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コラム

【経常運転資金とその借り方について】

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前回はお金を借りるには金融機関が納得しなければならない、そのためにはその借入金を「何に使うのか」を説明できなければならないというお話でした。

今回からは前回に挙げた5つの資金使途(お金の使い途)ごとの詳しい説明と「資金使途別の借入の仕方」について話したいと思います。

この連続コラムは最終的には「借り方」を適正にお改善することで得られるメリットまでお話したいと考えていますので、最後までお付き合いください。

(今後の予定)

  1. 経常運転資金について ←今回
  2. 長期運転資金について(前編)
  3. 長期運転資金について(後編)
  4. 設備資金について
  5. 季節資金とつなぎ資金について
  6. 「借り方」の適正化について(前編)
  7. 「借り方」の適正化について(後編)

多少予定の変更がある可能性はありますが、概ねこのスケジュールで行きます。

では、今回の本題です。

まずは、前回のおさらいです。
経常運転資金 = 普通に商売をしていれば必要となる資金、基本的に元本返済は無し。
(前回記事から抜粋)

ん~、我ながらわかりにくいですね。これでわかった経営者の方は既に今回の話を9割方理解していらっしゃる方だと思います。

ざっくり説明すると以下のような感覚で必要になる資金です。

=======================================
A社は1月から事業を開始しました。事業は製造業です。
順調に受注ができ1月から売り上げを計上することができました。
(1月 売上:500万円を計上)
しかし、その製品を作るのには1ヶ月かかります。材料費、人件費はA社持ちです。
(1月 材料仕入:150万円、人件費:100万円を支払い)
この時点で合計250万円の経費をA社が立替えています。売上の入金はまだありません。
2月に完成したものを納品し、月末締め、翌月末払いでした。
(3月末 売上:500万円がやっと入金)

=======================================

日本の商習慣では経費が先行して出ていくにも関わらず、売上金の回収は掛けとなっていて、納品から1~3ヶ月くらいは平気でかかる仕組みになっています。
(A社の場合、1月~3月末までの2ヶ月以上も250万円が塩漬けに)

これを繰り返していけば常に250万円は払いっぱなしの状況が続くことになり、受注が途切れたタイミングか廃業したときにしか取り返せない塩漬けされたお金となります。
さらに受注が重なればその分資金の負担は倍々で増えます。

これが前述の「普通に商売をしていれば必要なお金」という意味合いです。
この250万円についてはずっっっっとかかり続ける仕組みのため、金融機関によっては毎月の元本返済無し(元本据置、利払いのみ)で借り入れることが理論上可能です。

では、金融機関は実際にどのようにA社に対して経常運転資金として融資が可能か判断しているのでしょうか?

細かい理論は割愛しますが、概ね以下のような計算式を用います。

売掛債権(売掛金など) + 棚卸資産(在庫・材料など) - 買入債務(買掛金など)
= 経常運転資金(理論値) ≧ 融資可能額 (概ね理論値の50~90%)
※売上債権や棚卸資産には不良債権や不良在庫がないことが前提です。ある場合は減額調整します。
※過去3期分の決算書や直近の試算表などを見比べ、平均値を採用することも多いです。

上記の算出式は比較的簡単なので、自社の決算書を顧みてはいかがでしょうか?
「え、こんな大きな金額を返済無しで借りれるの?!」と思うかもしれません。
もちろん、金融機関との交渉はその企業様の決算書や状況により総合的に判断されるものです。
この算式のみを武器に突撃しても太刀打ちできないケースも多いかと思います。

弊社では決算書をベースとしながら緻密なヒアリングをもとに、決算書診断を実施しています。
「金融機関へ説明できる」資料の作成、借り方の立案なども可能です。

意外とメインバンクからはこのような情報が得られない企業様も多いかと思いますので、弊社にご相談ください。
お待ちしております。

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