
債務超過とは?意味・判断方法・銀行評価・解消方法をわかりやすく解説
債務超過とは何か
事業を営んでいる方ですと「債務超過」という言葉は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
これから起業を考えている方については聞き覚えのない言葉かもしれませんので、ぜひ覚えてください。
債務超過とは、企業の負債の総額が企業の抱えている資産の総額を上回る状態を指します。
債務超過の判断方法
どこを見て判断するのかといいますと、決算書の貸借対照表(B/S)です。
貸借対照表の右下を見ると「純資産合計」があります。
まず、純資産がプラスかマイナスか。マイナスであれば債務超過の状態といえます。
実質債務超過とは
他にも、純資産はプラスだけれども実質債務超過といった状態もあります。
資産の部の勘定科目で資産価値のないものがある場合、銀行は差し引いてみます。
例えば、純資産500万円あるとします。試算の部に売掛金2,500万円があり、実はこのうち1,000万円は回収見込みない不良資産だと銀行が把握した場合、不良資産は資産価値がないとして差し引かれます。
実質は、500万円ー1,000万円=△500万円と計算され、実質債務超過であると銀行にはみられます。
債務超過が経営に与える影響
債務超過を一言で表すと、自己資本がマイナスになり、倒産してもおかしくない状態が債務超過です。
債務超過になると企業の信用力が非常に低下し融資が受けられない状態にもなりかねません。
今まで定期的な融資に対応していた銀行も債務超過になり何年も続くと銀行も方針転換し、新規融資には対応しなくなります。
併せて、リスクに見合った金利引き上げや保全確保の為に担保徴求したりなど状況が変わります。
債務超過の解消方法
債務超過の解消方法は3つです。
- 増資する
- 利益を出す
- 財務体質の徹底的な見直し
以上3つです。
まとめ
債務超過に陥ると、いくら良いサービスを提供しても経営を続けていくことが難しい状況になります。
債務超過を理解し経営に活かしていって欲しいと思います。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura 元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員 中小企業診断士、起業コンサルタント®、 1級販売士、宅地建物取引主任者、 補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、 産業能率大学 兼任教員 2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。 融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago 元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役 同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。 支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。 日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。 長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。