
以下は動画の概要を記事風に説明したものです。詳細は是非動画をご覧ください。
あなたの会社、今どこに向かっていますか?──成長ベクトルから考える経営戦略
こんにちは。
「会社が成長している、だけどこの先、どっちに向かえばいいのか分からない」──そんな経営者の悩み、ありませんか?
今回のテーマはズバリ「成長ベクトル」。これは世界的にも有名なマーケティング理論「アンゾフの成長マトリクス」をベースに、自社の進むべき方向を見つけるためのヒントを得るための考え方です。
私自身も、かつては金融機関で“金庫番”をしていた経験を活かし、さまざまな企業の経営に関わってきました。だからこそお伝えできる「攻め」と「守り」、両方の視点を交えて解説していきます。
成長ベクトルとは何か?──4つの方向性
まずはこちらをご覧ください。
アンゾフの成長マトリクスでは、以下の4つの戦略領域が示されます。
既存市場 | 新規市場 | |
---|---|---|
既存製品 | 市場浸透(信仰) | 新市場開拓 |
新規製品 | 新製品開発 | 多角化 |
それぞれどういう意味か、具体的に見ていきましょう。
①市場浸透(既存製品×既存市場)
今の製品やサービスを、今の顧客に、もっと深く届けていく戦略です。
たとえば、
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リピーターを増やす
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客単価を上げる
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SNSや広告で周知を強化する
といった動きがこれにあたります。
これは基本戦略であり、企業の成長において最初に目指すべき方向です。ですが、ここに限界を感じたとき、他の方向への転換を検討するタイミングなのです。
②新市場開拓(既存製品×新規市場)
今ある製品を、これまでとは異なる市場に展開する戦略。
例えば、地方の旅館が都市部に新店舗を出す、飲食店が海外に進出する、というのがこれに該当します。
「これまでと同じやり方では成長が頭打ちだな」と感じたら、新市場開拓のチャンスです。
③新製品開発(新規製品×既存市場)
今の顧客層に対して、新しい製品やサービスを提供する戦略です。
コロナ禍で旅館が「キャンプ場」や「リモートワーク対応個室」を始めたという事例も、このパターンです。
同じお客様に別の商品を届けることで、売上の柱を増やす。まさに「同じお客に複数の卵を売る」考え方です。
④多角化(新規製品×新規市場)
これは、最もリスクも高く、でも大きなチャンスもある「未知の世界」への挑戦です。
たとえば、地方の旅館が地元でスーパーを始めるような事例。飲食店が教育事業に参入するような、まったく新しいフィールドです。
「一つのカゴに卵を盛るな」というリスク分散の観点からも、実はこの多角化こそ、会社を守るディフェンシブな選択肢でもあります。
コロナが教えてくれた「1つの柱では危ない」という現実
2020年以降、観光業や飲食業を中心に、未曾有の打撃を受けた企業は数え切れません。
私たちの元にも、日本全国から相談が寄せられました。とくに地方の旅館・飲食・お土産といった「三位一体」で成り立っていたビジネスは、まさに「既存市場×既存製品」のど真ん中にいました。
そして、その「ど真ん中」が機能しなくなったとき、次の一手が打てるかどうかが、生き残りのカギだったのです。
多角化は「守り」でもある
「多角化」と聞くと、「拡大路線」「攻めの経営」というイメージを持つかもしれません。
でも、実は違います。
景気や外部環境に左右されるリスクを分散し、従業員を守るためにも、「違う業種・違う市場」で柱を持っておく。これが真の意味でのリスクヘッジです。
実例で考える「理想の多角化」
理想は「3つの事業」。それぞれ異なる
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客層(BtoC/BtoB、民間/公的)
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地域(都市/地方)
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サービス内容(製品/ノウハウ)
を持つことです。
たとえば──
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1つ目は観光業(BtoC、地方)
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2つ目は自治体向けの補助金支援(BtoG、全国)
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3つ目はオンライン教材事業(BtoC、都市圏)
このように「分散型」で構成すれば、1つが不調でも、他の2つでカバーすることができます。
まとめ:今こそ「自社の立ち位置」を問い直そう
成長ベクトルを知ることで、「今の自社はどこにいて」「次にどこを目指すべきか」が見えてきます。
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今いる市場で、まだ深く掘れる余地はあるか?
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顧客層を変えるべきか?
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商品やサービスを新しくするタイミングか?
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全く別の柱を用意すべきか?
ぜひこの4象限を、自社の現状と照らし合わせて考えてみてください。
成長も、守りも、「ベクトル」を定めるところからすべてが始まりますよ。
無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お待ちしております!
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