
おはようございます。今回のテーマは、【銀行への返済額を減らすことはできるのか】です。
前日の話から繋がっているので、まだご覧になっていない方は前日のブログを見てからこちらをご覧ください。
結論は、貸出条件変更(リスケジュール)を行えば、銀行への返済額を減らすことは可能です。
ただし、リスケジュールは銀行側が応じなければ行うことはできず、また、簡単には応じてもらえません。
ここでのリスケジュールとは、借入の返済計画の一時的な見直しのことを言います。企業が経営難に直面し、銀行からの借入の返済が厳しくなった時に、企業側から銀行に借入金の返済条件の見直しを依頼するもので、経済的に合理的であると判断される場合に応じてもらえます。
例)毎月50万円の元金返済をしている企業がリスケジュールを行った場合。
通常50万円→元金返済25万円へ軽減。
では、リスケジュールを行うにあたり理解しておくべき3つのポイントを解説します。
①銀行がリスケジュールに応じる背景
銀行にとって企業から返済をしばらく猶予してほしいと要請されるのは、決して好ましいことではありません。その一方で、貸出先が倒産すると貸し倒れになってしまうので、再建の道があるのなら協力した方が得策なので応じます。
②依頼する為に必要なこと
経営改善計画書等を策定し銀行に理解をしてもらう必要があります。重要なポイントは、実現可能性が高いことです。今の状況を脱するために作った計画書ではなく実現見込みがあるものです。(概ね3年程度)ここの部分が曖昧であったり実現見込みがないものと思われる場合には応じてもらえないこともあります。
③メリット・デメリット
*メリット
- ・元本の返済期間を一定期間待ってもらえる。
- ・一時的に元本部分の大半が返済猶予されるため、その分だけ資金繰りが楽になる。
- ・リスケをしている間は、銀行は法的な回収手段をとらず、回収を待ってくれる。
*デメリット
- ・リスケが終わるまで、取引行から新規融資は実行してもらえない。
- ・リスケ期間は最大でも1年間であり、延長するにも再申請となりますので認められない場合もある。
- ・格付け評価が下がってしまうので、銀行融資取引における条件等が厳しくなる。
以上が3つのポイントとなります。返済が厳しい場合の選択肢として理解しておく必要があると思います。
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この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。