しばらく続いている「金融機関と締結する契約書」シリーズですが、今回は「金銭消費貸借証書」について解説したいと思います。
何だか耳馴染みのない契約書ですが、要は「借用書」です。
金融機関が「あなたに融資しますので、この条件で返済してくださいね」という内容になっています。
今回の融資に対する細かい条件を最初に決めておくということです。
サッカーで言えば、各大会のレギュレーションに近く、「ワールドカップでは交代は3人まで」「親善試合では交代は6人まで」といった感覚です。
その時その時で可変な条件を定める契約書になります。
では、具体的にはどのような項目があるのでしょう。
(契約日)
「いつ借りた」のか、です。実行日(口座への入金日)が記載されています。
(債権者)
「誰が貸す」のか、です。当然、金融機関です。
(債務者)
「誰が借りる」のか、です。当然、貴社となります。
(保証人)
「誰が保証する」のか、です。民間金融機関からの借入の場合、多くは代表取締役となります。
「金銭消費貸借証書」とは別に「保証約定書」を締結する金融機関もあります。
(借入金額)
「いくら借りる」のか、です。審査が承認された金額が入ります。
(資金使途)
「何のために借りる」のか、です。運転資金、設備資金、賞与資金、工場購入資金などと記入します。
(弁済方法)
「どのように返済する」のか、です。
元本返済を●月●日から毎月●万円、●回返済。
最終期限は●年●月●日と定めます。
あくまでも、元本の話です。
元金均等返済なのか、元利均等返済なのかもこの欄に記入されます。
(金利)
大体の金銭消費貸借証書には年●%と書いてあります。
日割り計算か月割計算かは、金銭消費貸借証書か取引約定書に記載されています。
(利息の支払い方法)
細かい開設は割愛しますが、実は利息には「前取り」と「後取り」があります。
最終的な支払総額はほぼ変わりません。
(遅延損害金)
大体の金銭消費貸借証書には年●%と書いてあります。
日割り計算か月割計算かは、金銭消費貸借証書か取引約定書に記載されています。
(返済口座)
「どの口座で返済する」のか、です。
民間金融機関の場合は、基本的に担当支店の債務者本人の普通預金口座となります。
稀に、当座預金の場合もあります。
(金利の変動時期)
変動金利で借りている場合は、「年に●回、●月に金利の見直しをする」といった文言が入っています。
金融機関によっては変動幅に制約をかけており、大幅な変動を未然に防ぐことで債務者の資金繰りの安定を図っています。
「金銭消費貸借証書」については金融機関の担当者も説明してくれることが多く、また、債務者側から見ても理解しやすいものが多くなっています。
契約締結の際には、内容をよく確認し署名・押印するように心がけてください。