
事業計画の基本3要素を徹底解説!「何を・誰に・どこで」売るかが成功の鍵
今回からは、事業計画について、もう一段階踏み込んだ内容を解説していきます。
これまでのコラムで、
「事業計画はなぜ必要なのか」
「どんな項目を考えるべきか」
といった全体像をお伝えしてきました。
ここからは、**事業計画の中でも特に重要な“核となる部分”**を、順番に分解して見ていきます。
まず押さえておきたいのが、
事業計画の基本3要素です。
これは、業種・規模・法人か個人かを問わず、
すべての事業に共通する考え方だと言っても過言ではありません。
目次
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事業計画における「基本3要素」とは
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【何を売るのか】商品・サービスの考え方
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【誰に売るのか】ターゲットと市場の見極め
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【どこで売るのか】提供場所と販売チャネル
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3要素のバランスが成功を左右する理由
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よくある質問(FAQ)
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無料相談のご案内
事業計画における「基本3要素」とは
まず押さえるべき3つの視点
事業計画を作る際、いきなり数字や売上予測から入ってしまう方がいますが、
それはおすすめできません。
なぜなら、
土台が固まっていない状態で数字を作っても、意味のある計画にはならないからです。
まず整理すべきなのが、次の3つです。
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何を売るのか
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誰に売るのか
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どこで売るのか
ズバリ言います。
この3つが曖昧なまま始めた事業は、途中で必ず迷走します。
逆に言えば、
この3要素が明確で、かつ整合性が取れていれば、
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売上の立て方が見える
-
修正・改善がしやすい
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金融機関や協力者への説明がスムーズ
といったメリットが生まれます。
事業計画の出発点は、ここです。
【何を売るのか】商品・サービスの考え方
事業の原点は「提供価値」
まず最初に考えるべきは、
自分は一体、何を売ろうとしているのかという点です。
ここでいう「何を」とは、
単なる商品名やサービス名ではありません。
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どんな価値を提供するのか
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どんな悩みや不満を解決するのか
-
お客様は、何にお金を払うのか
このレベルまで掘り下げて考える必要があります。
経験・強みを活かすパターン
多くの起業家にとって現実的なのは、
これまでの経験やスキルを活かす形です。
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会社員時代の業務経験
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資格や専門知識
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長年続けてきた仕事や分野
これらは、すでに「参入障壁」になっています。
同じ商品・サービスを売るにしても、
経験の裏付けがあるかどうかで、説得力は大きく変わります。
流行・トレンドを狙う場合の注意点
一方で、
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流行っているビジネス
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成長市場
に目を向けるのも、ひとつの考え方です。
ただし、ここで注意したいのは、
「流行=長く続く」とは限らないという点です。
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数年後も需要があるか
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参入者が急増していないか
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価格競争に巻き込まれないか
こうした視点を持たずに始めると、
短期間で行き詰まるケースも少なくありません。
【誰に売るのか】ターゲットと市場の見極め
売上を左右する最大の要素
次に考えるのが、
誰に売るのかという点です。
これは、事業計画の中でも
売上を最も大きく左右する要素だと言えます。
どれだけ良い商品・サービスでも、
「売る相手」を間違えれば、売上は立ちません。
ニーズが「本当に」ある人は誰か
ここで重要なのは、
「便利そう」「良さそう」という評価ではなく、
**「お金を払ってでも欲しいか」**という視点です。
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誰が、どんな場面で困っているのか
-
その困りごとは、どれくらい切実か
-
今すでにお金を払って解決しているか
この視点が抜けると、
「反応は良いけど売れない」
という状態に陥りやすくなります。
ターゲットは“狭く”考える
創業期によくあるのが、
「できるだけ多くの人に売りたい」
という発想です。
ですが、実務的には逆です。
最初は、あえて狭く絞る。
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年齢
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性別
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職業
-
生活スタイル
これらを具体的にイメージできるレベルまで落とし込みましょう。
【どこで売るのか】提供場所と販売チャネル
「場所」は戦略そのもの
3つ目が、
どこで売るのかという視点です。
これは単なる「場所」の話ではなく、
販売戦略そのものと言ってもいい要素です。
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実店舗
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オフィス
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訪問型
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Web・オンライン
どれを選ぶかで、
固定費、集客方法、必要な人員が大きく変わります。
ターゲットの行動動線を考える
重要なのは、
ターゲットが自然にたどり着ける場所かどうかです。
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その人は、どこで情報を集めるのか
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どんなタイミングで購入するのか
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来店・申込みのハードルは高すぎないか
特に店舗ビジネスの場合は、
「良い立地=成功」
とは限らない点にも注意が必要です。
家賃・人件費・初期投資とのバランスを、
必ず数字で確認しましょう。
3要素のバランスが成功を左右する理由
3つは必ずセットで考える
ここまで見てきた、
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何を売るのか
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誰に売るのか
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どこで売るのか
この3要素は、
必ずセットで考える必要があります。
1つだけ良くても、
他が噛み合っていなければ成果は出ません。
例えば、
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高価格帯の商品 × 価格に敏感な層
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専門性の高いサービス × ニーズの薄い市場
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Web向きの商品 × 来店前提の導線
こうしたズレが、売上不振の原因になります。
起業時だけでなく、
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新店舗開設
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新商品投入
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事業転換
のタイミングでも、
ぜひこの3要素を再確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 3要素はどれから考えるべきですか?
A. 実務的には、「誰に売るのか」から考えると整理しやすいケースが多いです。
Q2. ターゲットを絞りすぎると不安です。
A. 創業期は問題ありません。広げるのは後からでもできます。
Q3. 実店舗とWeb販売で迷っています。
A. 商品特性・固定費・集客力を総合的に見て判断しましょう。
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。



























