
「日本政策金融公庫(以下、公庫)の創業融資って、簡単に借りられるんですよね?」
よく耳にするご質問ですが、ズバリ申し上げます。
“誰でも簡単に借りられる”わけではありません。
確かに、公庫は「創業者支援」を目的とした国の金融機関。
銀行に比べて融資のハードルは低めで、実績のない方にもチャンスがあります。
でも、だからといって「ノープラン」で面談に臨んでしまうと、結果は不採択…。
では、どうすれば創業融資を成功させることができるのでしょうか?
今回は、「創業融資の面談で注意すべきポイント」を徹底解説いたします。
面談の前に知っておくべき“前提知識”
創業融資における面談は、
書類で伝えきれない“人物評価”を補う大事なステップです。
つまり、面談では、
-
あなたの人柄
-
事業に対する熱意
-
計画の具体性・現実性
-
資金使途の明確さ
などが“総合的”にチェックされます。
たとえ事業計画書が完璧でも、
面談で信用を失えば不採択になってしまう可能性も。
だからこそ、準備と受け答えがカギになります。
面談で“減点される”典型例とは?
では、まずは面談でよく見かける“失敗パターン”をご紹介します。
① 事業内容を説明できない
書類は誰かに手伝ってもらったけど、自分の口ではうまく説明できない……。
これでは「本気度が足りない」と見られてしまいます。
② 数字の根拠があいまい
売上や利益の予測に対して、「なぜこの金額になるのか?」
と聞かれて答えられないと、事業計画の信頼性が一気に落ちます。
③ 自己資金についてごまかす
「自己資金300万円あります!」と申告したのに、
実際には借りたお金だったり……。バレます。確実に。
④ 融資金の使い道が不明確
「とにかく設備に使います」とだけ言ってもNG。
「何に、いくら、いつまでに」使うのかが求められます。
⑤ 態度がふわっとしている
服装がラフすぎる、目を見て話せない、声が小さい……。
面談する公庫担当者も人間です。
「この人に本当にお金を貸して大丈夫かな?」
と思われたらアウトです。
では、面談で“好印象を与える”には?
ポイントは大きく5つあります。
1. 自分の言葉で事業を語る
書類の丸暗記ではなく、
「なぜこの事業をやりたいのか」「どうやって軌道に乗せるのか」を、
あなた自身の言葉で熱く語ってください。
想いと計画が両立しているかが大事です。
2. 数字に強くなる
売上、原価、経費、利益……これらを聞かれて、
スラスラ答えられるようにしておきましょう。
ざっくりでもいいので、
「なぜそう見込んだか」を語れるように。
3. 自己資金は“通帳で証明”
自己資金は“見せ金”ではなく“実際に貯めたお金”であることが大前提です。
預金通帳を用意し、コツコツ貯めてきた履歴をしっかりと見せましょう。
4. お金の使い方は「内訳」まで語る
設備資金・運転資金の内訳をしっかり伝えましょう。
きちんとした見積書があるとより信頼感が増します。
5. 見た目と態度も大事な要素
服装はスーツやジャケットなど、
清潔感のある装いが無難です。
挨拶や受け答えもハキハキと。
「信頼できる社会人」であることをアピールしましょう。
よく聞かれる質問と“答え方のコツ”
面談では、次のような質問が頻出です。
-
「なぜこの業種を選んだのですか?」
-
「競合との差別化ポイントは?」
-
「売上の見通しはどう立てましたか?」
-
「思った通り行かない場合、どうしますか?」
このような質問には、
単なる理想論ではなく
「経験・準備・対策」に基づいた答えが求められます。
たとえば、「競合との差別化は“価格”です」では弱いです。
「地域密着で同業他社が手薄なBtoBルート営業を得意としています」
といった具体性があると◎。
面談の後も油断は禁物!
面談が終わってホッとするのも束の間。
公庫からの電話や追加書類の依頼がある場合もあります。
対応は「早く」「丁寧に」が鉄則です。
「連絡がつかない」「書類が遅い」では印象が悪化します。
また、面談後の結果が出るまでに、
1〜2週間ほどかかるのが一般的です。焦らず待ちましょう。
税理士の同席や事前チェックも“強力な味方”に
ここでぜひお伝えしておきたいのが、「一人で抱え込まない」という姿勢です。
創業融資の面談は、いわば事業のプレゼンテーションの場。
人によっては緊張してうまく話せなかったり、つい数字に弱気になったりしてしまうものです。
そんな時こそ、起業支援に詳しい税理士のサポートが大きな力になります。
例えば、
-
事前に事業計画書の“ツッコミどころ”を指摘してもらう
-
面談で聞かれやすい質問への答え方を練習する
-
面談当日に同席してもらう
こういったサポートを受けることで、
不安が一気に軽くなり、自信を持って臨むことができます。
起業は決して一人で戦うものではありません。
信頼できる専門家と一緒に、
「融資面談」という最初の関門を突破していきましょう。
あなたの夢の第一歩、私たちも全力で応援します。
おわりに──面談は「試験」ではなく「会話」
面談は緊張するもの。
でも、相手は“あなたの敵”ではなく“味方になってくれるかもしれない人”です。
「事業の夢と現実を、誠実に語れるかどうか」
これが、創業融資面談の最大のポイントです。
どうか、怖がらずに正面から向き合ってください。
しっかり準備すれば、あなたの想いは必ず伝わります。
不安があれば、いつでもご相談くださいね。