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コラム

【元公庫支店長が明かす創業の極意12】決算書がすべて?

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決算書はここを見られる!金融機関のスコアリングと審査のリアル

ニューノーマルの時代に入って、早8カ月が経過しました。Go Toトラベル,イーツ等や地域振興券など様々な取り組みが実施されていますが、景気回復の兆しはまだまだといったところです。

その様な中で、金融機関へ借入の申込をする時に提出する決算書について今回取り上げてみました。決算書の内容だけで判断しているのか、決算書のどこをどの様に見ているのかを説明していきます。

決算書内容をまずパソコンでデータ入力

借入申込に添付されている、直近2期分の決算書内容を各自のパソコンから入力します。すると、自動的に申込企業のスコアリングと格付けが打ち出されます。この評価、格付けは、CRD協会との連携によるものです。CRD協会とは、中小企業信用リスク情報データベースの一般社団法人の略称です。

この団体には、全国の信用保証協会52と政府系金融機関及び民間金融機関98等が加盟しており、取引企業(260万社)の財務内容、デフォルト情報と格付けなどの提供、還元している団体です。(CRDのホームページに詳細な記載があります)

全国の数多い企業の決算内容を同業種、地域別、企業規模別にデフォルトの観点からスコアリングを実施しています。業歴、定性面、定量面や財務比率等を評点化したものと言えるでしょう。このスコアリングにより、審査担当課長から審査方法、調査方法の指示がだされます。

初回取引か継続取引か?

公庫と取引が無く初めての申込企業は、面接調査、訪問調査は、必ず必要となります。

しかし、従来から取引があり、返済も良好である企業で、スコアリングが高く、格付けの高い企業では、面接調査も必要なく、電話での財務内容や借入確認を調査するだけで審査が終了するケースがあります。

今年の3月から8月ごろまで、公庫の窓口が非常に込み合いましたが、これは、新規の申込が殺到したことも処理の滞留になった大きな理由かとも思います。公庫と長く取引をしていても、直近の決算内容が、連続欠損や自己資本がマイナスの場合には、面接の調査や訪問調査は避けられません。

異常値、雑勘定には留意!

月商をもとに売掛金、在庫や買掛金が業種平均からして多い場合には、不良債権、不良在庫がないか或いは買掛金に支払いの滞留がないか等のチェックをします。

特に『雑勘定は、雑にするな』と言われるように、資金繰りの悪化の兆候が、雑勘定から見つけ出すことが多くあります。主な雑勘定としては、「仮払金」「仮受金」「預り金」「未払金」等があります。本来、期中で決済すべきものが、清算されずに期を越していることから資金の繰り延べや前倒しが考えられます。審査の調査において、明確に答えられるようにしましょう。

さらに、取引先との資金の融通や諸支払いの遅延の兆候もここから見て取れます。

売上、収益の確認

客席数、車両台数、工場・店舗面積等から、売上の妥当性を検討します。さらに、業種別の粗利率との比較も行います。

『経営指標』にもとづき、業界水準との乖離の理由を見つけ、粉飾がないか特殊技術や高付加価値商品か薄利多売なのか等、企業の特色や問題点を把握します。

さらに、収益率と設備状況と減価償却の妥当性から、借入金の償還財源の検討に進みます。当然に役員報酬の過多や従業員給与の水準も重要な事項です。償却不足がないか或いは、役員報酬が多過ぎないかなど検討を進め、欠損事業であっても、役員報酬を過大に取りすぎていて、翌期に減額ができる意向があれば前向きに進めていきます。

決算書の修正を行い、個人資産も含めて実質の自己資本や収益力を見つけていきます。

最後は、審査担当者の判断

スコアリングや格付けは、すべて公庫内の事務処理に関することであり、絶対に外部には漏らすことはありません。担当者に聞いても無駄です。

いくら、スコアリングや格付けが悪くても、融資されることが多いです。これは、公庫では、法人の決算書だけで判断するのではなく、従来から説明しているように、代表者の個人資産や取引企業や家族の実態を含め総合的に企業をとらえるようにしているからです。この作業によって、決算書の修正を行い、さらに、企業の安定性、持続性を把握していくからでしょう。

公庫の対象としている中小企業では、大企業と異なり企業そのものだけで判断はせず、零細企業では、経営者の資質が大きく左右するため、経営者や取り巻いている企業なども含めて判断をするようにしています。

こうしたことから、スコアリングや格付けに頼ることなく、『審査担当者は、目利き力』を常に磨いています。申込を考えている方は、自己企業を決算書だけで決めつけずに、果敢に攻めてください。さらに、決算書はその時点の状況であり、さらに重要なのは、今後の見通しです。拡大や改善の根拠をしっかりと説明していくことで、担当者の印象は大きく変わります。

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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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三浦高

この記事を書いた人

三浦高/Takashi Miura

元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、

産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。

融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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