
融資を受けたら要注意!資金使途違反の実例と防止策
はじめに:資金使途とは何か?
資金使途(しきんしと)とは、融資で得た資金の使用目的を指します。金融機関との契約では、用途が明確に定められており、その目的以外に使うことは原則禁止です。
「一度受け取ったお金だから自由に使っても良い」と思ってしまいがちですが、これは大きな誤解です。契約違反=資金使途違反と判断されると、今後の融資に悪影響を及ぼします。
よくある資金使途違反の実例
実務の中で見られる資金使途違反の代表例を紹介します。
- 設備資金を運転資金に使用:機械購入予定資金を人件費や家賃に充当
- 融資金で金融商品を購入:投資信託や終身保険などへの流用
- 融資金を定期預金にしてしまう:使途が無いため運用目的で預け入れ
- 第三者に転貸しする:親族や取引先にお金を回す
これらは金融機関に発覚すると、即座に信用失墜につながる恐れがあります。
資金使途違反が引き起こすリスク
資金使途違反を犯すと、以下のような重大なリスクが生じます。
- 融資契約の違反として即時返済を求められる
- 信用情報に記録され、他行からの融資が困難になる
- 税務調査の対象になることも
- 新たな補助金・助成金の申請が否認される可能性
短期的な問題に見えても、将来的な融資戦略に大きな悪影響を及ぼすため注意が必要です。
なぜ違反が起きるのか?
多くのケースでは、「担当銀行員の曖昧な説明」や、「社長が用途管理を軽視していた」という原因が挙げられます。
実際、若手の銀行員が「とりあえず使い道は後から決めて良い」と説明してしまい、内部処分では済むが、企業側が一方的に損をするという事態もあります。
つまり、最終的な責任は経営者自身が負うことになるのです。
違反を防ぐための経営者の心得
- 融資契約書の内容を必ず確認する
- 資金使途を社内で明文化・管理する
- 担当者が誤った説明をしていないか注意
- わからないことは必ず確認・相談する
これらを徹底することで、健全な資金運用と銀行との信頼関係が築けます。
よくある質問(FAQ)
- Q. 融資金の一部を人件費に回すのは違反ですか?
- A. 設備資金であればNG、運転資金であればOKです。契約内容を確認してください。
- Q. 一度でも違反すると、もう二度と借りられませんか?
- A. 違反の程度にもよりますが、記録は残ります。誠実な対応と改善策の提示が重要です。
- Q. 使途が変わった場合はどうすれば?
- A. 事前に金融機関へ相談し、承認を得ることが望ましいです。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























