
起業準備は「国民金融公庫」の活用から始まる!
こんにちは。起業コンサルタント(R)で税理士、特定社会保険労務士、行政書士、CFP(R)の中野裕哲です。
この記事では、「一年後に起業を考えている会社員」の方に向けて、公的機関である国民金融公庫(現在の正式名称は日本政策金融公庫)の創業融資制度について、わかりやすく、そして実践的に解説していきます。
目次
- 国民金融公庫とは何か?
- 創業者にとってなぜ心強い存在なのか?
- 融資審査で見られる3つの重要ポイント
- 融資までの流れとスケジュール感
- 必要書類と作成時のポイント
- 面談のリアルと心構え
- ありがちな失敗とその対策
- FAQ:よくある質問とその答え
- 今から始める3つの準備
1. 国民金融公庫とは何か?
「国民金融公庫」という名前を今でも使われる方が多いのですが、実際には2008年に「日本政策金融公庫」に統合されました。その中の「国民生活事業部門」が、かつての国民金融公庫の役割を引き継いでいます。
この事業部門は、「小規模事業者」「個人の創業者」「副業からの起業」などを主な対象に、低金利で公的融資を行ってくれる大変心強い存在です。
2. なぜ起業者にとっておすすめなのか?
民間の金融機関では、創業前や創業間もない企業への融資は非常にハードルが高く、信用実績がなければ門前払いというケースも多くあります。
ところが、国民金融公庫(以下、国金)は違います。
- 担保・保証人が不要な「新規開業・スタートアップ支援資金」
- 起業に対する情熱と準備を評価
- 社会的な使命としての支援
といったスタンスから、まだ実績のない起業家に対しても門戸を開いてくれているのです。
3. 審査で見られる3つの重要ポイント
1. 自己資金
自己資金の割合は非常に大事です。融資希望額の1/3以上は自己資金で賄いたいところ。通帳での蓄積履歴もチェックされます。
2. 経験と実現性
同業種での勤務経験、資格、スキルなどがあるか。また、事業計画が実現可能かどうかが問われます。
3. 収支計画と返済能力
売上や利益の見通しに対して、どのくらい現実的か。無理な数字設定はマイナス評価になります。
4. 融資までの流れとスケジュール
概ね以下の5ステップで進みます:
- 事業計画の作成
- 書類の準備
- 国金窓口に申込み
- 面談・ヒアリング
- 融資決定・入金
申し込みから融資実行まで、通常は1か月〜1.5か月程度を見ておきましょう。
5. 書類の準備と作成ポイント
準備する書類の例:
- 創業計画書
- 通帳コピー(6ヶ月〜1年分)
- 履歴書・職務経歴書
- 賃貸借契約書(店舗がある場合)
- 設備の見積書 など
計画書は「誰に」「何を」「どう売るか」がカギ。抽象的な表現は避け、具体性を持たせましょう。
6. 面談のリアル
面談時間は30分〜60分程度。面接官との1対1、もしくは2対1のケースもあります。
- 事業内容や動機について深堀りされる
- 売上予測の根拠を聞かれる
- 自己資金の経緯について確認される
清潔感ある服装、ハキハキした受け答え、誠実な姿勢がポイントです。
7. よくある失敗とその対策
- 【NG】通帳に突然大金が振り込まれている→【対策】コツコツ積み立てた履歴を残す
- 【NG】経験ゼロで新業種に挑戦→【対策】副業やアルバイト経験を積んでおく
- 【NG】計画書がアバウト→【対策】収支根拠、競合との差別化を明記
8. FAQ:よくある質問と回答
Q. 資本金が50万円しかありません。融資は無理? →金額自体よりも「どのように積み立ててきたか」が問われます。
Q. 家族からの支援は自己資金になりますか? →贈与であればOK。借入扱いならNG。通帳で証明できることが重要です。
Q. フランチャイズでもOK? →可能です。本部との契約書や収支モデルを提出すれば問題ありません。
Q. 融資は何年返済ですか? →設備資金は20年以内、運転資金は10年以内で返済期間を設定します。
9. 今から始めるべき3つの準備
- 毎月1万円でも良いから定期的に貯金を続ける
- 希望業種で副業やアルバイト経験を積む
- ざっくりでもいいので事業計画を作ってみる
まとめ:公的融資を味方につけて、不安ゼロの起業スタート!
起業の第一歩は「お金の不安を解消すること」。そのために「国民金融公庫(日本政策金融公庫)」の創業融資制度は、まさに起業家の救世主とも言える存在です。
ズバリ言います。
起業は準備が9割。準備を制する者こそ、成功を手にするのです!
不安な方は、お気軽にご相談くださいね。
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。