税理士/社労士/行政書士/司法書士/中小企業診断士/FP/元補助金審査員/元日本政策金融公庫支店長/各種コンサルタントなどが常駐する他に類を見ないワンストップサービス
オフィスは池袋駅から徒歩3分の日本政策金融公庫池袋支店と同じビルです

コラム

いまさら聞けない「原価」ってなに?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

いまさら聞けない「原価」ってなに?──経営の土台をしっかり固める第一歩

経営や起業を考えるとき、耳にする「原価」。けれど、正確な意味や必要性は「あいまい…」という方も多いはず。この記事では、専門用語をできるだけ抑えて、「原価とは何か」「どう計算するのか」「なぜ大切なのか」を丁寧に整理しました。


① 原価とは何か? わかりやすく

ズバリ言います。原価とは、『商品やサービスを提供するためにかかった費用』のことです。

たとえば飲食店なら、仕入れた食材、厨房スタッフの人件費、光熱費の一部なども含まれます。商品を売るときに、その背景で使ったお金が「原価」です。


② 原価の種類・分類

原価には主に以下の2種類があります:

  • 売上原価:売れた商品のために使った費用。たとえば商品仕入れや直接労務費など。

  • 製造原価:ものづくりタイプの事業であれば、「材料費+作業員の労賃+機械を動かす費用」などを含む費用。

また、分類に応じて「変動原価」「固定原価」といった視点もありますが、まずは上記の理解で十分です。


③ どう計算するの?

一般的に「売上原価」を計算する方法は次の式です:

  • 期首在庫+仕入高−期末在庫=売上原価
    売れた分だけを費用として計上するため、在庫管理がとても重要になります。

製造業では、さらに製造原価を使って、1個当たりの商品にどれだけ原価がかかったかを算出する「原価計算」を行います。


④ どう活用するの? 意味・目的

原価を正しく把握しておくことには、以下のような意味があります:

  • 適正な販売価格の設定
     原価を知らずに価格を決めると、利益が出ずに赤字になってしまう恐れがあります。

  • 利益構造の把握
     「売上-原価=粗利」で、経営効率を見る指標になります。

  • ムダな費用の洗い出し
     原価の中身を分析すると、省ける無駄なコスト(仕入れ過多、人件費の過剰など)が見えてきます。

  • 経営判断の根拠に
     資金繰り計画や価格戦略、新事業の採算判断に不可欠です。


⑤ 原価と「経費・販管費」との違い

「原価」は商品の提供に直接関わる費用。一方で「経費」や「販管費(販売費および一般管理費)」は、広告費・家賃・管理部門の人件費など、販売や運営全体のために必要な費用です。間接部門の経費が多いですね。

原価と経費を混同しないことが、利益管理の第一歩となります。


⑥ 小規模事業にとっての原価管理のポイント

  1. 仕入れと棚卸の記録をきちんとする
     仕入量、在庫残高を定期的に記録し、原価を正確に把握。

  2. 人件費と消耗品費の割り振りを意識する
     原価として計上する対象は、商品の提供に直接関わるもののみに限定。

  3. 価格設定に活かす
     原価を最低ラインとして、利益を乗せて販売価格を決定。

  4. 原価低減策を考える
     仕入先の見直し、作業効率改善、無駄ロスの削減などを検討。


⑦ よくある誤解と注意点

  • 原価=仕入れ価格ではない:配送費、保管費、製造に係るコストまで含まれることも。

  • 原価が安ければいい、と安易に考えない:品質を下げない範囲での効率化が前提。

  • 原価を軽視すると利益が見えず、将来の成長が難しくなる:小さな利益の積み重ねが企業の原動力。


■まとめ:原価は経営の“土台”

  • 原価とは、商品やサービスを提供するためにかかった直接費用のこと。

  • 正確な原価計算は、利益構造を理解し、価格を決め、効率的に経営するために欠かせません

  • 特に起業や小規模事業では、「原価を知る」「原価を管理する」ことが、黒字経営の第一歩になります。

事業計画書を書くときの原価の整理や計算式に迷ったとき、見直しておきたい項目の洗い出しや、適切な価格設定・利益構造のアドバイスもお気軽にどうぞ。あなたの事業を堅実に成長させるお手伝いができます。


【無料相談のご案内】

弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
フリーダイヤル 0120-335-523
お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts

この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

関連記事

爆アゲ税理士の起業経営チャンネル

新着コラム

  1. いまさら聞けない「社労士をつけずに社員を雇うとどんなリスクがあるの?」──安心して雇用を進めるために...
  2. いまさら聞けない「税理士を変更する」とどんな影響があるの?──安心して決断できるように整理しました...
  3. いまさら聞けない「赤字」だとどんな影響があるの?──経営における赤字の意味と現実的な対応策「赤字...
  4. いまさら聞けない「原価」ってなに?──経営の土台をしっかり固める第一歩経営や起業を考えるとき、耳...
  5. いまさら聞けない「マーケットイン」と「プロダクトアウト」ってどっちがいいの?──顧客視点と企業視点の...
ダウンロードはこちら
全国対応の補助金申請を専門家がサポート|中野裕哲の無料相談V-Spirits
All Aboutガイドの原点
多胡藤夫ブログ
中野裕哲ブログ
渋田貴正ブログ
三浦高ブログ
小峰精公ブログ
坂井優介ブログ
嶋田大吉ブログ
V-Spirits総合研究所株式会社
インボイス・電子帳簿保存法 Q&A
採用情報
業務提携先募集情報
V-Spirits Group SDGsの取り組み
V-Spiritsグループ Instagram
脳卒中フェスティバル

他社広告欄

クラウドPBX