
当座預金について解説
今回は、【当座預金】について解説していきます。
当座預金の現状とイメージ
最近では、当座預金を利用している企業も減少しているようです。かつては、当座預金=企業のステータスのような印象がありました。特にメガバンクで当座預金解説をしているとそれだけで信用力が高いと見られることもしばしば。
今回、当座預金とは?についてと、当座預金と普通預金の違いについて説明をします。
当座預金とは?
当座預金の定義は、小切手や手形の支払いのための預金です。原則無利息で、引き出しには小切手や手形が使われます。
そして、万が一金融機関が破産してしまったとしても預金保険制度によって、利息がつく預金とは別に全額が保護される性質を持っています。
当座預金は、手形・小切手が振り出せる一方で、普通預金の引落しのように落ちなかったから再度別日に振替されるといった便利なものではありません。
期日当日に引落しができないことを「不渡り」といいます。ここでは詳しい説明は割愛いたしますが、1度目の不渡りから6ヶ月以内に2度目の不渡りを出してしまった場合は、「取引停止報告」に掲載されることになり、金融機関に通知されます。そして通知日から2年間、当座預金取引や融資ができなくなってしまいます。
銀行取引停止処分によって、さらなる信用の低下や資金繰りの悪化を招いて経営の継続が難しくなるため、この状態を「事実上の倒産」と呼ぶ事もあります。
最近では、当座預金を積極的に開設する金融機関は多くなく普通預金利用が一般的になっています。
当座預金と普通預金の違い
当座預金と普通預金の違いは、大きく分けて以下の5点あります。
①利息の有無
普通預金は利息がつき、当座預金は利息がつきません。
②ATMでの入金と出金の違い
当座預金の場合、ATMを利用して入金や出金をすることができません。当座預金で入金する場合は、当座預金入金帳が必要となります。また、出金の場合は、小切手や手形、口座振替のみで行うことができます。
③口座開設の審査
普通預金も当座預金も、新規で口座を開設する際には、各金融機関で審査をする必要があります。普通預金の場合は、審査基準はあまり厳しくないので口座開設することが可能です。しかし、当座預金の場合は、小切手や手形、当座預金など様々な制度があるため、厳しい審査にクリアしなければなりません。
④当座貸越の有無
普通預金の場合は、残高が0になると振込や引き出しは一切利用することができなくなります。一方、当座預金の場合は、銀行と当座貸越契約を結ぶなら、残高が0円でも支払いができる「当座貸越」という制度があり、あらかじめ決められている限度額の範囲内であれば、銀行が一時的に肩代わりしてくれます。
⑤元本保証
取扱金融機関が倒産、もしくは破綻した場合、預金保険機構による払い戻しが保証されています。しかし、普通預金の場合は、ペイオフ制度により、保証限度額が1,000万円までとなっています。一方、当座預金の場合は、保証限度に上限はなく、全額保証されています。
まとめ
以上が、当座預金の特徴と、当座預金と普通預金の違いです。創業期の企業が当座預金開設されるケースはほぼないと思いますが、知識として知っておくに越した事はありません。
普通預金にも元本保証の決済口座もあります。(無利息ですが、全額保護される)
このようにたくさんの口座がありますので、企業のステージ毎で変えてみるのも一つかもしれませんね。
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。