
起業準備中に知っておきたい!「個人事業主」とは何か?その仕組みと始め方
はじめに:「会社じゃない起業」もアリなんです
「起業したいけど、いきなり会社を作るのはちょっと不安…」
そんなあなたに、ズバリおすすめしたいのが「個人事業主」という選択肢です。
個人事業主とは、簡単に言えば「会社を作らずに、自分で事業を始める人」。
開業の手続きもシンプルかつ費用がかからず、思い立ったらすぐに始められるのが魅力です。
この記事では、起業準備中の会社員の方向けに、「個人事業主とは?」という基本から、メリット・デメリット、始め方、気をつけるべき点まで、わかりやすく解説していきます。
個人事業主とは?言葉の定義と特徴
定義:個人で事業を行っている人
個人事業主とは、法人を設立せずに、自分の名前で事業を営む人のことをいいます。
たとえばこんな職業の方が該当します。
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フリーランス(ITエンジニア、ライター、デザイナーなど)
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自営業(飲食店経営者、美容室オーナーなど)
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士業(税理士、行政書士など)
つまり「自分で稼ぎ、自分で責任を持つ」人。会社員とは立場が大きく異なります。
「個人事業主」と「会社設立(法人)」の違い
| 比較項目 | 個人事業主 | 法人(株式会社など) |
|---|---|---|
| 設立手続き | 開業届を出すだけ | 登記が必要(費用あり) |
| 設立費用 | 0円 | 約20万円〜 |
| 税金の種類 | 所得税 | 法人税 |
| 節税のしやすさ | △(限定的) | ○(柔軟な対策可) |
| 信用力 | やや低め | 高め |
| 社会保険 | 国民年金・国保 | 社会保険に加入必須 |
ズバリ言います。
起業初期で売上も小さく、まずは「試してみたい」という段階なら、個人事業主でのスタートが非常におすすめです。
個人事業主になるメリット
① 始めやすい!手続きはたった1枚の書類
税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」を提出するだけ。
費用もかからず、最短1日で“起業家”になれます。
② 経費が使える!
事業に必要な支出は、すべて「経費」として計上できます。
たとえば…
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パソコンやスマホ代
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家賃(自宅兼オフィスなら按分)
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交通費、書籍代、研修費など
③ 売上に応じて納税額が決まる(柔軟な納税)
利益が少なければ、税金も少ない。赤字なら税金ゼロです。
法人のように「赤字でも法人住民税がかかる」といったことはありません。
個人事業主のデメリット(気をつけたい点)
① 信用力が弱い
「会社じゃない」というだけで、融資や取引で不利になることがあります。
ただし、実績や誠実な経営姿勢で十分カバーできます。
② 節税の幅が狭い
給与所得控除がない、退職金が出せない、家族への給与制限など、法人に比べて節税面では不利。
③ 責任は「無限」
事業で借金をして返せなくなった場合、個人の財産(貯金や自宅)で返済しなければなりません。法人であれば「有限責任」なので、その違いは大きいです。
開業の手続きステップ解説
ここでは、個人事業主になるための手続きを具体的にご紹介します。
ステップ1:開業届の提出
【提出先】管轄の税務署
【提出時期】開業から1ヶ月以内
【書類】「個人事業の開業・廃業等届出書」1枚(国税庁HPからダウンロード可)
ステップ2:青色申告承認申請書の提出(おすすめ!)
【メリット】
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最大65万円の控除が受けられる
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赤字を翌年以降に繰り越せる
これがあると節税の威力がグンとアップします。
【注意点】帳簿をつける必要あり。会計ソフトの利用がおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q. 個人事業主になるには資格が必要?
A. 基本的には不要です。ただし、飲食・美容・建設など一部業種では許認可や資格が必要です。
Q. 本業が会社員でも個人事業主になれる?
A. はい、可能です。ただし、会社の就業規則(副業禁止など)には注意しましょう。
Q. 事業が軌道に乗ったら法人化するべき?
A. 利益が500万円以上、取引先から「法人で」と求められる場合などが目安です。法人化にはタイミングがありますので、ご相談ください。
Q. 開業前にしておくべき準備は?
A. 名刺・屋号・銀行口座の準備、会計ソフトの導入、SNSなどでの情報発信が効果的です。
まとめ:小さく始めて、大きく育てる起業スタイル
ズバリ言います。
「会社を作らなきゃ、起業じゃない」と思い込むのはもったいない。
むしろ「個人事業主」という形で、小さく、でも確実にスタートするのが賢い選択です。
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費用ゼロで開業できる
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実績と自信がついたら法人化へステップアップ
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副業からでもOK!あなたらしい起業が実現できます
起業は、人生の大きなチャレンジ。でも、準備と戦略さえあれば、怖くありません。
まずは一歩。あなたの第一歩を、個人事業主として踏み出してみませんか?
どうぞ、お気軽にご相談くださいね!
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























