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コラム

創業計画書 セールスポイント 例文の書き方|採択されやすい表現と記入例

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創業計画書 セールスポイント 例文の書き方|可決されやすい表現と記入例

日本政策金融公庫の創業融資を申請するとき、多くの方が手こずるのが「セールスポイント」「自由記述欄」「参考事項」と呼ばれる欄の書き方です。書式の他の項目(必要な資金や収支計画)は数字を埋めれば形になりますが、セールスポイント欄は「自分の事業の強みをどう言語化するか」という、文章力と分析力が問われる項目です。

「他社と何が違うのか」「審査担当者にどこを評価してほしいのか」を端的に伝えられるかどうかで、計画書全体の印象が大きく変わります。

この記事では、創業計画書のセールスポイント欄に書ける例文を業種別に紹介しながら、採択されやすい書き方のポイント、避けたいNG表現まで実務目線で解説します。

なお、創業計画書の書式は変更される可能性があるため、必ず日本政策金融公庫の最新公式情報も併せて確認してください。

創業計画書の「セールスポイント」とは何か

日本政策金融公庫の創業計画書には、事業の強み・差別化要素を補足するための欄が用意されています。書式上の名称は「自由記述欄(参考事項)」となっていることが多いですが、実質的には事業のセールスポイント(強み・売り)を記入する欄です。

この欄で問われているのは次の3点です。

  • 他社・他店との違いは何か(差別化要素)
  • なぜ顧客から選ばれるのか(競争優位性)
  • 事業の継続性・収益性を裏付ける材料があるか(リスク対策)

審査担当者は、収支計画の数字だけでは読み取れない「事業者の強み・覚悟」をこの欄から読み取ろうとしています。

可決されやすいセールスポイント|3つの共通点

可決されやすいセールスポイントの書き方には、共通する3つの特徴があります。

1. 経験・実績を数字で語っている

「○年の経験」「年間△件の案件担当」「売上規模○○万円の店舗で勤務」など、自分の強みを数字で示している計画書は説得力があります。

2. 差別化要素が具体的

「丁寧な接客」「真心のサービス」のような抽象的な表現ではなく、「半径500m以内に競合店2店舗のみ、価格帯は当店が20%安い」のように、競合との比較で語れていると評価が高まります。

3. リスク対策が書かれている

「軌道に乗らなかった場合に備えてテイクアウト売上の比率を20%まで引き上げる」など、事業リスクへの備えに言及している計画書は、現実的で信頼性が高いと判断されます。

業種別|セールスポイント例文集

ここから、業種別にセールスポイント欄の例文を紹介します。自分の業種に近いものをベースに、具体的な数字・実績を入れて書き換えてください。

飲食店(イタリアン)のセールスポイント例文

「立地優位性:駅徒歩2分・オフィス街隣接で、ランチ客の安定確保が見込める立地。半径500m以内に同価格帯のイタリアン店は2店舗のみで、当店は平均客単価1,200円・パスタ専門の業態で差別化を図る。SNS集客戦略:Instagram運用を開業3か月前から開始し、開業時点でフォロワー1,500人を獲得済み。テイクアウト需要への対応:パスタ・サラダのテイクアウト体制を整備し、ランチ売上の20%を見込む。」

美容室・サロン業のセールスポイント例文

「ターゲット差別化:30〜40代女性に特化したヘアケア・頭皮ケア専門サロンとしてポジショニング。半径1km以内の競合10店舗は20代向け・カット中心の店舗ばかりで、ターゲット層が明確に異なる。指名顧客基盤:前職時代の固定客約120名のうち、約70名から開業後の継続来店確約を得ている。月次リピート率70%超を初年度から見込む。リスク対策:商品物販(自社オリジナルヘアケア用品)を売上の15%まで育てる計画。」

Webデザイナー(個人事業主)のセールスポイント例文

「既存クライアント基盤:前職時代に築いた取引先5社が継続案件として確定済み。年間想定売上720万円が初年度から見込まれる。ワンストップ対応:企画・デザイン・開発・公開後の運用・SEO対応まで一人で完結できる点で、大手制作会社・フリーランスと差別化。SNS経由の新規開拓:X(旧Twitter)・ポートフォリオサイトの運用で月1〜2件の新規問い合わせを安定獲得。リスク対策:月額運用保守契約の比率を売上の20〜30%まで引き上げ、収益安定化を図る。」

建設業(一人親方)のセールスポイント例文

「現場経験:内装工事歴12年、現場代理人として工程管理・原価管理を5年経験。前職時代に粗利率を22%から28%に改善した実績あり。既存取引先からの継続発注:A工務店・B建設の2社から、独立後も毎月2〜3件の発注確約を口頭で得ている(月商の50%以上に相当)。資格・許可整備計画:開業1年以内に建設業許可(内装仕上工事業)の取得申請を行い、500万円以上の工事も受注できる体制を整える。リスク対策:マンション原状回復工事(小口・回転早い)の比率を売上の20%まで引き上げる。」

