
家具製作サービス開業ガイド:特徴・資金・収益モデルを徹底解説
ビジネスの特徴
家具製作は、デザイナーが設計した図面を基に木製家具を製作し提供することで報酬を獲得するビジネスです。機械ではできない細かな作業を任されることが多く、熟練の技術が必要とされる仕事です。また、ハンドメイドの家具を一から作り上げることもあります。家具製作を行うには、未経験の状態からメーカーや工房に就職して技術を磨いていくか、職業訓練校・美術大学などで基礎を磨いてから働き始めるという方法があります。
市場トレンド
家具製作業界のトレンドは以下になります。
⑴人手不足が深刻化
特に若手の職人不足や、工房での後継者難が大きな課題になっています。AIの導入や機械化が進んでいますが、職人の技術は機械に代わるものではなく常に必要とされています。
⑵住宅リフォーム市場が好調
リモートワークなどの新たな生活様式が定着したことで、自宅で過ごす時間を快適なものにしたいとの思いからリフォーム市場が拡大している。住宅リフォーム時には家具の入替も併せて行うケースも多く、内装のテイストに合ったオーダーメイド家具の需要増加も見込まれると予想されています。
⑶木材価格の高騰
2021年頃から問題視されていたウッドショックはピークアウトしてきたものの、日本国内における輸入材価格はまだまだ楽観視できるものではありません。
材料価格の高騰は、家具職人にとって販売価格に直結するため影響が大きいです。家具単体での利益確保には、より付加価値のある商品の提供が求められます。
開業形態
- ●個人事業主として自分の工房を開設
個人事業主として開業し、業務委託等を行う方法があります。 - ●法人を設立
同業の職人や技術者、インテリア設計士等と組んで、法人として開業する方法などがあります。
許認可
家具職人になるために取得すべき許認可はありません。ただし、木材加工用機械を5台以上有する事業場については、木材加工用機械作業主任者の選定を行う必要があります。また、開業のための必須資格は特にありませんが、技術力をアピールできる資格を取得することで、より多くの依頼を受けることが可能になります。おすすめの資格は、「家具製作技能士」と「木材加工用機械作業主任者」です。
開業ステップ
- 事業計画の策定
- 資金調達
- 設備等の導入
- 宣伝広告・プロモーション
- 開業
開業資金
開業するにあたって必要な資金は、約400万円です。これは20坪程度の工房にて開業する際のモデルケースになります。
内訳は、事務所・倉庫等賃借料に200万円、機械・工具・備品類に160万円、広告宣伝費・その他に40万円です。
会社設立
家具工房の経営は個人事業でも行えますが、会社を設立するという選択肢もあります。では、会社の設立はどのように行うのでしょうか。東京都で会社を設立する場合の具体的なステップをご紹介します。
- 申請書類の作成
※申請書類は都庁で購入できます。 - 免許申請
※申請書類を都庁の管轄部署に提出します。 - 審査
- 許可
その他にも、事業内容などによって必要な手続きが増える場合があります。会社設立には書類の作成や手続きが多く手間や時間がかかります。
弊社では、会社設立を考える起業家のみなさんの負担を軽減するため、コンサルティング付きの会社設立支援サービスを低価格で行っています。
収益モデル
事業を成功させるためには、開業する前に事業戦略を練ることが重要です。いかに顧客単価を上げるか、リピーター確保に繋げるかなど、収益予測や戦略を事前に立てておくことで、焦らず事業を拡大させていくことができます。ECを活用した新規顧客の開拓や、アフターサービスの拡充なども検討すると良いでしょう。
まずは、弊社の事業計画書フォーマットを参考にして計画を作成してみてください。
書き方がわからない項目があれば、お気軽にご相談ください!
最後に
以上が家具製作として開業する際の全体像になります。
いくら技術をもっていても、開業するにはさまざまな手続きが必要になります。
また、事業計画書の作成や資金の調達など、工房をオープンするまでにもやるべきことがたくさんあります。そして、スキルと信頼が重要になる家具職人として事業を開始するとなると、しっかりと計画を立てなければすぐに廃業に陥る可能性もあります。
そのため、お客様のニーズや競合他社を踏まえて商品のコンセプトを立て、サービスの内容を工夫する必要があります。
ここまで聞くと、家具製作としての開業は自分には難しいと感じてしまうかもしれません。しかしながら!!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
三浦高/Takashi Miura
元創業補助金(経済産業省系補助金)審査員・事務局員
中小企業診断士、起業コンサルタント®、
1級販売士、宅地建物取引主任者、
補助金コンサルタント、融資・資金調達コンサルタント、
産業能率大学 兼任教員
2024年現在、各種補助金の累計支援件数は300件を超える。
融資申請のノウハウも蓄積し、さらに磨きを掛けるべく日々事業計画書に向き合っている。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。