
──起業準備中の会社員が知っておくべき“創業融資”の超基本──
はじめに:1年後に起業したいあなたへ
「いつか自分のビジネスを持ちたい」「でもお金のことが心配で……」
そんなふうに感じている会社員の方、多いのではないでしょうか。
ズバリ申し上げます。起業において、資金調達の第一歩であり、最強の味方となるのが、日本政策金融公庫(通称:公庫)なのです。
本記事では、年間1,000件以上の起業相談を受けてきた筆者の立場から、日本政策金融公庫の基本から、実際の使い方、よくある質問まで、実務に即した形で徹底的に解説します。
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫(以下、公庫)は、政府が100%出資する金融機関です。銀行のように民間資本ではなく、国の政策に基づいて運営されています。設立の目的は明確。「民間金融機関では対応しにくい分野への資金供給」です。
つまり、まだ実績のない“これから起業する人”に対しても、前向きに融資を行ってくれる、頼もしい存在なのです。
公庫の主な3つの役割
1. 創業融資(新規開業・スタートアップ支援資金)
事業を始める際の初期費用(物件取得費、設備投資、運転資金)など、まさに起業家にとっての「スタート資金」を支援します。
2. 小規模事業者向け融資
開業後も、運転資金や設備資金として、継続的な融資の可能性があります。
3. セーフティネット的機能
コロナ禍や災害など、緊急時にも柔軟に対応する融資制度が多数用意されています。
なぜ公庫が起業家の味方なのか?
民間と比べて審査の視点が違う!
民間銀行では「過去の実績=決算書」が重視されますが、公庫では「未来の可能性=事業計画」が重視されます。つまり、「今は実績がなくても、これから頑張りたい!」という方にこそ向いているのです。
金利が低く、返済期間も長め
創業融資における利率は1〜2%台と比較的低く、返済期間も運転資金で10年、設備資金で20年程度と、長期的に返せる設定になっています。
担保・保証人が不要なケースも多い
「新規開業・スタートアップ支援資金」では、無担保・無保証人での融資が可能。創業期にとってありがたい配慮です。
実際に借りるまでの5ステップ
1. 事業計画書の作成
夢や想いだけではなく、数字の裏付けが必要です。特に「誰に」「何を」「どのように」売るかが重要なポイントです。
2. 自己資金の準備
一般的に必要な自己資金は「創業資金の1/3以上」が目安。貯金通帳をチェックされます。親からの借入は原則NGです。
3. 融資申込み(面談)
地元の日本政策金融公庫に相談予約をします。面談では「どんな商売をしたいか」「なぜそれが実現可能か」を熱意を持って語りましょう。
4. 審査(1〜2週間程度)
公庫内での審査が行われます。追加資料の提出を求められることもあります。
5. 融資実行(入金)
無事に審査を通過すると、指定口座に入金されます。通常は申込みから1ヶ月以内に入金されることが多いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 自己資金ゼロでも借りられますか?
A. 基本的に厳しいです。ですが、ゼロでも借りられる可能性はあります。通帳の履歴などから“貯める姿勢”を見せることが重要です。
Q2. 親からの資金援助はOK?
A. 贈与であれば自己資金として認められますが、「借入(返す約束)」の場合はNGです。
Q3. 副業の延長で起業したいのですが大丈夫ですか?
A. はい、むしろ副業での実績があれば好材料です。数字での裏付け(売上実績など)を示せると効果的です。
Q4. 公庫で落ちたらどうしたらいい?
A. 事業計画の練り直し、自己資金の積み増し、経験者との協業などを検討し、再チャレンジも可能です。
まとめ:起業の第一歩は“資金計画”から
これから起業を目指す会社員の方にとって、日本政策金融公庫は最強の味方です。
事業のアイディアが固まってきたら、次に考えるべきは「お金の計画」。
そしてその計画を“数字と想い”でカタチにしたのが事業計画書であり、それを基に資金を借りるのが公庫の創業融資です。
ぜひ、信頼できる専門家や支援機関に相談しながら、一歩一歩準備を進めてくださいね。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























