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コラム

経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「アンカリング効果」ってなに?

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経営者なら知っておきたい!いまさら聞けない「アンカリング効果」ってなに?

商談や販売の現場で、「最初に提示した金額が、その後の判断基準になってしまった」という経験はありませんか?
実はこれ、心理学でいうアンカリング効果が働いている可能性が高いのです。経営者として価格戦略や交渉に関わるなら、この効果を知っておくことは必須です。


1. アンカリング効果とは?

ズバリ言います。
アンカリング効果とは、最初に提示された数字や情報が、その後の判断や評価に強く影響を与える心理現象のことです。

“アンカー”は船の「錨(いかり)」のこと。最初に下ろされた錨が船の位置を固定するように、最初に与えられた情報がその後の判断の“基準”になるのです。


2. ビジネスでの典型例

  • 価格提示
     高額商品を最初に見せると、その後の商品が割安に感じられる。

  • 値引き表示
     「通常価格50,000円 → 特別価格30,000円」と書くと、30,000円が安く見える。→テレビ通販でよく見るヤツですね(笑

  • 商談交渉
     売り手が高めの条件を先に提示すると、そこから下げた条件でも相手は「譲歩してくれた」と感じる。


3. なぜ経営者が知っておくべきか?

経営者は、商品やサービスの価格設定、販売戦略、取引条件の交渉といった「数字を提示する場面」に日常的に関わります。アンカリング効果を理解すれば、

  • 値引き合戦に巻き込まれにくくなる

  • 利益率を維持しながら成約率を上げられる

  • お客様に納得感を持って購入してもらえる

といった大きなメリットを得られます。


4. 活用のステップ

私が実務で提案している活用法は、以下の4ステップです。

① アンカーを設定する

最初に見せる価格や条件を戦略的に決めます。
例:まずはプレミアムプラン(高価格)を提示してから、スタンダードプラン(中価格)を見せる。

② 比較対象を用意する

単体提示よりも、複数案を並べた方がアンカリング効果は高まります。高価格帯が“基準”となり、中価格帯が割安に感じられます。

③ 割引や特典を絡める

「本来はこの価格ですが、今回は〜」という形で、アンカーとの差を強調します。

④ 視覚的に訴える

価格表や比較表を使い、数字の差を一目で分かるようにすることで、心理的効果が強まります。


5. よくある失敗パターン

アンカリング効果は便利ですが、注意しないと逆効果になることもあります。

  • 最初の価格が高すぎて現実味がない
     「そんな値段ありえない」と思われた瞬間に信頼を失います。

  • アンカー後の商品価値が伴っていない
     割安に感じても、実際の価値が低ければ満足度が下がり、リピートにつながりません。

  • 使いすぎて不自然になる
     毎回アンカー戦略を多用すると、「いつも高く見せて安く売っているだけ」と疑われます。


6. 中小企業での成功事例

地方の学習塾では、まず「個別指導+オンラインサポート付き」の高額コース(月額5万円)を提示。その後に「オンライン+質問対応のみ」のコース(月額2万円)を見せたところ、2万円コースの申込率が大幅アップ。以前より値引きなしで成約が決まるようになりました。

また、建築業の会社では、最初にフルオプション込みの見積もり(500万円)を提示。その後、不要なオプションを削ったプラン(380万円)を見せたところ、顧客は「かなり安くなった」と感じ、即決する割合が増えました。


7. 今日からできる実践チェックリスト

  • 商品・サービスにおける「一番高いプラン」を明確に設定しているか?

  • プレゼンや見積書で“最初に提示する数字”を意識しているか?

  • 高価格プランと中価格プランの価格差は合理的かつ魅力的か?

  • 価格差を説明する比較表やビジュアル資料を用意しているか?


まとめ

アンカリング効果は、「最初の提示がその後の判断基準になる」という、人間の心理的習性を利用した戦略です。
経営者としては、この効果を理解し、価格提示や交渉の順番を意識するだけで、売上や利益の改善が見込めます。

重要なのは、数字だけでなく価値の裏付けをセットで提示すること。アンカーはあくまで入口であり、最終的にはお客様が納得できる“理由”が必要です。

明日からの商談や販売で、「最初の一手」を戦略的に考えてみてください。きっと成果が変わります。


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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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