
いまさら聞けない「レイトマジョリティ」ってなに?
〜マーケティングの成長戦略には欠かせない“慎重派の大多数層”を理解しよう!〜
「商品は徐々に広まってきたけど、なかなか次の層には進まない…」
「やっと認知は広まったけれど、売上の伸びが鈍化してきた…」
そんなときに知っておくとヒントになるのが、「レイトマジョリティ」という存在です。マーケティングでは、ある商品が“定着するかどうか”はこの層を味方にできるかどうかで決まる…と言っても過言ではありません。
今回は、レイトマジョリティとはどんな人たちなのか? なぜ重要なのか? そしてどう働きかければよいのか?を、わかりやすく、かつ実務に活かせる形でご紹介してまいります!
レイトマジョリティとは?
まず理解したいのは「イノベーター理論」の枠組みです。この理論では、新しい商品やサービスに対する受け入れタイミングに応じて、人を5つのタイプに分類します。
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イノベーター(革新者)
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アーリーアダプター(初期採用者)
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アーリーマジョリティ(前期追随派)
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レイトマジョリティ(後期追随派)
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ラガード(最後の慎重派)
レイトマジョリティは、この中で後半層にあたる大多数(約34%)です。アーリーマジョリティと合わせて「マジョリティの後半」とも言われ、社会への普及を左右する存在です。
レイトマジョリティの特徴とは?
この層には、いくつかの共通する行動心理が見られます。
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慎重で、リスクに敏感。新しいものにはなかなか飛びつきません。
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他者の導入事例や実績が不可欠。誰かが安心して使うのを見てから動く傾向があります。
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価格や安定性も重視する。値段や継続性に安心感がないと動きにくい人たちです。
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ちょっと遅れて動くことで安心したい感覚があります。
このように、「流行を追うより、後から安心して導入したい」層がレイトマジョリティです。
なぜ「レイトマジョリティ」が重要?
この層が商品を受け入れるかどうかで、商品やサービスの社会的な“定着”が決まるとされています。その理由は次のとおりです。
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大量の売上をもたらす可能性が高い
アーリーマジョリティより遅れて動くため、累計でのパワーは非常に大きくなります。 -
社会的信頼の構築につながる
「一般的で当たり前になっている」と認識されるようになると、広告効果や拡散力が自然に高まります。 -
ブランドの長期安定化につながる
この層を取り込むことで、価格競争に巻き込まれず、安定した収益基盤を築きやすくなります。
レイトマジョリティに対するアプローチ戦略
この層に響くポイントは「安心」と「側証」。 具体策としては:
① 実績・証拠を示す
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エビデンスや導入社・利用者の声をしっかり紹介する。
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ケーススタディ、成功事例、数値などを見せるのが有効です。
② 安心できる導入環境を提供する
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有料だけどサポート付きプランの提供、
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長期契約の保証や返金保証などで「安心感」を付加する。
③「誰でも使っている」印象を与える
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メディア掲載や多数利用者の実績、
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SNSや口コミでの拡散など、社会の“普通化”が有効です。
④ 提供する情報を整理・見やすくする
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プランや価格を明確にし、比較しやすくする。
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迷わず行動できるよう、視覚的にも整った情報を提示。
まとめ:「レイトマジョリティに届くこと」が普及のゴール
レイトマジョリティが動き出すと、あなたの商品は“本当に世の中に溶け込む”ことができる可能性が高まります。人気のピークではなく、「定番」や「安心」カテゴリーに入る源泉となるからです。
そのためには、「早期層へのアプローチ」と同時に「より安心感ある態勢」や「実在の事例と証明」を用意することが不可欠です。
そして何より、レイトマジョリティの心理をしっかり理解し、その人たちの目線に立った情報提供を心がけること。それが、あなたのサービスの普及と長期的な安定につながりますよ。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。