士業(行政書士・社労士)のセールスポイント例文

「業種特化戦略:建設業許可申請に特化した行政書士事務所として開業。前職時代に建設業許可申請を50件以上担当した経験を活かす。既存ネットワーク:前職取引先10社、士業仲間ネットワーク(税理士・社労士・司法書士)から、月1〜3件の紹介案件が見込める体制を構築済み。オンライン対応:申請手続きをすべてオンライン完結できる仕組みを整備し、地方の建設業者からも依頼を受けられる体制。リスク対策:建設業許可以外(産業廃棄物収集運搬業許可など)の関連業務も対応可能。」

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製造業(金属加工)のセールスポイント例文

「技術優位性:前職時代に培った精密金属加工(公差±0.01mm対応)の技術を活かし、医療機器・半導体製造装置向けの試作部品分野に特化。受注確約:前職取引先5社から、独立後の継続発注を文書で確認済み。年間想定売上1,800万円。設備投資計画:5軸マシニングセンタを開業時に導入し、技術的優位性を担保。リスク対策:単発の試作案件だけでなく、月次量産案件(30〜50個ロット)の比率を売上の30%まで育てる計画。」

小売業(地域密着型)のセールスポイント例文

「立地・客層分析:半径800m以内に競合店なし、世帯数約2,000の住宅街立地。高齢者層が多く、家電・日用品の対面販売需要が安定的にある。仕入ルート確保:前職時代に築いた問屋3社からの優先仕入ルートを確保済み。同業他社より仕入価格を平均10%抑えられる見通し。店舗オペレーション:レジ・在庫管理を当店POS連動システムで自動化し、人件費を抑えた高粗利モデルを構築。」

コンサルティング業のセールスポイント例文

「専門分野の明確化:中小企業向けの経営改善・資金繰りコンサルティングに特化。前職時代に約30社の経営改善案件を担当し、平均利益改善率15%の実績を保有。継続顧問契約モデル:単発スポットではなく、月額3〜10万円の継続顧問契約を中心に据えることで売上の安定化を図る。既存5社から契約確約済み。差別化要素:税理士・社労士・行政書士との連携体制を構築し、経営・税務・労務をワンストップで支援できる体制。」

NG例|評価が下がる書き方

逆に、避けたい書き方の例も押さえておきましょう。

NG例1:抽象的すぎる

「お客様一人ひとりに寄り添ったサービスを提供し、地域に愛される店舗を目指します。」

→ 何が他社と違うのかわからない。具体性ゼロ。

NG例2:根拠のない断定

「必ず成功すると確信しています。」「失敗するはずがありません。」

→ 根拠のない断定は逆に不安を与える。事業は不確実なものという前提のもと、リスク対策を書く方が信頼される。

NG例3:数字や事実がない

「経験は豊富で、お客様からの評判も上々です。」

→ 「経験○年」「リピート率○%」のように、数字で語らないと印象に残らない。

NG例4:他社批判

「近隣の○○店は接客が悪く、その隙を狙って当店は…」

→ 他社批判は印象が悪く、書き手の人物像にもマイナス影響を与える。差別化は事実ベースで淡々と書く。

セールスポイントを書くときの実践テクニック

「4つの柱」で整理する

セールスポイント欄が長くなりすぎる、何を書けばいいかわからないというときは、次の4つの柱で整理してみてください。

  • 立地・市場:なぜここで・誰に売るのか
  • 経験・人脈:どんな実績・人脈を活かすか
  • 商品・サービス:他社と何が違うのか
  • リスク対策:軌道に乗らなかったときどうするか

この4本柱で各2〜3文書けば、合計300〜400字程度の説得力のあるセールスポイントになります。

「だから何?」を3回繰り返す

一度書いたあと、自分で「だから何?」「それで顧客にとって何が良いの?」を3回問いかけてみてください。抽象的な部分が浮き彫りになり、具体的な数字や事実で書き直すべきポイントが見えてきます。

第三者に読んでもらう

自分では明らかと思っていることも、初見の読み手にはわかりにくいことがあります。家族や知人、できれば融資・経営の専門家に一度読んでもらい、「何が伝わって、何が伝わらなかったか」をフィードバックしてもらうのが理想です。

まとめ|セールスポイントは事業の説得力を決める

創業計画書のセールスポイント欄は、収支計画の数字だけでは伝えきれない「事業者の強み」「差別化要素」「リスクへの備え」を伝える重要な項目です。

採択されやすいセールスポイントには、経験・実績を数字で語る、差別化要素を具体的に書く、リスク対策を盛り込むという3つの共通点があります。逆に、抽象的すぎる表現や根拠のない断定は評価を下げる原因になります。

「自分のセールスポイント欄をどう書けばいいかわからない」「専門家の目で添削してほしい」といった疑問があれば、専門家への相談が近道です。融資・補助金・経営の領域に精通した専門家チームが、最適な計画書ブラッシュアップをご提案します。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。

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