
起業前に押さえておきたい!「協業」の言い換え術と共創のススメ
はじめに
「起業したら、いろんな人と協業したいんです!」
起業を考える方がそう語る姿を見ると、「素晴らしい心構えだな」と感心します。ただ、ちょっと気になるのがその言葉、「協業」。
ズバリ言います。
この「協業」という言葉、実はビジネス現場では少し曖昧で、相手に伝わりづらいこともあるのです。
たとえば、「一緒に協業しませんか?」と突然言われたら、どうでしょう?
「で、具体的に何するの?」「どっちが何をするの?」「利益はどう分けるの?」…となりますよね。
今回は、そんな「協業」の本質を掘り下げつつ、言い換えや表現を工夫することで、相手に伝わりやすく、信頼される提案ができるようになるための実践ガイドをお届けします!
「協業」とは何か?あいまいな言葉の正体
まず、「協業」とは何か?辞書的に言うとこうです。
異なる企業や組織が、互いの強みを活かして共同で事業を行うこと。
でも、これだけじゃ少し抽象的ですよね。例えば次のような形があります。
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商品開発を共同で行う(例:メーカー+デザイナー)
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販売網を共有する(例:ECサイト+地域の特産品販売業者)
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技術を掛け合わせる(例:アプリ開発会社+データ解析会社)
つまり、「協業」とは、一言で言えば「お互いのリソースを活かしたパートナーシップ」なんです。
なぜ「協業」という言葉を言い換えるべきなのか?
「協業しましょう!」と言っても、伝わらない理由は以下の3つです。
1. 意図が不明確
→ 何を期待されているのか、相手がわからない。また、どんなメリットを享受できるかも相手はわからない。
2. 誰がどこまで関与するかが不透明
→ 責任範囲や成果物の取り決めが曖昧になりやすい。
3. 提案される側の立場が見えにくい
→ 「利用されるのでは?」と警戒されることも。
あいまいだから言いやすく、多くの起業家がつい口に出してしまいます。だからこそ、他とは違う事業を強力に推進するためにも、状況に応じた言い換えが必要なのです!
「協業」の上手な言い換え方7選
ここからは、実際の場面で使える言い換え表現を紹介します。文脈に応じて使い分けましょう!
① 共同開発する
→ 新商品やサービスを一緒に作るときに最適。
例:「〇〇について、御社と共同開発できないかと考えております」
② パートナーシップを結ぶ
→ 中長期的な関係性を築きたいときに。
例:「地域活性の分野で、御社とパートナーシップを構築できればと考えています」
③ 一緒に仕組みを作る
→ ビジネスモデルの構築や制度設計を共有したいとき。
例:「〇〇市場をターゲットに、新しい仕組みをご一緒に作りませんか?」
④ 販売チャネルを共有する
→ 商品販売や流通に関する協業。
例:「御社の販売ルートを活かした商品展開を検討しています」
⑤ 知見を掛け合わせる
→ ノウハウや強みを組み合わせたい場合。
例:「御社の業界知見と、私のIT知識を掛け合わせた展開ができると考えています」
⑥ Win-Winの関係を築く
→ お互いにとっての利益を強調したいとき。
例:「双方にとってWin-Winとなる提案です。ご検討いただけませんか?」
⑦ 共創(きょうそう)する
→ 新しい価値を一緒に創るというニュアンス。
例:「この地域で、新たな価値を共創できる仲間を探しています」
起業前から協業を意識すべき理由
起業1年前の今だからこそ、「協業の目」を持ってほしいんです。なぜか?
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起業後に信頼を築くのは時間がかかる
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先にネットワークを築くと、事業立ち上げが格段に楽になる
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協業を前提にしたプランは、融資にも強い(信用力UP!)
つまり、「人と組むこと」を意識して行動しておくと、未来の選択肢が大きく広がるのです。
協業におけるトラブルを防ぐ5つのポイント
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目的の共有:「なぜ一緒にやるのか?」を明確に。
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役割分担:誰が何をするのか、あらかじめ明記。
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契約書を交わす:口約束はNG。簡単な合意書でもOK。
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収益分配のルール化:もめないように、分配基準を決めておく。
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出口戦略を考えておく:「終わり方」まで設計するのがプロの協業。
よくある質問(FAQ)
Q. 協業って、そもそも起業前にやってもいいんですか?
A. もちろんOKです!むしろ、起業前から人脈を作っておくことで、立ち上げ後の動きがスムーズになります。
Q. 契約書って弁護士に頼まないとダメ?
A. 必ずしもそうではありません。行政書士や起業支援者と一緒に「簡単な合意書」から始めるのが現実的です。
Q. 自分に実績がない状態で、協業を持ちかけるのは失礼?
A. 実績よりも「熱意」「リサーチ力」「提案の具体性」が大切。誠実なアプローチがあれば、可能性は十分あります!
まとめ:協業を“言い換え”で現実にする!
最後にもう一度、ズバリ言います。
「協業しましょう」は便利な言葉ですが、伝わらなければ意味がありません。
だからこそ、
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「一緒に〇〇しませんか?」
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「〇〇の面で、パートナーになっていただけませんか?」
-
「共に新しい価値を創る仲間として、お願いできませんか?」
という言い換えの工夫をして、相手の心に届く表現を選びましょう。
そして、起業1年前の今からこそ、「信頼される協業の土台づくり」を始めてくださいね!
不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください!
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この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。