
コンサルタントとして独立開業するためにやっておくべきこと──“知識と信用”で関係を築く実務ガイド
「自分の専門知識で誰かの課題を解決したい」「企業や個人の成長を支える仕事がしたい」──そんな志を持ってコンサルタント独立を目指すあなたには、専門性を深める努力に加え、信頼構築と事業運営の仕組み準備が欠かせません。以下では、独立開業までのステップを実務的に整理します。
① 専門領域と強み(ポジショニング)の明確化
まずは、自分のコンサル領域を明確にしましょう。
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経営戦略、事業計画、マーケティング、人事・組織、IT導入など
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業界特化(飲食、サービス、小売)か課題領域特化(販促、業務効率化)か
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独自性:経験を活かしたノウハウや実績、支援スタイル(伴走型、自動化提案型など)
自分の強みを言葉化できることが、仕事の依頼につながる第一歩です。
② 実績づくりと信頼ストーリーの構成
独立すればすぐ仕事が来るとは限りません。実績と信頼を積むためには、
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会社員や副業時代に扱った案件の成果・進捗内容
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モニター契約で料金一部割引しながらでも実績づくり
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クライアントの声をもらい、プロフィールや提案資料に掲載
など、「解決できた結果」と「信頼できる体制」を見える化する準備が重要です。
③ 料金体系と提供パッケージの設計
コンサルタント選びの大きな判断基準は“支援サービスと価格のバランス”です。
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単発支援(1/day)、中長期間のプラン(月額制、プロジェクト型)など複数の料金モデル
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成果報酬型 or 固定型 or ミックス型
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セミナー・ワークショップと組み合わせたプラン
価格設計がクリアであるほど、依頼者にとっても判断しやすくなります。
④ 顧客獲得のための導線作り
独立後は営業活動も自分で行います。
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ホームページやSNS運用で専門性を発信
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無料相談・セミナー・note記事などランディング施策を準備
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LinkedInやFacebookで人脈を育む活動
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紹介制度(既存顧客からの推薦)や連携パートナーの開拓
関係構築と信頼の種まきを、早めに始めましょう。
⑤ 契約書、業務フロー、請求・支払い管理の整備
コンサル業は「言った、言わない」のリスクがつきものです。
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契約書(業務内容/期間/料金/守秘義務/成果物定義など)
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提案書・請求書・進捗レポート・成果物の書式整備
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請求・入金管理(締日・対応フロー)のルール化
仕組みの整備が、信頼性と事業継続性を支えます。
⑥ 会計・税務・労務整備の体制づくり
独立後に煩雑さに悩まないよう、早期に対応体制を。
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事業用口座・会計ソフトの設定
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発生主義・収益認識ルールの整理
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青色申告・消費税・インボイス制度など基本税務処理
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個人事業 vs 法人化の判断、社会保険加入
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税理士や社会保険労務士との顧問契約も視野に
日常の事務に圧迫されずに本業に集中できる環境を整えましょう。
⑦ ブランドづくりと自分の見せ方
専門性×人間性=信頼。自分自身も商品です。
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SNS・ブログ・書籍・事例紹介などで継続的情報発信
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オンライン研修・交流会・登壇への登壇
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ロゴ・名刺・Webサイト・プロフィール写真などの統一
自分ブランドの“雰囲気”と“信頼性”を意識した情報設計を。
⑧ 継続案件とリピート導線の設計
リピート案件が経営の安定性を支えます。
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フォローアッププラン(月次面談・ブラッシュアップ支援)
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チームメンバー育成支援・書籍化支援など継続性ある切り口
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卒業後のアフターサポート策
継続と紹介につながる顧客体験設計が重要です。
✅まとめ|知識と信頼を支える土台を築こう
コンサルタントとしての独立は、“知識”だけでなく、事業設計・信頼設計・仕組み設計を自分で持つことが不可欠です。
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自分の得意領域と立ち位置(ポジショニング)を明確に
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モニターなどで実績を積み、信頼ストーリーをつくる
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料金・契約・請求の仕組みをシンプルかつ明瞭に整備
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発信・営業導線を準備し関係性を育てる
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会計税務や労務、ブランド設計も事前に整え、事業に集中できる体制を整備
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継続支援やリピート導線を設計し、安定的な収益を確保
最後に一言:
“誰かの未来をつくる仕事”には、想いと専門性の両方が求められます。準備が整えば、安心して独立に踏み出せるはずです。ご相談やサポートのご希望があれば、いつでもお気軽にお声がけください。あなたの“コンサル独立”を全力で応援いたします!提携も大歓迎です。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。