
起業後、売上が伸び悩むときにやるべきこと──焦らず、構造的に改善する5つのステップ
「起業したけど、最近売上が伸びない…このままで大丈夫かな」
そんな不安を感じる時期には、冷静な分析と戦略的な改善が必要です。ここでは原因の特定から具体策、マインドセットまで、起業家として取り組むべき流れを丁寧に解説します。
1. 原因を構造的に分析する
まずは「何が原因で売上が伸びていないのか?」を多角的に整理しましょう。
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売上の構成要素(客数、客単価、成約率)を分野別に分解して数値をチェックする
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内部要因と外部要因をフレームワーク(PEST・3C・ロジックツリーなど)で整理し、見える化する
この構造的な見直しが、打ち手を打つための第一歩です。
2. 既存顧客へのアプローチ強化も忘れない
新規顧客獲得に目が行きがちですが、売上低迷期には既存顧客への施策が効果的です。
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継続フォロー、アップセル・クロスセルの提案で客単価や購入頻度を改善
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顧客への感謝の声掛けや気づきの共有も意外な売上につながる
「知らぬ間に常連が離れてしまっていた…」そんなときは既存客の掘り起こしが鍵です。
3. マーケティング戦略と営業プロセスを見直す
次に、新規獲得向けの施策を整理します。
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ターゲットと訴求内容にズレがないか?
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オウンドメディアやWeb広告の内容・配信頻度は効果があるか?
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営業プロセスが仕組化され、継続的に動いているか?
業務の再現性と効率性が高まると、継続的な成果が出やすくなります 。
また、原因の多くは、そもそも発信の数が足りない、行動が足りないことです。
4. 社内の体制・人材・コミュニケーションを整える
売上が伸び悩むとき、社内構造に足かせがある場合もあります。
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組織の目標やビジョンが社員に共有されていない
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営業のPDCAが回っておらず、改善が滞っている
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優秀な人材が足りない、または育成体制が不十分な場合も少なくありません
人の質やチーム作りが、売上の土台を支えているからです。
5. 外部視点を取り入れて“視野を広げる”
自社だけで悩むよりも、外部の視点を入れると突破口が見つかることがあります。
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成功している起業の事例からヒントを得る
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専門家(起業コンサル・中小企業診断士・税理士など)に状況を相談する
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顧客や取引先との対話から「本音」のニーズを聞く
社外の視点が、時に「当たり前」を変えるきっかけになります。
6. 売上停滞から抜け出した実例
ある企業では、優秀人材の採用による組織改革で、新たな伸びにつなげています 。
また、社長自身が「売上が落ちたとき、自分では営業しきれない」と認め、営業責任者を招聘し事業が回復した事例も報告されています 。
これらのケースからも、マインドと体制の変化が回復のカギになることがわかります。
7. 売上低迷期は“ビジネスの棚卸し”の絶好の機会
売上が伸びない時期というのは、見方を変えれば「原点に立ち返るタイミング」でもあります。
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なぜこのビジネスを始めたのか?
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本当に価値を届けたいお客様は誰か?
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そのお客様が“今”求めているものは何か?
一度立ち止まって、これらの問いを改めて考えてみることが、事業の再定義につながります。
ビジネスの“棚卸し”をすることで、方向性の軸が定まり、余計な迷いも減っていきます。
8. 小さな改善を“継続”することが何より大切
成果が見えづらいと焦る気持ちは誰にでもあります。でも、売上は「1つの施策の成功」で急に跳ね上がることは少なく、多くは「小さな改善の積み重ね」でじわじわと回復していきます。
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月に1回の新商品テスト
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週に3件の営業電話・問い合わせフォロー
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毎日10分のSNS投稿や顧客対応の改善
こうした「日々の小さな行動」の中に、大きな結果の芽が隠れているのです。継続は力なり――まさにこの言葉が、売上回復にはピッタリです。
最後に──効果的な改善は“スモールPDCA”から
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まずは「何が止まっているか」を把握する
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施策を絞って「試す・検証する」
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修正して改善して「効果を積み重ねる」
この小さな一歩の積み重ねが、売上停滞から抜け出す確かな力になります。難しいのは、焦らず進めること。あなたが本業に集中しながら、冷静に見直すことで、きっと状況は変えられます。
まとめ表
ステップ | やるべきこと |
---|---|
① 原因分析 | 数字を分解し構造的に整理 |
② 既存客戦略 | アップセルとフォローで収益改善 |
③ マーケ&営業 | ターゲティング・仕組みの見直し |
④ 組織体制 | 目標共有・人材育成で土台強化 |
⑤ 外部視点 | 事例・専門家・顧客の声で視野拡大 |
おわりに──相談も一歩の力になります
「どこを直せばいい?」と感じたら、ぜひ気軽にご相談ください。
数字をもとにした原因分析、実現可能な施策立案、体制構築まで、あなたの起業の再スタートに寄り添える支援を提供いたします。
売上が止まったのは、改善のチャンスです。その一歩を、一緒に踏み出していきませんか?
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。