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創業計画書はどのレベルで作るべきか【専門家が解説】

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創業計画書はどのレベルで作るべきか【専門家が解説】

創業融資を申し込むとき、多くの方が悩むのが「創業計画書はどこまで作り込めばいいのか」という点です。雛形の空欄を埋めるだけでよいのか、それとも分厚い資料が必要なのか――この“レベル感”がわからず、手が止まってしまう方は少なくありません。

結論から言えば、創業計画書は「分量」ではなく「根拠の確かさと数字の整合性」で評価されます。この記事では、日本政策金融公庫などの創業融資で通用する創業計画書の完成度の目安を、専門家の視点でわかりやすく解説します。

■ 創業計画書とは

創業計画書は、これから始める事業の内容・見通し・必要資金を整理し、第三者に「この事業はうまくいく」と伝えるための書類です。日本政策金融公庫の創業融資では所定のフォーマットがあり、創業の動機、経営者の経歴、商品・サービス、取引先、必要資金と調達方法、事業の見通し(収支計画)などを記載します。

審査担当者は、この一枚から「返済できる事業かどうか」を読み取ります。つまり創業計画書は、事業の設計図であると同時に、融資の判断材料そのものなのです。

■ 「どのレベルで作るか」が問われる理由

創業計画書は、ページ数が多ければ評価されるわけではありません。逆に、空欄を一言で埋めただけの計画書は「準備不足」とみなされ、審査で不利になります。

審査で見られているのは、次の3点です。

  • 数字に根拠があるか:売上や経費の数字が、思いつきではなく計算式と資料に基づいているか
  • 全体の整合性があるか:必要資金・調達方法・収支計画の数字が矛盾なくつながっているか
  • 客観性があるか:自分に都合のよい想定ではなく、第三者が見ても納得できる前提か

この3点を満たすために必要なだけ書き込む――それが「ちょうどよいレベル」です。

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弊社では、元日本政策金融公庫支店長の多胡や元信用金庫法人営業の小峰を中心とした専門家チームが、幅広い融資を含む資金調達支援・起業支援・経営支援を行っております。「何から始めればいいかわからない」という段階でもお気軽にご相談ください。

■ 完成度を左右する3つの要素

1. 売上は「計算式」で示す

売上予測でもっとも避けたいのが、「だいたい月◯◯万円くらい」という感覚的な数字です。審査で通用するのは、計算式に分解した売上です。たとえば飲食店なら「客単価 × 客数 × 営業日数」、サービス業なら「単価 × 件数」といった形に分けます。

さらに、客単価は競合数店舗の平均、客数は立地が似た店舗の実績の8割程度――というように、各数字の根拠(競合調査・業界統計・類似店の実績)を添えます。数字に「なぜその値なのか」が付いていることが、レベルの高い計画書の条件です。

2. 経費は「漏れなく・控えめに」

売上を大きく見せたい一方で、経費は小さく見積もりがちです。しかし人件費・家賃・仕入・通信費・広告費・保険料などを漏れなく計上していないと、「現実を見ていない計画」と判断されます。見込みの数字は、売上は控えめに、経費は多めに見ておくのが安全です。

3. 数字どうしの整合性をとる

必要資金の合計と、調達方法(自己資金+融資希望額)の合計は必ず一致させます。また、収支計画の利益から返済が無理なくできることを示す必要があります。「設備資金は500万円なのに調達計画は400万円」といった食い違いがあると、それだけで信頼を失います。アイキャッチ画像を削除

■ 項目ごとの“書くべき深さ”の目安

  • 創業の動機・経歴:事業との関連性が伝わる範囲で具体的に。実務経験・実績は数字で示すと説得力が増します。
  • 商品・サービス、取引先:誰に・何を・いくらでを明確に。見込み客や取引予定先があれば記載します。
  • 必要資金と調達方法:設備資金と運転資金に分け、見積根拠(見積書など)を添えます。
  • 事業の見通し:創業当初と軌道に乗った後の2時点で、売上・経費・利益を計算式付きで示します。

■ よくある“レベル不足”のパターン

  • 売上根拠が「希望的観測」だけで、計算式も資料もない
  • 経費の計上漏れで、利益が実態より大きく見えている
  • 自己資金と希望額の合計が必要資金と合っていない
  • 返済原資(利益)から逆算すると返済が成り立たない

これらは、分量を増やしても解決しません。根拠と整合性という“質”を満たすことが先決です。

■ よくある質問

Q. 創業計画書は何ページくらい必要ですか?

A. 公庫の所定様式は数ページですが、ページ数より中身が重要です。根拠資料(見積書・競合調査・市場データなど)を別添して補強するのが効果的です。

Q. 数字は楽観的に書いた方が通りやすいですか?

A. 逆効果になりがちです。根拠のない高い数字はかえって信頼を損ねます。売上は控えめ、経費は多めの“堅め”の計画の方が評価されます。

Q. 自分で作るのと専門家に相談するのでは差が出ますか?

A. 出ます。とくに数字の根拠づけと整合性チェックは、融資審査の経験者が見ると弱点を早期に発見できます。完成度を高めたい場合は相談を検討してください。

■ まとめ

創業計画書は「どれだけ分厚く書くか」ではなく、「数字に根拠があり、全体の整合性がとれ、第三者が見て納得できるか」というレベルで評価されます。売上は計算式で示し、経費は漏れなく控えめに見積もり、必要資金と調達・返済のつじつまを合わせる――この3点を満たせば、過不足のない計画書になります。

創業計画書の完成度に不安がある場合や、創業融資の進め方そのものを相談したい場合は、融資審査の実務に精通した専門家に早めに相談することで、通過率を高めやすくなります。

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小峰

この記事を書いた人

小峰精公/Kiyotaka Komine

元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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この記事を監修した人


中野裕哲

中野裕哲/Nakano Hiroaki

税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授

税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。

経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。

【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。

中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。

【主な実績】

  • 起業支援・経営支援の豊富な実績
  • 起業相談件数3,000件以上
  • 資金調達支援1000件以上
  • 大企業Webサイト多数監修
  • 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)

V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。

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