
担当者のプランニングには乗った方が賢い?
ご覧いただきありがとうございます!
V-Spiritsグループの元信金マン、こみねっちです。
このコラムでは、これまで実際にあった事例や、融資相談の現場でよくある質問・疑問について、できるだけわかりやすく、そして実務的な視点でお話しています。
今回は、「金融機関の担当者が提案してくる融資プランには乗った方がいいのか?」というテーマで、ズバリ解説していきますね。
融資申請には2つのアプローチがある
まず、融資申請の進め方には大きく分けて2つのパターンがあります。
ご自身で「この金額を借りたい」と希望を出すパターン
金融機関の担当者が「このくらいでいかがですか?」とプランを提示するパターン
どちらの方法もよくあるものですが、今回注目したいのは、2番目の「金融機関の担当者が提案してくるプランに乗るべきかどうか?」という点です。
金融機関の担当者は“通せるライン”を知っている
金融機関の担当者が融資プランを提案してくる場合、その背景には明確な意図があります。
それはズバリ、「この金額・返済条件であれば、社内の審査を通せるだろう」という“通過可能なライン”を見極めたうえでの提案であることが多いのです。
なぜなら、金融機関としては、自ら提示した条件で「審査が通りませんでした」という事態は絶対に避けたいのです。
特に地域金融機関や信用金庫などでは、「お客様との信頼関係」が命。ですから、提案する以上は、裏である程度の与信判断を済ませていると考えてよいでしょう。
提案を受けたら、そのまま乗るのが得策?
「金融機関から提案された=承認される可能性が高い」というロジックがあるので、提案内容に大きな違和感がなければ、乗ってしまう方がスムーズに融資実行に進むことが多いです。
もちろん、こちらの希望よりも金額が少なかったり、返済期間が短かったりする場合は、再交渉の余地もありますが——
ポイントは、「金融機関側の“提案の裏側”を理解したうえで、納得して乗るかどうかを判断すること」です。
つまり、ただ言われるがままに従うのではなく、「なぜこの金額なのか」「どんなリスクを想定しているのか」などを、しっかり担当者に確認することが大切です。
付き合いの深さが、提案の質を左右する
ここで大事な視点がもう一つあります。
それは、「金融機関との日頃の付き合い方が、提案の質に大きく影響する」という点です。
実は、金融機関の担当者も人間です。「このお客様は信頼できる」「しっかり事業を考えている」と感じれば、より親身になってプランニングしてくれますし、場合によっては「通常よりも一歩踏み込んだ提案」をしてくれることもあります。
逆に、情報開示が不十分だったり、こちらの姿勢が曖昧だったりすると、「無難なライン」にとどまった提案しか出てこない可能性もあります。
だからこそ、融資の話があるなしに関わらず、金融機関とは日頃から良好な関係を築き、「応援される経営者」になることが大切なんです。
事例:うまく担当提案に乗って成功したケース
例えば、ある飲食店の創業融資相談で、お客様は1,000万円を希望していました。
ただ、計画上の自己資金割合や返済能力を見た金融機関の担当者から、「800万円であれば、自己資金とのバランスもよく、返済も現実的なので、すんなり通ると思います」との提案がありました。
お客様は最初こそ戸惑ったものの、提案の根拠をよく聞いたうえで納得され、そのまま800万円で申請。その結果、スピーディーに融資が実行され、無事オープンへと漕ぎつけました。
今では売上も順調に伸び、半年後には設備投資のための追加融資もスムーズに通りました。まさに「担当者の提案を信じて正解だった」ケースです。
金融機関は“共に事業を育てるパートナー”
融資というと、どうしても「お金を借りる」「審査される」という上下関係のように思われがちですが、実際には、金融機関は事業を育てる“パートナー”の一員です。
担当者とのやり取りの中で、「この人なら一緒に走っていける」と思わせることができれば、今後の経営にとって非常に大きなプラスになります。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 融資担当営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。成績ばかりを追い、取引先を理解できず苦戦するが、企業の本質を知ることの重要性に気づく。以後、信頼関係を築き、資金繰りや融資支援に注力。経営難の企業に融資の基本を伝え、3ヶ月で1.5億円の資金調達を実現。この経験を原点に、中小企業の資金繰り支援を使命とし、日本の企業成長に全力を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

























