
起業の不安を払拭する方法──夢を“安心”に変える7つのステップ
ズバリ言います。
「起業したいけど、不安で一歩が踏み出せない…」
――このような声を、私はこれまで3,000件以上の起業相談で耳にしてきました。
実際、起業前の不安は“誰にでもある”もの。決してあなただけではありません。
大切なのは、不安を抱えている自分を責めるのではなく、
その“不安の正体”を見つけ、どうすれば安心に変えられるかを一緒に考えることです。
今回は、起業前の代表的な不安の原因と、
それを解消するための具体的な方法を7つのステップでご紹介します。
1.「不安の正体」を言葉にする
最初のステップは、「自分が何に不安を感じているのか」を明確にすることです。
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生活費が足りなくなるのでは?
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お客さんが集まるか心配
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失敗したらどうしよう
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家族に迷惑をかけないか不安
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知識や経験が足りないかも
このように、不安にはいくつかの“タイプ”があります。
まずは紙に書き出してみましょう。
不安が“漠然としたモヤ”のままだと、対処のしようがありません。
逆に言葉にすれば、具体的な対策が見えてくるのです。
2.「情報不足の不安」は正しい知識でカバー
起業前の不安の多くは、「知らないこと」から生まれます。
たとえば、「開業って何をすればいいの?」「税金ってどうなるの?」
「補助金って使えるの?」といった疑問は、
正しい知識を得ればスッと解消されることが多いです。
・書籍や信頼できるネット記事で学ぶ
・創業セミナーに参加する
・起業専門の税理士に相談する
こうした情報源を活用することで、
漠然とした不安が「こうすればいいんだ!」という納得に変わっていきます。
3.「お金の不安」は数値化して見える化する
お金の不安は、起業前に最も多い悩みの一つです。
ですが、これも「数値化」することで、かなりの部分が解消できます。
たとえば:
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開業にいくら必要か(初期費用)
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月々の経費はどのくらいか(固定費)
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いくら売れば黒字になるか(損益分岐点)
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何か月分の生活費を貯めておけば安心か(生活防衛資金)
こうした金額を洗い出して、表やリストにまとめてみましょう。
見える化することで、「実はそこまで大金が必要ではない」と気づくことも多いです。
さらに、日本政策金融公庫の創業融資を活用すれば、資金面の不安を大きく軽減できます。自己資金が足りなくても、きちんと計画を立てれば、融資によってスタート資金を確保できるケースもたくさんあります。
4.「スキル不足の不安」は“棚卸し”と“準備”で克服
「自分にスキルがないから不安」という声もよく聞きます。ですが、これも実は“思い込み”であることが多いのです。
たとえば:
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前職の経験(営業、接客、事務…)
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資格や検定の知識
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趣味や特技(SNS、ライティング、DIYなど)
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人脈やネットワーク
こうした“自分の持ち味”を一度書き出してみましょう。
すると、「意外と使えるものがある!」と再発見することも少なくありません。
さらに、足りない部分は、開業前にオンライン講座や副業体験などで補えばOK。
起業前は「学びながら準備できる貴重な時間」でもあるのです。
5.「失敗への不安」は“最悪のケース”を想定する
「失敗したらどうしよう…」という不安には、“最悪のシナリオ”をあえて考えるという逆転の発想が有効です。
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売上がゼロになったらどうする?
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開業費を失ったら生活はどうなる?
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お客さんが全く来なかったら?
これらを冷静に想定し、その対策をあらかじめ考えておけば、
「万が一の備えがあるから大丈夫」と気持ちも落ち着きます。
たとえば、「半年分の生活費を貯めておく」「副業を並行してリスクヘッジする」
「最初はスモールスタートにする」などの策が現実的です。
6.「孤独の不安」は相談できる人を持つこと
起業は、自分で決めて動く世界です。そのぶん、孤独も感じやすくなります。
しかし、孤独にならないための方法もちゃんとあります。
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同じ志を持つ仲間を見つける(起業コミュニティなど)
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商工会議所や創業スクールで相談する
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専門家(税理士、行政書士、起業コンサル)を味方にする
「話せる相手がいる」というだけで、不安の多くは軽減されます。
一人で抱え込まず、頼れる人に頼る。
それも立派な“起業家のスキル”です。
7.「完璧主義の不安」は“まず動く”で突破する
最後にお伝えしたいのが
「完璧になるまで動けない」
という不安です。
実はこれが、一番もったいない不安です。
起業は「走りながら整える」もの。完璧なプランも、完璧な準備も、実際には存在しません。
まずは小さく始めて、試して、改善していく。
この“トライ&エラー”こそが、成功への近道なのです。
まとめ:不安があるからこそ、準備する価値がある
起業に不安はつきものです。でも、不安を“敵”と見るのではなく、
“準備のきっかけ”と捉えることで、あなたの事業はより強く、より確かなものになります。
不安の正体を見つけて、一つずつ対策していくことで、夢が“現実”になっていくのです。
一人で抱え込まず、ぜひ信頼できる専門家や仲間と一緒に、
安心して一歩を踏み出してください。
あなたの起業を、心から応援しています!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。