイン型養殖等実証事業とは
「マーケットイン型養殖等実証事業」とは、水産庁が養殖事業者の経営改善・販売力向上を支援するために実施している補助金制度です。
通常の設備補助金とは異なり、市場ニーズ(マーケットイン)を踏まえた経営改善を行う点が特徴です。専門家の評価を受けたうえで、必要な資材・機材導入に対し補助が受けられる仕組みになっています。
補助金の目的
この補助金は、単なる機材導入支援ではなく、養殖業者の経営力を高めることを目的としています。特に次のような課題の解決を狙っています。
- 市場のニーズに合わせた生産体制づくり
- 生産性の向上や効率化
- ブランド力向上による収益力強化
- 人手不足対策(自動化・省力化)
補助金を活用することで、養殖生産から加工・流通までの一連の改善が可能になります。
対象となる養殖事業者
次の条件を満たす事業者が対象となります。
- 1期以上の養殖実績がある経営体
- もしくは養殖グループ(複数者による共同事業)
- 事業規模や対象魚種に関する要件を満たしていること
対象魚種の例としては、海面・内水面・陸上養殖問わず、うなぎ、ぶり、かんぱち、マダイなど、一般的な養殖魚種が幅広く含まれるケースが多い制度です(※詳細は年度の実施要領による)。
補助金のスキーム
本事業は、単に設備を買うだけでは補助されません。専門家による評価を受け、その改善計画に基づいた機材導入が補助対象となる点が大きな特徴です。
① 外部評価支援(専門家による支援)
- 中小企業診断士など専門家による改善計画の評価
- 補助額:最大80万円
② 資材・機材の導入費支援(設備投資)
- 評価に基づき必要な機材を導入
- 補助額:最大5,000万円
- 補助率:1/2以内
多額の設備投資が発生しがちな養殖業にとって、非常に活用価値の高い補助制度です。
補助対象となる資材・機材の例
補助対象は「生産」に関するもの、「加工・流通」に関するものまで幅広いです。
① 養殖生産に関する機材
- 生簀(いけす)・網
- 漁船・作業船
- 給餌機・自動給餌システム
- 魚体計測機(AI・ICT等)
- 漁場モニタリング機器(水温・酸素濃度測定等)
- 自動洗網機
- 冷却装置・冷水装置
- PC・専用ソフトウェア・通信機器
- 作業小屋・簡易テントなど現場環境整備
② 加工・流通に関する機材
- 自動活〆(いじめ)機
- 高鮮度冷凍庫
- 真空包装機
- 金属探知機
- フォークリフト
- 保冷車・冷蔵車
生産から販売まで一貫した体制づくりが可能になるため、付加価値向上につながります。
認定支援機関を活用するメリット
補助申請は専門性が高く、認定支援機関を活用すると次のメリットがあります。
● 専門的アドバイスを受けられる
事業計画や申請書の品質が上がり、採択率向上が期待できます。
● 資金繰り支援が受けられる
補助金は後払いのため、制度によってはつなぎ融資が必要になります。金融知識を持つ支援機関なら適切な助言が可能です。
● 機材選定の相談ができる
どの設備を導入すべきか判断に迷う場合も、専門家が事業に合った導入プランを提案できます。
FAQ(よくある質問)
Q1. 養殖の経験が浅くても申請できますか?
1期以上の養殖実績が条件となっているため、全くの未経験者は対象外です。
Q2. 単独申請とグループ申請のどちらが有利ですか?
内容によって異なります。複数者での共同取り組みが評価される場合もあります。
Q3. 導入できる機材の種類に制限はありますか?
年度ごとの実施要領に記載されています。基本的に養殖改善・生産性向上に資するものが対象です。
Q4. 他の補助金と併用できますか?
併用不可となる場合もあるため、制度ごとに確認が必要です。
Q5. つなぎ融資は必ず必要ですか?
補助金は事後払いのため、事業規模によっては資金対策が必要となります。
まとめ
養殖業は設備投資や人件費がかかるため、事業拡大には大きなハードルがあります。しかし、水産庁の「マーケットイン型養殖等実証事業」を活用すれば、市場ニーズに合わせた改善投資を大幅に進めることができます。
特に、うなぎ養殖など高コスト業種では、多額の機材導入が必要となるため、この補助金は非常に大きな支援となります。
経営基盤を強化し、新しい販売チャネルの開拓やブランディングを進めたい事業者にとって、ぜひ注目したい制度です。
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この記事を書いた人
ラッキー診断士だいきっちゃん (嶋田大吉/Daikichi Shimada)
中小企業診断士、起業コンサルタント®
融資資金調達コンサルタント、補助金コンサルタント
社会保険労務士法人V-Spirits 業務課長
高校卒業後、家業の温泉や井戸の掘削会社で勤務しながら、NPO法人宮崎支部を設立。被災地や貧困家庭の子どもたちにプレゼントを届ける活動を開始。
2023年に中小企業診断士の資格取得後、V-Spiritsに入社。
「日本を最も夢を持てる国にする」ことを目標に、全力をつくして企業の経営支援を行っている



























