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以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
余資対比率(予貸率)を理解する:金融機関の姿勢が見える指標とは
はじめに
こんにちは。税理士・行政書士・中小企業診断士の中野裕哲です。
金融機関の決算資料や中小企業白書などを見ていると、必ずといっていいほど出てくる用語があります。それが「予貸率(よたいりつ)」です。
一見すると難しそうに聞こえますが、実はとてもシンプル。起業家や経営者にとっても、金融機関の姿勢を読み解く大切な指標なんです。
今回の記事では、動画の内容をベースに 「予貸率とは何か?」 を分かりやすく解説し、金融機関との付き合いにどう活かせるかをお話ししていきます。
予貸率とは何か?
定義
予貸率とは、預金残高に対して貸出残高がどれだけあるかを示す比率です。
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分母:預金残高
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分子:貸出残高
つまり「集めたお金のうち、どれくらいを貸し出しているのか?」を示す数字というわけです。
例
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預金100億円を集めて、そのうち50億円を貸し出している → 予貸率50%
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預金100億円を集めて、そのうち90億円を貸し出している → 予貸率90%
数字を見れば、その金融機関が「どれくらい積極的に融資をしているか」が一目で分かるんですね。
金融機関別の予貸率の特徴
動画の中でも触れられていましたが、実際の予貸率は金融機関の種類によって大きく異なります。
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都市銀行(メガバンク):昔は高かったが、近年は低下傾向
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地方銀行・第二地銀:比較的高めで、地域の事業者に積極的に貸し出し
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信用金庫:地域密着型だが、予貸率は意外と低め(約50%前後)
なぜ信用金庫が低いかというと、地域住民からの預金を集めても、必ずしも貸し出し先が潤沢にあるわけではないからです。
予貸率が高い金融機関の特徴
予貸率が高いということは、つまり「集めたお金を積極的に貸し出している」ということ。
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起業家・中小企業にとっては、融資の積極姿勢が期待できる
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地域の資金循環に貢献している証拠
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金融機関の営業方針が「攻め」寄り
特に信用金庫や地銀は、「地域で集めたお金を地域の企業へ回す」という使命を持っています。そのため、予貸率が高い金融機関ほど、地域経済に積極的に関与していると言えます。
予貸率が低い金融機関の特徴
一方で、予貸率が低い金融機関は「貸出に消極的」と捉えられることもあります。
ただし、これには裏のメリットもあるんです。
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手元資金(余剰資金)が多いので、経営の安全性が高い
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「取り付け騒ぎ」などが起きても、現金を払い戻せる余力がある
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つまり、金融機関としての安定感は強い
つまり「低い=悪い」わけではなく、「貸出に積極的ではないが、安全性が高い金融機関」と理解するのが正しいでしょう。
予貸率が100%を超える場合
まれに予貸率が100%を超える金融機関も存在します。
これは「預金で集めたお金以上に貸している」という意味です。
どうやっているのか?
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日本銀行からの借入
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社債の発行
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他の金融機関からの調達
こうした手段を使って資金を補いながら貸出を行っています。
積極姿勢の裏返しですが、当然リスクも伴います。
起業家はどう活かせばいいのか?
予貸率を見ることで、その金融機関の「融資に対する姿勢」が分かります。
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予貸率が高い金融機関 → 融資に積極的。資金調達の相談をしやすい
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予貸率が低い金融機関 → 保守的だが安定感がある。長期的なお付き合いには安心
つまり、資金調達を考えるなら「予貸率が高い金融機関」を優先的に相談先とするのが現実的です。
一方で、将来的に安定的な取引を続けたいなら「予貸率が低めの金融機関」との関係も築いておくと安心です。
まとめ
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予貸率とは「預金残高に対する貸出残高の割合」
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金融機関の種類ごとに特徴がある(地銀や信用金庫は地域性が強い)
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高い=融資に積極的、低い=安定性が高い
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起業家は予貸率を参考にして「どの金融機関に相談すべきか」を見極めるべき
動画ではさらに「地域金融機関が予貸率をどう意識しているか」「数字の裏にある金融機関の姿勢」についても解説しています。起業を検討している方は、ぜひご覧いただきたい内容です。
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