
「彼を知り己を知れば」|市場調査は難しく考えなくていい
「市場調査」という言葉を聞くと、専門的な知識や時間のかかる分析が必要だと感じ、つい後回しにしてしまう人も多いのではないでしょうか。しかし、中国の兵法書『孫子』には、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があるとされています。相手を知り、自分を知っていれば、何度戦っても危険はない、という意味です。今回は、この言葉から、市場調査をもっと身近に考える方法を見ていきます。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」とは、どういう意味か
この言葉は、戦う相手のことをよく理解し、同時に自分自身の強みや弱みもよく理解していれば、何度戦っても大きな危険にさらされることはないという意味だとされています。商売の場面に置き換えると、「彼」はお客さんやライバル、「己」は自分自身の商品やサービスということになります。この二つをよく知っておくことが、商売を安定させる基本になります。
市場調査とは、お客さんとライバルを知ること
「市場調査」という言葉は難しそうに聞こえますが、本質はシンプルです。自分が商品やサービスを提供したいお客さんが、どんなことに困っているのか、どんなものを求めているのかを知ること。そして、同じような商品やサービスを提供しているライバルが、どんな強みを持っているのかを知ること。この二つを知ることが、市場調査の基本的な役割です。
「己を知る」ことも、同じくらい大切
市場調査というと、お客さんやライバルを知ることに目が向きがちですが、「己を知る」ことも同じくらい大切です。自分の商品やサービスの強みはどこにあるのか、逆に弱みはどこにあるのかを、客観的に把握しておく必要があります。自分のことを正しく知らないまま市場に出てしまうと、お客さんに自分の良さをうまく伝えられなかったり、弱みに気づかず対策を打てなかったりすることがあります。
特別な調査ツールは、最初から必要ない
市場調査と聞くと、専門的な調査会社に依頼したり、高価な分析ツールを使ったりする必要があると考えてしまうかもしれません。しかし、最初の段階では、身近な人への聞き取りや、インターネットで同業の情報を調べることでも、十分に意味のある市場調査になります。難しく考えすぎず、まずは手近な方法から始めてみることが大切です。
「己を知る」ための、簡単な方法
自分の商品やサービスの強みと弱みを知るためには、これまでの経験や実績を振り返り、お客さんから言われたことがある言葉を書き出してみるとよいでしょう。褒められたこと、感謝されたこと、逆に指摘されたことを集めてみると、自分では気づいていなかった強みや弱みが見えてくることがあります。身近な人に、自分の商品やサービスについて率直な感想を聞いてみることも役立ちます。
知ったことを、定期的に見直す
市場調査は一度やれば終わりというものではありません。お客さんの好みやライバルの状況は、時間とともに変化していきます。一度知った情報をそのままにせず、定期的に見直すことで、変化に早く気づき、対応できるようになります。小さな頻度でも、継続的に情報を更新していく姿勢が大切です。
知ったことを、誰かに話してみる
調べて分かったことを、一人で抱え込まずに、家族や同僚など身近な人に話してみることもおすすめです。人に説明しようとすると、自分の理解が曖昧だった部分に気づいたり、相手からの質問を通じて新しい視点が得られたりすることがあります。知ったことを言葉にして話す作業そのものが、理解をより深める効果を持っています。
完璧な調査を目指さなくていい
市場調査において、完璧な情報をすべて集めようとすると、いつまでも調査が終わらず、次の行動に進めなくなってしまいます。分かる範囲の情報を集めたら、いったんそこで判断し、行動しながら必要に応じて情報を補っていくという進め方でも十分です。完璧さを求めすぎず、今わかっている範囲で一歩を踏み出す姿勢こそが、結果として前に進んでいくための力になります。実際の行動から得られる発見は、調査だけでは分からないことも多くあります。
💬 執筆者の小峰から一言
相談の場でも、市場調査は難しいと感じて後回しにする方は多いですが、身近な聞き取りから始めた方のほうが、結果として事業計画の説得力が増していくという印象を、これまでの相談のたびに、より強く持っています。
よくある質問
Q. 市場調査にはどれくらいの時間をかければいいですか
A. 業種や状況によって異なりますが、まずは身近な聞き取りや情報収集から始め、必要に応じて時間をかけて深めていく進め方で十分です。
Q. ライバルの情報が、なかなか見つからない場合はどうすればいいですか
A. 直接の同業者だけでなく、似たお客さんを相手にしている別の業種からも、参考になる情報が見つかることがあります。視点を広げて探してみましょう。
まとめ:今日からできること
今日は、自分の商品やサービスについて、お客さんから言われた言葉を一つ思い出し、書き出してみてください。「彼を知り己を知れば」という言葉のとおり、知ることの積み重ねが、安定した商売につながります。
【無料相談のご案内】
弊社は、V-Spiritsグループ代表の中野裕哲を中心に、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦をはじめとした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。


この記事を監修した人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
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- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
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