
コロナ禍における経済状況と起業相談の増加
コロナ禍ではありますが経済状況はコロナ当初に比べて活発になってきています。
ここ数ヶ月起業に関する相談が増えてきています。なかでも創業融資については表面上だけでは対応できない部分があります。今回は創業融資に関してこれだけはやってはいけないポイントを3つ紹介します。
①自己資金がない
自己資金とは事業を興す際に自分が投資する資金です。理想としては必要な資金は全て自分で用意をすることが好ましいです。実際には用意できないケースが多く、不足している部分を融資で賄っていくという考え方が一般的です。しかしながら、自己資金をほとんど用意することなく融資申込をするとほとんどは希望通りに進みません。金融機関側からすると自分でお金を用意しないで借入で賄おうなど虫が良すぎると感じています。自己資金は数年間かけて毎月一定額貯めていくなどきちんと背景がある人にはプラスに働きます。
②売れる見込みが期待できない
自分のやりたいことを優先したり、あまりにもニッチ過ぎて顧客がいるかわからない市場や提供サービスが固まっていないなどを含めて、売れる見込みが期待できない場合には融資はほとんど見込めません。テック系企業では開発~ローンチまでに時間が要します。そのような場合には、既にサービスを利用する先が決まっている、もしくは見込めている等のプラス材料が必要です。あくまでサービスが完成すれば売れるんだよという状況が大事です。逆にサービスが完成しても売り先はこれから探しますといった段階だと審査はかなり厳しくなります。
③個人信用情報
ここでいう個人信用情報とは、個人で利用しているクレジットカードや各種ローンの返済状況です。特段延滞等が無ければ問題ありませんが、定期的に延滞していたり、数年前から滞納しているなどの状況だと審査はかなり厳しくなります。日本政策金融公庫の融資審査では個人信用情報も審査の一つです。いくら自己資金を用意して売れるサービスを提供できても、個人信用情報によって審査が通らない場合は往々にしてあります。金融機関側からすれば延滞している人に融資をする必要はありません。自分のところも延滞される可能性が非常に高いからです。
創業融資におけるNG3選の共通点と準備の重要性
以上3つが創業融資におけるNG3選です。上記3つに共通するのが時間を要することです。現在会社員として働きながら起業を考えている人は、毎月貯められる金額には限りがあります。月々5万円としても100万円を貯めるのに20ヶ月(およそ2年)かかります。創業融資は準備が8割だと思っています。ぜひ参考にしていただき行動に移していきましょう。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。