
会社員を続けながら起業する際に押さえておきたい時間配分と補助金の考え方
会社員として働きながら、将来の起業に向けて準備を進めたいと考える方から、次のようなご相談をよくいただきます。会社を辞めて一気に飛び込むのではなく、今の収入や生活を保ったまま少しずつ事業の形を作っていきたい、という段階の方が多い印象です。
会社員を続けながら起業したいと考えています。そのときのポイントや、会社員でも使えそうな補助金があれば知りたいです。

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
ご相談ありがとうございます。中小企業診断士として、業種を問わず起業の相談窓口を務めている三浦です。元補助金審査員として、これまで数多くの事業計画書や申請書類に目を通してきた経験も踏まえて、順番にお答えしていきます。
最初にお伝えしたいのは、副業として起業に関わる活動を行えるかどうか、勤務先への届出が必要かどうかという点です。これは会社ごとに就業規則の定め方が異なり、業種や役職によっても扱いが変わってきますので、具体的な可否や手続きの要否については、まず勤務先の就業規則を確認してください。この部分の解釈を誤ったまま進めてしまうと、本業そのものに影響が出てしまう可能性もありますので、起業の準備を本格的に始める前の最初の確認事項として押さえておくことをお勧めします。ここからは、就業規則の範囲内で進めることを前提に、実務面でのポイントを三つに分けてお話しします。
一つ目は、時間配分の考え方です。会社員を続けながら起業の準備をする場合、使える時間は平日の夜や通勤の合間、休日など、限られた範囲に収まることがほとんどです。この限られた時間の中で、本業と同じ密度で事業を動かそうとすると、どこかで無理が出てきます。睡眠時間を削って両方に全力を注ぐやり方は、短期間であればこなせても、長く続けるのは難しくなりがちです。大切なのは、今の生活の中で無理なく確保できる時間をまず数え、その時間でできる作業量に合わせて事業の進め方や規模を決めていく発想です。例えば、平日は情報収集や資料作成、顧客とのやり取りといった細切れでも進められる作業に充て、まとまった時間が取れる休日に実作業や商談を進めるなど、自分の時間の使い方に合わせて起業の進め方を組み立てていく方が、無理なく続けやすくなります。すべてを同時並行で進めようとせず、今の時間で確実にできる範囲から着手するという考え方が、両立を続けるうえでの土台になると感じています。
二つ目は、事業の小さな始め方です。起業というと、最初から事務所を借りたり、人を雇ったり、まとまった設備投資を行ったりといった大きな動きを思い浮かべる方もいますが、会社員を続けながらの起業では、本業に影響しない規模から始めることをお勧めしています。自己資金でまかなえる範囲、自分一人で管理できる範囲で事業を立ち上げ、実際に動かしてみて反応や手応えを確かめながら、少しずつ規模を広げていく進め方であれば、本業への負担を抑えつつ事業の実態を作っていくことができます。最初から大きな投資や長期の契約を抱えてしまうと、本業の状況が変わったときに両方が立ち行かなくなるリスクも高まります。小さく始めて様子を見ながら進める方が、会社員との両立という意味では無理のない進め方だと考えています。事業が軌道に乗ってきた段階で、本業との兼ね合いをどう調整するかを改めて考える、という順番でも遅くはありません。
三つ目は、補助金を使う場合の考え方です。補助金については、会社員のままでも使えるものがあるのではないか、というご質問をよくいただきますが、多くの補助金は、開業届を出した個人事業主や設立した法人などが、事業を始めていることなどが条件としてあります。会社員という立場だからダメというものではなく、事業の実態があるのか、申請要件である従業員の雇用の条件を満たしているかなどがポイントになってきます。自分の事業がその補助金が求める事業者要件を満たす段階にあるかどうかを確認する視点を持つことが大切です。開業届を出すタイミングや、どの事業形態で進めるかによっても対象になる制度が変わってきますし、制度ごとに対象者の条件や申請の時期も異なります。自分の状況が具体的にどの制度の対象になるかは、個々の制度の要件を確認しながら判断する必要がありますので、補助金の活用を具体的に検討する段階になったら、その時点の最新の条件を改めて確認することをお勧めします。
ここまでの三つのポイントは、それぞれ別の話ではなく、つながっています。使える時間を数えることで事業の規模感が見えてきますし、小さく始めることで本業への影響を抑えながら実績を積むことができ、その実績や事業の体制が整ってきた段階で、補助金の対象になるかどうかを確認する、という順番で考えると進めやすくなります。逆に、補助金が使えるかどうかを最初の判断材料にしてしまうと、自分の事業の実態や準備段階と合わない制度を追いかけてしまい、時間だけが過ぎてしまうこともあります。今の自分がどの段階にいるのかを基準に、無理のない範囲で一歩ずつ進めていくことを意識していただければと思います。
会社員を続けながらの起業は、時間配分と事業規模の両方を、今の生活に合わせて少しずつ調整していく作業の積み重ねだと感じています。焦って規模を広げる必要はなく、今の時間と資金でできる範囲を確かめながら、自分のペースで事業の形を整えていくという姿勢で十分です。どこから手を付けたらよいか整理したい、自分の状況でどんな進め方が合っているか相談したい、という段階でも、副業起業の計画相談を通じて一緒に考えることができますので、気になる方は検討してみてください。
【無料相談のご案内】
弊社では、中小企業診断士・元補助金審査員の三浦を中心とした専門家チームが、業種を問わない幅広い起業・新規事業のご相談に対応しております。何から始めればいいかわからないという段階でも、適切なアドバイスを無料にて行っております。無料相談も行っているので、ぜひ一度ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!

この記事を監修した人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
融資・資金調達コンサルタント
行政書士法人V-Spirits 補助者
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。




























