
建設業の独立、トラック・軽トラの購入に創業融資は使える?申請の進め方を解説
建設業で独立するとき、トラックや軽トラックといった車両は仕事に欠かせない設備の一つです。「車両の購入費も創業融資でまかなえるのか」「どう申請を進めればいいのか」は、独立準備を進める職人の方から多く寄せられる疑問です。
この記事では、建設業の独立で車両購入費が創業融資の対象になるかどうかと、申請を進めるうえで押さえておきたい手順を解説します。
結論:車両購入費は設備資金として資金使途に含められる
結論から言うと、事業に使うトラック・軽トラックなどの車両購入費は、設備資金として資金使途に含めて検討されるのが一般的です。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、原則として無担保・無保証人で利用でき、融資限度額は最大7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。中古車であっても、事業遂行に必要な車両として見積書を準備できれば、資金使途として扱われます。
審査では、事業として創業した実績がなくても、事業計画書と自己資金などをもとに判断されます。車両購入費を含めた設備投資が、事業計画の中でどう売上に結びつくのかを具体的に示せるかどうかが、審査対応のポイントになります。
申請を進める手順
建設業の独立で車両購入を含めた創業融資の申請を進めるときは、次のような流れで準備すると進めやすくなります。
- 1. 必要な車両の仕様を決め、見積書を取得する:中古・新車、車種、金額を確定し、資金使途として説明できる見積書を用意します。
- 2. 車両費以外の開業資金も洗い出す:工具・機械費、事務所や倉庫にかかる費用、当面の運転資金を含めて総額を見積もります。
- 3. 自己資金を確認・整理する:面談時点で口座に確認できる形にしておきます。開業前に取得した資格や、すでに購入した工具・備品などの費用は、一定範囲で「みなし自己資金」として評価されることがあるため、領収書を保管しておきます。
- 4. 事業計画書を作成する:受注の見込み、売上計画、車両を含む設備投資がどう事業に必要かを具体的に整理します。
- 5. 申請・面談に進む:書類提出後、実行までの目安はおおむね3週間〜1か月です。準備期間を含めると、全体で約2か月を見ておくと安心です。
建設業ならではの注意点
建設業で独立する場合、建設業許可が必要な工事の規模・業種があります。許可の取得には一定の期間がかかることがあるため、一定規模以上の工事を受注する場合は、融資の申請・実行スケジュールと、許可取得や開業時期がずれないよう、早めに情報を整理しておくことをおすすめします。具体的な許可の要件・手続きは、行政書士などの専門家に確認しながら進めるとよいでしょう。
また、運転資金については、従業員の人件費や役員報酬は事業活動に必要な経費として資金使途の対象になります。車両の購入で自己資金の多くを使ってしまうと、受注が安定するまでの運転資金が不足しやすくなるため、車両費と運転資金のバランスを事業計画に反映させることが重要です。
融資限度額・金利・据置期間の基本
基準利率は2026年6月1日時点で、無担保・創業期(税務申告を2期終えていない場合)で年3.45〜5.15%です。制度・審査条件によって実際の適用利率は変わるため、申請時点の最新情報を確認してください。元金返済の据置期間は5年以内で設定でき、据置中は利息のみの支払いとなるため、開業直後の受注が安定するまでのキャッシュフローに余裕を持たせることができます。
V-Spiritsの創業融資支援実績
V-Spiritsグループは、これまでに712件(2026年6月時点)の創業融資を支援してきました。建設・不動産・製造などの業種は68件(構成比9.6%)にのぼり、車両や設備投資を伴う建設業の開業支援にも携わっています。事業計画書の作り込みに不安がある場合は、こうした支援実績を持つ専門家に相談してみるのも一つの方法です。
よくある質問
Q. 中古のトラックでも融資の対象になりますか
A. 中古車であっても、事業遂行に必要な車両として見積書を準備できれば、設備資金として資金使途に含めて検討されるのが一般的です。
Q. 車両費と工具費、どちらも同時に申請できますか
A. 車両費・工具費など複数の設備投資をまとめて事業計画に盛り込み、同時に申請することができます。それぞれの見積書を準備しておくとよいでしょう。
まとめ
建設業の独立でトラック・軽トラなどの車両購入費は、設備資金として創業融資の資金使途に含めて検討できます。見積書の準備、自己資金の整理、車両費と運転資金のバランスを事業計画に落とし込むことが、申請をスムーズに進めるポイントです。建設業許可のスケジュールとも合わせて、早めに準備を進めましょう。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 法人営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。朝日信用金庫での経験が原点となり、「銀行融資取引」や「資金繰り」の本質を企業へ伝えていくことがミッションだと確信する。
日本の99%は中小零細企業で成り立っている現状を痛感し、1社でも多くの企業の「資金繰り」の課題を解決していくことに専念する。
クライアント様がより良い商品やサービスを提供することができる環境づくりの一助となれるよう全身全霊を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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中野裕哲/Nakano Hiroaki
税理士法人V-Spiritsグループ代表/税理士/行政書士/特定社会保険労務士/採用定着士/ファイナンシャルプランナー/起業コンサルタント/経営コンサルタント/大正大学招聘教授
税理士法人V-Spiritsグループ代表の中野裕哲は、中小企業経営者のために、税務・会計だけでなく、採用、人事、資金繰り、融資、補助金、助成金、営業、Webマーケティング、売上導線設計まで横断的に支援する実戦型経営税理士です。
経営の悩みは、突き詰めると「人・金・売上」に集約されます。中野裕哲は、大企業人事部、人材紹介会社の採用エージェント、中小企業の財務責任者、大手不動産会社での営業、出版・Web制作による集客導線構築など、幅広い実務経験をもとに、経営者の意思決定を支援します。
【対応領域】
税理士顧問、社労士顧問、補助金支援、助成金支援、資金調達支援、採用力診断、売上導線診断、経営参謀顧問。税務・会計・決算・節税に加えて、経営分析、労務管理、社会保険、助成金、採用体制づくり、融資、補助金、事業計画、営業戦略、Webマーケティング、出版、メディア活用まで一体的に相談できます。
中野裕哲は、家業の倒産危機からの壮絶な貧乏体験を原点に、お金で苦しむ経営者をひとりにしないことを掲げています。資金繰り、採用、売上づくりの壁に対して、経営者目線で伴走します。
【主な実績】
- 起業支援・経営支援の豊富な実績
- 起業相談件数3,000件以上
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- 大企業Webサイト多数監修
- 商業出版著書監修約32冊(累計30万部超)
V-Spiritsグループでは、融資・補助金・金融機関対応に詳しい社内役員チームも伴走します。元経済産業省系補助金審査員・事務局員、元日本政策金融公庫支店長、元信用金庫融資担当営業などの専門家が、補助金申請、事業計画、資金繰り、金融機関対応を実務面から支援します。
税理士顧問、社労士顧問、融資、補助金、助成金、採用、営業、マーケティングまで、経営者が本当に悩む領域をワンストップで相談できます。V-Spiritsグループは、起業支援・会社設立・創業融資・補助金助成金・税務会計・人事労務・許認可・経営顧問をワンストップで支援する、起業家・中小企業向けの専門家グループです。





























