
いまさら聞けない「ペルソナ」ってなに?──顧客像を具体化して事業の精度を高める教科書
「ペルソナ」という言葉、マーケティングや商品企画ではよく使われますが、「なんとなくはわかるけど、具体的にどう活かせばいいの?」という方も少なくありません。実は、ペルソナ設計は「誰に届けるか」を明確にし、商品・サービス・接点の質を高めるために、とても大切な“地図”になります。本記事では、初心者にもわかりやすく実務で使える形で整理し、ご紹介します。
① ペルソナとは?
マーケティング用語としてのペルソナとは、「自社の商品・サービスを届けたい“理想のお客様の具体像”」です。年齢や性別といった基本情報だけでなく、生活スタイル・価値観・悩み・行動パターン・情報接点などを鮮明に描きます。その人物を「一人の人間のよう」に扱い、事業全体をその人に向けて設計していくアプローチです。
② なぜペルソナが必要なのか?
A. メッセージが伝わりやすくなる
「40代共働きママにどう響くか」「創業3年目社長が欲しい情報は何か」…と考えることで、伝え方・言葉遣い・販売チャネルを正しく選べるようになります。
B. 商品・サービスが顧客視点に近づく
「この人にとって本当に使いやすいか?」を基準に設計でき、顧客満足度やリピート率が高まりやすくなります。
C. 無駄な試行を減らせる
不特定多数に向けて試すよりも、仮説が明確なので改善ポイントが見つけやすく、効率的なPDCAが回せます。
③ ペルソナの要素
以下のような項目で具体化します:
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基本情報:年齢、性別、家族構成、居住地、職業、年収など
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生活背景:趣味、ライフスタイル、価値観、1日の行動パターン
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課題・悩み:仕事・家庭・健康・時間・お金・人間関係など
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ニーズ:求めている解決策、理想の状態
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接点/媒体:普段見るメディア、SNS、イベント情報など
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購買行動・意思決定要因:価格・品質・安心感・口コミの重視ポイント
④ ペルソナ設計のステップ
ステップ1:仮説のペルソナを立てる
いきなり完璧でなくOK!「30代子育てママで週末はSNSでレシピを探す人」など仮設作りから始めます。
ステップ2:顧客や見込み客にヒアリング
実際の声を聞き、「本当にそう感じているのか」を確認。インタビュー・アンケート・ヒアリング情報を活用します。
ステップ3:データで裏付け
性別・年齢層などに偏りがないか確認。SNS分析・アクセス解析などで行動傾向をチェック。
ステップ4:プロファイルを詳細に設計
得られた情報を基に架空の人物像をまとめ、名前・写真・簡単なプロフィールをつけると分かりやすくなります。
ステップ5:プロダクト・導線設計に適用
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Webサイト・LPの文言設定
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商品仕様や価格帯の見直し
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接客や営業トークのトーン
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広告媒体や導線の選定
- 発信するメディア(SNSなど)の選定
など、ペルソナに向かって設計していきます。
⑤ ペルソナ導入のメリットと注意点
メリット
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顧客理解が深まる
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チームの共通認識を構築しやすい
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PDCAサイクルの改善精度が高まる
注意点
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複数ペルソナに分けすぎない:基本1〜2人+非優先層でもOK
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古い情報のペルソナにはしない:半年に1回の見直しを
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勝手に想像しすぎない:なるべく実データで検証すべき
⑥ 実務で使うペルソナ活用法
A. 初期の集客導線設計
ペルソナがいる場所に広告や記事を出す。たとえば子育てママ向けならInstagram・ママ向けメディアに掲載。
B. 企画や商品開発に落とし込む
「忙しいママが電子レンジでもふわふわパンを食べたい」を軸に、スチーム性がある商品を開発する。
C. チーム共有用テンプレート作成
会議や提案資料でペルソナ像を決め手として使えば論点がブレず、共通理解が早くなります。
D. 広告クリエイティブに反映
特定の名前・属性を想起する文言を使い、「まるでこの人に話しかけているように」伝えられる広告が作れます。
✅まとめ:ペルソナは“選ばれるための羅針盤”
ペルソナ設計は、「誰に・どんな価値を・どう届けるか」を迷わず考えるための強力なフレームワークです。最初は仮説からでもOK。大事なのは“実際の顧客の声”を聞いて、リアルに近づけ続けることです。
決して難しいものではありませんが、「自分のビジネスに当てはまるペルソナを作りたい」という相談があれば、いつでもお気軽にご連絡ください。あなたの「想いを届ける」戦略設計を全力でお手伝いいたします!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。