
いまさら聞けない「連合の原理」ってなに?──「結びつき」が人の行動や記憶をつくる法則
ビジネスや日常生活の中で、「何となく一緒に考えてしまう」のは自然なこと。その背後には、心理学の「連合の原理」という法則が関わっています。起業家にとって、この原理を知ることは「伝わる言葉・魅せ方」を設計するヒントになります。今回は、その仕組みと実務での活用ポイントをご紹介します。
① 連合の原理とは?
連合の原理とは、「時間・空間・意味が近いもの同士は脳内で結びつきやすくなる」という心理の法則です。例えば、
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コーヒーの香りと「目が覚める」感覚
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通知音と「スマホをチェックする」行動
などのように、繰り返し一緒に経験したことが、無意識のうちに関連づけられます。
アリストテレス以来、古代から知られてきた原則で、「類似」「対比」「近接」といった要因によって物事や概念が結びつくという考え方が基盤となっています。
② どんな場面で働いているの?
この原理は実は日常で無意識に使われていて、たとえば:
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ブランドとイメージの連合:人気タレントを広告に起用することで、そのイメージが商品に「良さ」として結びつく。
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デザインや広告:似た色、近い配置で情報を視覚的にまとめることで、読みやすさや印象を統一。
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習慣形成:朝ルーティンに同じ音楽や香りを使うことで、行動が定着しやすくなる。
こうした仕組みを理解すると、マーケティング施策や業務設計にも活かせます。
③ 連合の原理が重要な理由
なぜこの原理を意識すべきか?その理由は、
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記憶と行動が自然に連動する
人は「香り」「音」「色」などが合わさると、体験と感情を記憶しやすくなる。広告や商品決定時に役立つ。 -
ブランド価値の強化
ブランドカラーや広告メッセージを一貫させることで、企業イメージを定着させる効果がある。 -
習慣化・定着化のデザイン
研修や社内制度でも、繰り返し同じフレーズや手順を用いると社員の理解が深まりやすい。
④ 実務でどう使えばいいの?3つのコツ
1. 成長=香り・音・視覚のセットで記憶に残す
オンライン講座で「この音で始まる」「この色の背景」など、教材のトーンや演出を統一すると、視聴者の認知がスムーズになります。
2. ブランドや商品に「良い連想」を構築する
新商品ローンチの際、信頼できる人や権威者の推薦をセットにすると、ブランド連想が自然に作られます(例:社長登場+実績映像、有名人登場+商品説明)。
3. 会議・研修の流れにリズムをつけて習慣化
「あの質問をする」「この資料を見る」など、参加者に毎回同じ行動を繰り返させると、学びが定着します。
⑤ 連合の原理を意識したときの注意点
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誤った結びつきを防ぐ
普段と違うメッセージやデザインが混じると、「良いイメージ」が分散されて逆効果になることがあります。 -
過剰な連合は逆効果にも
常に同じ音楽や香りを使いすぎると、逆に飽きてしまい、ブランド離れを招くリスクもあります。 -
文化や場の文脈を配慮する
特定の色や音が他文化で別のイメージを呼び起こす場合もあるため、対象に応じた設計が大切です。
■まとめ:「連合の原理」はちょっとした工夫で記憶と行動をつなげる魔法
「連合の原理」とは、人の脳が自然に“リンク”や“まとまり”を作る性質に仕組みを当てはめたもの。マーケティングなどで強力な道具になります。
日常の音や香り、色で「覚えてもらう」「選ばれる」基盤をつくりたい方は、ぜひこの原理を意識して設計してみてください。お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。