
企業融資における繰り上げ返済の考え方と注意点
繰り上げ返済を考える主な理由
- 手元資金に余裕がある
- 借入過多になりかけている
- 毎月返済額が多く返済負担を減らしたい
- 借入は極力残しておきたくない
このような理由で繰り上げ返済を検討される方は多いですが、「企業融資」では少し立ち止まって考える必要があります。
住宅ローンと企業融資の違い
個人の住宅ローンやカーローンでは、利息軽減の意味でも繰り上げ返済は有効な手段です。
しかし、企業融資においては「資金調達の柔軟性」や「金融機関との関係性」が大きく影響します。単純な利息の削減だけで判断するのは危険です。
企業経営で一番大切なのは「現金」
会社経営では、何よりも大切なのが「手許現金の確保」です。
増収していても、現金がなければ資金繰りの不安は払拭されません。逆に、業績が多少不安定でも、現金があれば経営は安定します。
つまり、繰り上げ返済により現金を減らすことは、経営リスクを高める場合もあるということです。
金融機関が嫌がる返済タイミングとは
金融機関は、基本的には「融資した資金を計画通り返済してほしい」と考えています。
とくに嫌がられるのが、以下のような行動です:
- 繰り上げ返済後すぐに新規融資を申請する
- 返済してしまえばまた借りられると安易に考える
一度返済しても、次の融資が必ず通るとは限りません。実際に、繰り上げ返済直後の新規申込みが否決された例もあります。
繰り上げ返済する前にやるべきこと
繰り上げ返済を検討している場合は、まず金融機関の担当者に相談しましょう。
今後の資金需要や付き合い方について、事前に話し合っておくことで、信頼関係を保ちながら適切な資金管理ができます。
FAQ(よくある質問)
- Q. 一括で繰り上げ返済すれば利息が減ってお得では?
- A. 利息は減りますが、手元の現金も同時に減るため、資金繰りの安全性を損なう可能性があります。
- Q. 将来的に資金が必要になったらまた借りればいい?
- A. 金融機関の審査はタイミングや実績で左右されます。一度返済したからといって再度借りられる保証はありません。
- Q. 一部だけ返済するのはどうですか?
- A. 一部返済も有効な選択肢ですが、やはり事前に金融機関に相談することが大切です。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


























