
起業前にやっておくべき!CIC信用情報の確認とその重要性
こんにちは。起業コンサルタント、税理士、行政書士、特定社会保険労務士の中野裕哲です。今回は、「CIC信用情報」について、ズバリ解説します。
「え?信用情報って、住宅ローンとかクレジットカードの話でしょ?起業と関係あるの?」と思われたあなた。
はい、実は大いに関係があります。
特に、創業融資を検討している方にとっては、「CIC信用情報」は絶対に押さえておきたい項目なのです。
1. CIC信用情報とは何か?
CIC(株式会社シー・アイ・シー)は、クレジットカードやローンに関する信用情報を管理する個人信用情報機関の一つです。
簡単に言うと、「あなたが今までどんな借り入れをして、どう返してきたか」という履歴が記録されています。
主に以下のような情報が登録されています:
- クレジットカードの契約情報
- ローン(自動車、教育、リボ払いなど)の契約と返済状況
- 支払い遅延や延滞履歴
- 債務整理や破産などの記録(いわゆる事故情報)
2. 起業と信用情報の関係
ズバリ言います。
あなたがこれから会社を設立し、融資を受けようとする際、融資審査では「あなた個人の信用情報」も見られます。
特に日本政策金融公庫などの公的融資でも、一定の金額以上の借り入れになると、信用情報のチェックが入る可能性が高くなります。
個人事業主として開業する場合も同様で、代表者個人の信用が融資審査に影響を与えることは避けられません。
3. 信用情報に問題があるとどうなる?
信用情報に「延滞履歴」や「事故情報」があると、以下のような影響が出ます。
- 創業融資の審査に通らない
- クレジットカードの審査に落ちる
- リース契約やスマホの分割払いができなくなる
「創業融資を借りようと思ったのに、過去の携帯料金の延滞で落とされた」
…そんなケースも実際にあります。
4. 自分の信用情報を確認する方法
確認はとても簡単です。CICの公式サイトから申請できます。
■ インターネット開示
パソコンやスマホからクレジットカード払いで申し込み(手数料500円)
■ 郵送開示
申請書を郵送して取り寄せ(手数料1,000円)
■ 窓口開示
全国のCIC窓口で直接申請(手数料500円)
【ポイント】 「自分に不利な情報」が載っていないかをチェックするだけでも、融資前に安心感が違います。
5. 信用情報の見方とチェックポイント
開示情報の中で、以下の点をチェックしましょう。
- クレジットやローンの契約件数
- 各契約の支払状況(遅延がないか)
- 延滞マーク(「A」「P」「#」などの記号)の有無
- 解約済みのカードの情報も残っているか
「身に覚えのない記録」がある場合は、速やかにCICに問い合わせましょう。
6. 信用情報のトラブルを防ぐには?
以下の点に注意すれば、信用情報でつまずくリスクを減らせます。
- クレジットカードや携帯料金は必ず期日までに払う
- 不要なカードは早めに解約する
- 利用限度額ギリギリの使い方を避ける
- 同時に複数のローンに申し込まない
7. CICと他の信用情報機関との違い
CICは主にクレジットカード会社、信販会社からの情報を管理しています。他にも信用情報機関には:
- JICC(日本信用情報機構):消費者金融などの情報をカバー
- KSC(全国銀行個人信用情報センター):銀行系融資の情報を主に保有
それぞれに情報の偏りがあるため、可能であれば3社すべてを確認するのがベストです。
8. 起業家として信用情報をどう活用する?
CICの情報は、単なる過去の記録ではありません。信用力の「履歴書」ともいえる存在です。
- 起業時の融資交渉での自信につながる
- リース、ファクタリングなど各種契約の際に有利
- 信頼される経営者としての足がかりになる
信用情報を「育てる」という感覚を持つと、日々の経済行動にも意識が変わります。
FAQ:CIC信用情報に関するよくある質問
Q1. 信用情報に問題があっても起業できますか?
A1. 起業はできますが、融資や契約面で不利になることがあります。信用回復の取り組みが重要です。
Q2. CIC以外にも信用情報機関はありますか?
A2. はい、JICC(日本信用情報機構)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)もあります。それぞれの情報が異なるので、併せて確認するのがベストです。
Q3. CICに登録される情報はどのくらいの期間残りますか?
A3. 通常、完済後5年間程度。延滞や事故情報は5〜10年残ることもあります。
Q4. CIC情報に間違いがあった場合、どうすればいい?
A4. CICに対して訂正の申し立てが可能です。契約会社を通じて確認・修正を依頼しましょう。
まとめ
起業前にCIC信用情報を確認しておくことは、まさに「未来への保険」です。
思わぬ落とし穴に足を取られないためにも、自分の信用状況をきちんと把握しておくことが大切です。
「何も問題がなかった!」という確認だけでも、気持ちよく起業準備を進めることができます。
不安な方は、ぜひ専門家にご相談ください。一緒に、あなたの夢の実現をサポートいたします!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。