
国金(日本政策金融公庫)とは?起業準備中のあなたに贈る資金調達の基本
こんにちは!起業コンサルタント(R)・税理士・行政書士・FPの中野裕哲です。今回も実務的なお話をお届けします。
ズバリ言います。起業を考えているなら、「国金(こっきん)」の存在を知らないと損です。
国金とは、国民生活金融公庫のことで、現在は正式名称を「日本政策金融公庫(にほんせいさくきんゆうこうこ)」といい、起業家にとって非常に頼りになる“公的金融機関”です。
1. 国金とは?ざっくり概要をつかもう
日本政策金融公庫は、国が100%出資して設立された、いわば「国の銀行」です。
中小企業・小規模事業者・創業予定者など、民間の金融機関では融資が難しい人たちを対象に、資金を貸し出しています。
つまり…
- 銀行で借りられない人でもチャンスあり!
- 起業時の「信用力のなさ」を補ってくれる!
というありがたい存在なんです。
2. 国金が扱う「創業融資制度」とは?
これが、起業家にとって最大の武器になります。
新規開業・スタートアップ支援資金の特徴:
- 担保・保証人が不要
- 利率が低い(年1.0%台〜)
- 最大融資額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)
- 据置期間(元本返済の猶予)も設定可能
「はじめての起業で、まだ実績がない…」という方にも対応してくれる制度です。
3. 融資を受けるための条件は?
主なポイント:
- 自己資金がある(3分の1程度が目安)
- 起業予定の業種に関する実務経験がある(3年以上が望ましい)
- 明確な事業計画書が作られている
- 信用情報に大きな問題がない
4. 国金で借りるメリットとデメリット
メリット:
- 起業直後でもチャンスがある
- 低金利・長期返済が可能
- 他の公的制度(補助金など)との相性も良い
デメリット:
- 審査に時間がかかる(通常3〜4週間)
- 書類作成に手間がかかる(専門家の支援をおすすめ)
- 自己資金がゼロだと難しい
5. どんな人が利用している?活用事例
- 飲食店を開業する人(設備資金・内装費など)
- ネイルサロンや整体院などの開業資金
- ITフリーランスや個人事業主の創業支援
「自己資金100万円+公庫融資200万円」でスタートした、というケースも多数あります。
6. 国金融資の一般的な申込ステップ
- 事業計画書と必要書類を準備
- 最寄りの公庫支店に相談・申込
- 面談を受ける(ビジネスの説明・返済可能性をアピール)
- 審査結果を待つ(通常2〜3週間)
- 契約手続き→融資実行
よくある質問(FAQ)
Q1:会社員でも申込できますか? →はい、起業予定であれば可能です。副業でも大丈夫です。ただし、具体的な準備が進んでいることが前提です。
Q2:返済はいつから始まりますか? →融資から約1〜3ヶ月後にスタートするのが一般的です。据置期間が設定されていれば、その分遅くなります。
Q3:自己資金が少ないけど大丈夫? →金額によっては通らないこともありますが、相談次第。通帳に「コツコツ貯めた履歴」があると評価が高いです。
Q4:申込書類は自分で作れますか? →可能ですが、初めての方は専門家(税理士・行政書士など)の支援を受けると安心です。
まとめ:国金は「起業の伴走者」
起業とは、リスクと夢が隣り合わせの大きな挑戦。
そんなスタートを後押ししてくれるのが、日本政策金融公庫、通称「国金」です。
正しく理解し、しっかり準備すれば、あなたの事業にとって最良のパートナーになってくれるはずです。
起業に不安はつきもの。でも、国金という強い味方がいることを思い出してくださいね。
一歩踏み出すあなたを、心から応援しています!
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。