
三重県伊勢市で個人事業開業・会社設立を考えている方へ
(1)起業におけるお金の悩み
僕は今までITエンジニアの仕事をしてきて、15年が経とうとしている。サラリーマンとして働く日々にマンネリ化を覚え、モヤモヤしていた。実は、小さな頃から飲食店を開くことが夢だった。
そこで、思い切って会社を退職し、起業を決意した。後は資金調達の目途さえつけば、すぐにでも会社を辞めて事業を始めようと考えていた。手元にある貯金300万円の自己資金だけでは、お店を出すことは難しいことは理解していたが、金融機関に相談すればなんとかなると思い、日本政策金融公庫の創業融資相談の予約をした。
(2)創業融資には様々な落とし穴があった
インターネットにある情報そのままに必要な書類を準備・作成し、日本政策金融公庫へ創業融資の相談を行った。担当者と面談したところ、今までに経験したことない分野での起業であることと、全体的に準備不足と指摘された。甘く見ていた僕は、ありきたりな言葉を付け加え、少し事業計画書を修正して、再び申込を行った。
結果はもちろん否決となり、他の金融機関にも相談をしてみたが、回答はみな同じだった。そうして僕は資金を準備することができずに、起業をあきらめざるを得なくなった。
絶対にしてはいけないこと
創業融資を一人で進める中で、つまずきやすい落とし穴があります。それは、準備不足です。実は、創業融資は一発勝負です。いちど申込をして審査に落ちてしまえば、同様のビジネスで創業することを前提とした融資申請は、再度審査してもらうのは実質的に難しいでしょう。つまり、起業自体が暗礁に乗り上げてしまう可能性があるのです。
起業の失敗あるある
- いきなり日本政策金融公庫に相談をしてしまえば、その時点で相談内容も記録が残り、全支店で相談記録が見られる状態になってしまう。
- 楽観的に考え、未完成な状態での事業計画書(創業計画書)を提出して審査に落ちてしまう。
(3)専門家が教えてくれた
創業融資を成功させるには、金融機関側の視点に立ち、審査の要件を先に全てクリアしておくことが大切です。
①自己資金
自己資金とは、事業に対する自分が準備したお金です。自己資金の割合に応じて、受けられる融資金額も変わります。極端に少ない場合は、融資を受けることは難しくなります。
②経験&能力
これから始める事業の分野での経験があるかどうか。また、経験があったとしても経営していく能力が備わっているかどうかも重要なポイントです。
③返済可能性
計画書には理想の数字を掲げるのではなく、現実的であり実現できる数字を記入しましょう。金融機関はきちんと返済できる可能性があるかどうか、厳しくチェックしています。
④資金使途
資金使途には、運転資金と設備資金があります。金融機関は、何にどのくらいのお金が必要かどうかを明示していないお金については、融資をしてくれません。起業当初にかかる資金計画も、きちんと作成しておく事が必要です。
このうちひとつでも欠ける所があれば、審査自体落ちてしまう可能性があります。
何一つ気にせずに進めていたことを反省した。そして、知人から紹介を受けた専門家に相談を行い、事業計画を見直すことにした。僕は15年間ITエンジニアとして働いてきた経験は十分にある。飲食店を開くには300万円と自己資金は少なかったが、自己資金に加えて300万円程度融資が受けられれば、資金の問題は解消できることが分かった。
(4)申込をするためには?
もし、ご自身で要件を確認し、事業計画書(創業計画書)を作成して直接申込をするのであれば、管轄となる日本政策金融公庫の支店は伊勢支店です。
◎日本政策金融公庫の伊勢市・伊勢支店の情報
- 住所:〒516-0037 伊勢市岩渕2-5-1(三銀日生ビル)
- 営業時間:9:00〜17:00
- 詳細:日本政策金融公庫 伊勢支店
※豊島区・池袋支店は、弊社V-Spiritsのオフィスと同じビル内にあります。
創業融資は一発勝負。慎重に進めることを強くおすすめします。
◎日本政策金融公庫でおすすめの4つの融資
- 新規開業・スタートアップ支援資金
- 新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)
- ソーシャルビジネス支援資金
- 資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)
◎その他のおすすめの資金調達方法
- クラウドファンディング
- 小規模事業者持続化補助金
- キャリアアップ助成金
- 保証協会融資
- 三重県の制度融資
- 伊勢市の制度融資
- 三重県の助成金事業
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。