
帝国データバンク(TDB)からの突然の問い合わせに「なぜうちの会社に?」「怪しい」と困惑している方は多いのではないでしょうか?
帝国データバンクは企業の信用情報を調査して「企業情報データベース」を作成し、公開しています。
じつはこの信用調査、結果によっては銀行融資を受ける際に有利になることがあります。
帝国データバンクと銀行融資について、元金融機関の営業担当者が解説します。
帝国データバンク(TDB)とは?
帝国データバンクの信用調査の目的は?
信用調査とは
帝国データバンクに登録するメリットは「銀行融資」
(1)銀行融資の営業を受けやすくなる
(2)評点が高いと、自分から融資を受けに行くときも有利
帝国データバンクに自社情報を登録するデメリット
信用調査は拒否できます
【無料相談可】融資についてのご相談は弊社まで!
帝国データバンク(TDB)とは?
帝国データバンク(TDB)は、企業に特化した国内最大の信用調査会社です。企業を決算書や業務などの様々な項目から評価をし、データベースを作成・管理しています。またその情報はCOSMOSNET(コスモスネット)という会員制ビジネス情報サービスで提供されています。同業他社の東京商工リサーチ(TSR)も有名です。
帝国データバンクの信用調査の目的は?
帝国データバンクの信用調査の目的は、おもにこの3パターンです。
〇他の企業(取引先)から信用調査の依頼を受けたため
〇企業情報データベースの作成・拡充・更新のため
〇過去に信用調査を受けたことがあり、その情報の更新のため
信用調査とは

信用調査とは、あなたの会社に十分な資金力はあるか、倒産リスクはないかなどの調査のことです。
たとえば上の図だと、あなたに商品を売りたい会社(A社)が、あなたの会社(B社)がきちんと代金を払ってくれるかどうかを調査するために、帝国データバンクなどの信用調査会社に調査依頼をします。
つまり、あなたの会社に帝国データバンクからの問い合わせがあった際には、どこかの会社があなたの会社と取引をしようとしている可能性があるということです。
帝国データバンクに登録するメリットは「銀行融資」
帝国データバンクの信用調査を受けると、自社の情報がデータベースに掲載されるようになります。銀行はこの情報を、おもに次のような目的で使用しています。
〇取引先の信用調査・与信判断
〇手形割引やつなぎ資金の際に、支払履行ができるのかどうかの調査
〇営業先の新規開拓時のリストアップ
銀行はお金を貸して、貸したお金とともに利子を受け取ることで利益を得ています。そのため、お金をきちんと返済してくれそうな会社(信用情報の評価が高い会社)に融資をしたいと考えるのは当然でしょう。
信用調査結果を用いた銀行融資について、「銀行側から営業を受ける場合」と「自分から融資の申込をする場合」に分けて説明します。
(1)銀行融資の営業を受けやすくなる
銀行員が新規の融資先を探す時には、必ず帝国データバンクなどのデータベースの情報を見てからアクションを起こします。
10年前までは飛び込み営業で数を当たるのが主流でしたが、現在はITが発展したおかげで、営業も効率化されました。またセキュリティーや反社問題などもあるので、事前確認なしで新規訪問をおこなっている銀行は少ないでしょう。
銀行員たちはデータベースにある売上・利益などの情報を見て判断し、前向きな姿勢で訪問してきます。銀行員にも営業ノルマがあるため、営業を受けて融資を申請した方が、銀行員側も融資を通すために努力をしてくれます。
自分から銀行取引をしたときに上手くいかなかった場合でも、データベースに情報を開示しておくことで、向こうから訪問やアポイント依頼などのアクションを起こしてくることもあります。
とくに創業期の企業だと、新しく地域に法人が設立されたことのアピールにもなります。まだ創業したばかりで決算を迎えていなければ、銀行側から創業融資の情報提供もあるでしょう。東京23区内だと、区の制度融資があります。金利面などの条件が非常に有利な融資を受けることができます。
詳細はこちら:https://v-spirits.com/finance_tokyo
(2)評点が高いと、自分から融資を受けに行くときも有利
評点とは、信用調査の点数のことです。この評点が高いほど、健全で優良な企業と評価されます。優良企業とされる評点の目安は「50点以上」です。実際は40点台の会社が多く、50点以上の会社は日本全体の上位16%前後です。
銀行は信用調査の評点を参考に、融資の審査をすることがあります。もしあなたの会社の評点が50点以上あれば、自信を持って融資の申込ができるでしょう。たとえ評点が50点未満であっても、融資を受けられないわけではありません。きちんと対策をして望めば、融資の審査に合格する可能性は十分にあります。
自信が無い場合は、いちど融資の専門家などに相談してみるとよいでしょう。弊社では、専門家による個別の無料相談を随時受け付けております。
帝国データバンクに自社情報を登録するデメリット
信用調査を受けると、決算内容が良くも悪くもそのまま開示されます。そのため、どこまで情報を開示するかは、よく考えて決定しましょう。
また実情として、データベースの登録内容が正確性に欠けている場合があります。とくにまだ決算書がない創業後1年未満の会社では、電話で口頭で話しただけで、そのまま登録されてしまう事例もあるようです。そのためデータベースにある情報は、あくまで「目安」としてとらえた方がよいかもしれません。
信用調査は拒否できます
帝国データバンクなどの信用調査会社は民間企業であり、調査依頼への協力は任意です。また詐欺被害防止のため、調査員が本当に信用調査会社の職員なのかどうか確認をしましょう。
【無料相談のご案内】
弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております! フリーダイヤル 0120-335-523 お問い合わせフォーム https://v-spirits.com/contacts
この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。