
起業のカギは「信用力」──CICってなに?
これから起業を目指す方にとって、資金調達は避けて通れない大きなハードルです。
そこでポイントとなるのが「信用力」。
ズバリ言いますと、信用力は“見えない資産”。そしてその「見えない資産」を数値や記録で判断されるのが、「信用情報機関」の役割です。
中でも「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」は、クレジットカードやローンの信用取引に関して広く利用されている信用情報機関のひとつ。
このCICを正しく理解し、活用することで、あなたの起業準備はぐんと安心感を持って進めることができます。
CICとは?信用情報の番人のような存在
CICは、クレジット会社や信販会社、銀行系クレジット会社などが加盟し、利用者のクレジット契約や支払い状況などを管理している団体です。
あなたが過去にクレジットカードを申し込んだり、スマホを分割で購入したりした情報も、ほぼ間違いなくこのCICに登録されています。
この情報は、次のようなときに金融機関がチェックします:
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クレジットカードを申し込んだとき
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自動車ローンを組むとき
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住宅ローンの審査
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そして、創業融資を受けるとき
つまり、起業のために融資を受けたいときにも、CICの情報は審査材料になるというわけです。
CICに登録されている情報の中身
CICには以下のような情報が登録されています。
1. 個人情報
氏名・住所・生年月日・勤務先など、本人確認に必要な情報
2. 契約情報
どのクレジット会社と契約しているか、利用限度額、契約日など
3. 支払状況
毎月きちんと支払われているか、延滞がないかなど。事故情報(延滞、債務整理など)もここに記載されます。
4. 問い合わせ履歴
どの会社がいつ信用情報を照会したかという履歴。これも審査時に参照されます。
これらはすべて6ヶ月〜5年程度の保存期間を持ち、融資審査時に参考にされます。
CIC情報を開示する方法
CICの情報は誰でも自分自身の分に限って開示できます。
開示するには以下の方法があります:
① スマホ・パソコンでオンライン開示(500円)
クレジットカードを使って本人確認を済ませれば、10分程度で画面上に情報が表示されます。
② 郵送での開示(手数料1,000円)
所定の申請書と本人確認書類を同封して郵送します。数週間で書面が返送されます。
③ 窓口での開示(500円)
予約制ですが、即日で書類が受け取れるため、急ぎの方に向いています。
起業前にCICを確認すべき理由
ポイントはこの3つです。
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信用情報に誤りがある可能性がある
→ 勤務先や住所変更が反映されていないこともあります。 -
過去の延滞やトラブルが記録されていることも
→ たとえば携帯の分割払いをうっかり延滞したケースなども、CICに記録されていることがあります。 -
審査に影響する前に「手直し」できる
→ 今のうちに直せることは直し、信用力を高めておくことで、融資審査の印象もアップします。
良い信用情報=クレヒスをつくるには?
クレヒス(クレジット・ヒストリー)を良くするためには、以下の習慣が重要です。
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クレジットの支払期日を1日も遅れずに守る
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利用枠の限界まで使わない(目安は30〜50%以内)
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リボ払い・分割払いはできるだけ控える
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利用カードは1〜2枚にしぼる(多重契約は印象が悪い)
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定期的にCICで自己チェックする
いわば、信用という名の“信用貯金”をしているイメージです。地道な積み重ねが、未来の資金調達の武器になります。
起業後にも信用情報は活用される
CIC情報は起業後も次のような場面で使われます:
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法人カードの申込(代表者の個人情報が参照されます)
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リース契約(コピー機や車など)
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追加融資申請
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出店や取引先契約時の信用調査
つまり、起業しても「個人の信用情報」が完全に切り離されるわけではないのです。
もし信用情報に問題があったら?
延滞や事故情報があるときは、焦らず、次のような対応をしましょう:
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まずは確認:CICで情報を取得し、事実を把握
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支払いが滞っていたらすぐに完済
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「異動」情報がある場合は、5年〜10年で自動消去されます
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誤りがある場合は、訂正請求(申立て)も可能
「信用情報に傷がある=人生終わり」ではありません。
きちんと対処し、時間をかけて修復することで、再び信頼を築けます。
FAQ:よくあるご質問
Q. CICの開示って、起業には直接関係あるの?
はい、あります。創業融資などを受ける際に、個人の信用情報は審査項目として重要視されます。
Q. CICに延滞があっても、融資は受けられないの?
延滞の内容や期間によります。すでに解消され、一定期間経過していれば可能性は十分あります。
Q. CICに誤った情報が記録されていた場合、どうすれば?
CICに「訂正の申し出」をすることが可能です。証拠となる書類や理由書の提出が必要です。
Q. 起業したら法人の情報がCICに登録されますか?
いいえ。CICは原則として「個人」の信用情報機関です。法人の情報は、別の調査機関が扱いますが、代表者個人の信用は重要視されます。
Q. スマホの分割払いの遅れも記録されるって本当?
はい、本当です。携帯電話の分割払いは「割賦販売契約」とみなされ、延滞情報が登録される対象です。
まとめ──信用は起業の“見えない資産”
これから起業するあなたにとって、事業のアイデアや商品力だけではなく、「信用力」もまた大きな武器となります。
信用は一朝一夕には作れません。だからこそ、今このタイミングでCICを確認し、改善・修復できることは着実に進めていきましょう。
そして、起業の日を迎えるときには、自信を持って「自分の信用情報、整ってます!」と言える状態でいたいものです。
どうか焦らず、着実に、一歩一歩積み上げていってくださいね。
必要であれば、私もいつでもご相談に乗ります。一緒に未来を創っていきましょう。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。


























