
会計参与って必要?小さな会社の経営者が知っておきたい真実
こんにちは。起業コンサルタント(R)、税理士・社労士・行政書士・FPの中野裕哲です。
今日は「会計参与」について、ズバリわかりやすく解説していきます。
「え? 会計参与って税理士とは違うの?うちにも必要?」と疑問をお持ちの方、特に小規模法人の代表者や今後法人化をお考えの個人事業主の方には、知っておいて損のない情報です。
本記事の想定読者
- 佐藤さん(仮称)/42歳/合同会社を経営する女性起業家
- 小規模出版事業を運営しつつ、フリーライターとしても活動中
- 金融機関との信用力アップを目指している
- 税理士には依頼しているが、より制度的な「透明性」を担保したいと考えている
第1章 「会計参与」って、そもそも何?
「会計参与(かいけいさんよ)」とは、2006年の会社法施行に伴って創設された新しい役職です。税理士または公認会計士が、会社の内部に入り込み、取締役と共同して計算書類の作成などを行う制度です。
つまり、税理士や会計士が「外部顧問」としてではなく、「会社の役員」という立場で加わるのがポイントです。
第2章 なぜ会計参与が作られたのか?
ズバリ、「中小企業の経営の信頼性を上げるため」です。特に中小法人では、会計書類がオーナー社長の一存で作成されがちです。これでは、金融機関や取引先に疑念を持たれかねません。
会計参与が入れば、会計専門職が「この計算書類はちゃんと作られている」と保証してくれます。
第3章 税理士と会計参与の違いは?
項目 | 税理士 | 会計参与 |
---|---|---|
立場 | 外部の顧問 | 会社の内部役員 |
任命 | 契約に基づく | 株主総会で選任 |
責任 | 契約の範囲 | 取締役と同様の責任あり |
業務範囲 | 会計・税務指導 | 計算書類の作成などを取締役と共同実施 |
第4章 会計参与を置くメリット・デメリット
メリット
- 計算書類の信頼性が格段にアップする
- 金融機関からの評価が高くなる
- 会社法上の義務を果たす体制が整う
- 経営数字の「見える化」が促進される
デメリット
- 役員報酬の支払いが必要
- 取締役と同様の責任が生じる
- 普及率が低く、引き受け手が限られる
第5章 どんな会社に向いているのか?
- 資金調達で会計の透明性を求められる会社
- オーナー企業でガバナンス強化を図りたい会社
- 取引先や親会社に信頼をアピールしたい企業
- 代表以外に社内の数字が見える人がいない企業
第6章 会計参与を置く手続きは?
- 税理士または会計士に打診・合意
- 株主総会で選任
- 登記申請(法務局)
登記の際には、就任承諾書や資格証明書が必要です。経営状況をオープンにできる関係性が求められます。
第7章 FAQ:よくある質問
Q1. 会計参与は義務ですか?
A. いいえ、任意設置制度です。
Q2. 会計参与にすれば顧問契約は不要?
A. 業務範囲によっては別契約が必要です。
Q3. やってくれる税理士が少ないのは本当?
A. はい。責任が重く、信頼関係と経営内容の開示が鍵です。
おわりに
会計参与はまだ普及していない仕組みですが、透明性と信頼性を高める効果は大きいです。中小企業こそ、積極的に活用して信用力をアップさせましょう。
ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。