
完璧主義が一番“完璧”じゃない理由──成長を止める“過剰な基準”を手放そう
「完璧にやらなきゃ」「100%でなければ意味がない」――その思い込みは、一見あなたを高めるように思えますが、じつは行動を止め、成長を鈍らせてしまう要因にもなるのです。今回は、完璧主義がいかにして逆効果につながるのか、そしてどうすれば「良い意味のこだわり」に変えられるかを、ご一緒に見ていきましょう。
1.「完璧」の基準はいつも曖昧で変わる
完璧主義者がよく陥る罠は、自分の完璧基準が実は不安定だということです。
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最初に「ここまでできたらOK」と決めても、終えるたびに「まだ足りない」とゴールが延び続ける
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「いや、これでは社会的に通用しない」と基準がどんどん高くなる
→ 永遠に達成できず、行動の足を引っ張るループに陥ってしまいます。
2.行動が遅くなり、チャンスを逃す
「完璧になるまで待つ」は、起業やスタートアップの世界では致命的です。
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自社サイトや商品の公開を「完璧」まで遅らせて機会を逸する
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小さな改善やフィードバックを得ずに自己満足だけ重ね、顧客への効果が得られない
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タイミングを逃した後、「もう他に取られた」と焦りだけが残る
70%で始めるが、100%に近づけながら進む姿勢のほうが、スピードと質の両立につながります。
3.ストレス・燃え尽き症候群を招く
完璧を追い求めるほど、自分に対する期待が大きくなり、不合格のプレッシャーも増します。
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小さなミスで自分を責め、モチベーションの低下が起こる
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睡眠や休息を削って頑張る反動で燃え尽きる
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心身が疲弊し、結果的に仕事も質も落ちるという悪循環
「やり切ればOK」という自分への許容も、パフォーマンスを維持するために必要なのです。
4.他者との比較が加速しやすい
完璧主義は自分だけではなく、外部を基準に評価しがちです。
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周りと比較し、「あの人はもっとすごい」と常に不安になる
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アイデアや試みが「比較で負けそう」と思い込み、行動を控える
→ 結果として、自分の強みや独自性を見失ってしまいます。
5.「完璧すぎる」ことが逆に信頼を欠く場合もある
顧客やクライアントは、むしろ「完璧すぎ」は違和感です。
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いつまでも仕様が決まらず、決断できない人には頼みたくない
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「完璧すぎて柔軟性に欠ける」と判断されることもある
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コミュニケーションが硬くなり、チームづくりにも支障が出る
適度に“隙”があるほうが共感や信頼を得る場合も少なくありません。
6.「良い意味のこだわり」に変えるステップ
完璧主義を手放すために、以下のステップで「意思と行動の距離」を縮めていきましょう。
ステップA:ゴールを「完成」から「改善」に変える
100%ではなく、「50%始めて、次に70%、90%へ改善する」。成功は積み上げ。
ステップB:目標は期限付きで切る
「3月末までにリリース」など期限を決め、完璧よりも「前進できる状態」にフォーカス。
ステップC:他人に見せながら進める
フィードバックをもらいながら改善。最初から一人で完璧を目指すより、共創で進むほうが楽です。
ステップD:振り返りと労いもセットに
完璧でなくてもやり抜いた自分を振り返り「ここまで頑張った」と認めることが、次への自信に繋がります。
✅まとめ|完璧主義より“前進主義”が生む成果
完璧主義は、理想を高く保つことには役立ちますが、そのままでは「進まない」「疲れる」「価値が伝わらない」リスクがあります。大切なのは、
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行動を重視し、良い状態で前進し続ける姿勢
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フィードバックを得ながら改善していく柔軟さ
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自分にも他者にも優しくできる余裕
です。「完璧より、前進」が現代において最も機能的な成果への道なのです。
完璧にこだわりすぎて進めないときは、ぜひ次の一歩を優先してみてください。「完璧じゃなくても、価値があるもの」に気づくきっかけになれば幸いです。応援しています!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。