
新規銀行と付き合うスタンス
ご覧いただきありがとうございます!
V-Spiritsグループの元信金マン、こみねっちです。
このコラムでは、実際にお客様から寄せられた事例や、よくある融資相談の中から、「これはぜひ多くの起業家の方にも知っていただきたい!」というテーマを選び、わかりやすく、そして実務的にお届けしています。
今回は、「新しく銀行と付き合うときのスタンス」について、創業期にありがちな“つまずきポイント”を中心にお話ししていきます。
創業期は銀行との付き合い方に注意
会社を立ち上げたばかりの頃は、どこかで「銀行って、ただお金を預けたり借りたりする場所でしょ?」という感覚を持ちがちです。
でも実は、金融機関とどのようなスタンスで付き合うかによって、今後の融資の通りやすさやサポート体制が大きく変わってくるんです。
創業期は信用力も実績もゼロからのスタートです。だからこそ、銀行側も「この会社と長く付き合っていけるか?」「信頼できるパートナーになれるか?」という視点で見てきます。
つまり、「最初が肝心」。この段階での立ち振る舞いや姿勢が、その後の関係性に大きく影響してくるのです。
ネット銀行と民間金融機関の違い
起業直後、多くの方がまず取り掛かるのが「法人口座の開設」です。ここで、「ネット銀行」と「実店舗のある民間金融機関(地銀・信金など)」の違いを理解しておくことが重要です。
ネット銀行は、基本的にコスト効率を重視した運営をしており、預金や振込サービスなどの基本機能に特化しています。ですから、「口座だけ利用したい」「融資は考えていない」という使い方でも、特に問題視されません。
一方で、実店舗を持つ民間金融機関(たとえば信用金庫や地方銀行など)は、融資業務が大きな収益源となっています。預金だけを集めるだけではコストばかりがかかり、金融機関側にとっては“赤字の取引”となってしまうことも。
つまり、「口座開設だけさせてくれればいい」というスタンスで近づくと、歓迎されないケースがあるんです。
嫌われるスタンスとは
これは私が信金マン時代にも何度も経験しましたが、創業者の中には「とりあえず融資だけ通ればいい」という姿勢で来られる方も少なくありません。
しかし、金融機関は“その場限り”の取引を嫌います。なぜなら、銀行が融資をするのは、長く付き合っていける前提があるからです。
「借りたら終わり」ではなく、「借りた後の事業展開や返済状況も含めて継続的にフォローしたい」と考えているのが金融機関の本音です。
このスタンスが見えないと、「この会社、本当に大丈夫かな…」と不安になり、結果的に融資審査にも悪影響を与えてしまう可能性があるのです。
銀行にメリットを与える取引の工夫
では、金融機関と良好な関係を築くにはどうすればいいのでしょうか?
ポイントはズバリ、「銀行にもメリットのある取引」を意識することです。
たとえば、以下のような工夫があります。
売上の入金口座を指定する:主要な取引先からの入金を、その銀行の口座に集中させると、金融機関にとっては“預金残高が増える”というメリットになります。
総合振込(給与や仕入の支払い)をその口座で実施する:振込手数料などの取引実績がつくため、金融機関側から見て「動きのある口座」として評価されます。
月末・月初に一定の残高を置いておく:特に預金量を気にする信金・信組などでは、この点が好印象につながることもあります。
個人でも取引をする:社長個人でも口座を開設し、給与振込先に指定する、積立預金を始めるなど、個人と法人の両面で取引をしている会社は信頼感が増します。
こうした積み重ねが、「このお客様はうちにとって大切な存在だ」と認識されるきっかけになります。
地域金融機関との関係構築の注意点
特に地域密着型の金融機関(信用金庫や信用組合)は、「お客様との人間関係」や「地域への貢献度」を重視する傾向が強いです。
ですから、単なる数値上の取引だけでなく、「この会社は地元の活性化に貢献している」「地域とともに成長していこうとしている」と感じられるようなスタンスを見せることが重要です。
具体的には、
地元のイベントや商工会活動への参加
金融機関の担当者との定期的な情報共有(決算報告、進捗の相談など)
倫理的な経営姿勢(税金の滞納がない、従業員を大切にしているなど)
こういった姿勢は、地域金融機関との“信頼の土台”をつくるうえで、とても大きな意味を持ちます。
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この記事を書いた人
小峰精公/Kiyotaka Komine
元朝日信用金庫 融資担当営業
資金繰り解決コンサルタント
V-Spirits総合研究所株式会社 常務取締役
大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。成績ばかりを追い、取引先を理解できず苦戦するが、企業の本質を知ることの重要性に気づく。以後、信頼関係を築き、資金繰りや融資支援に注力。経営難の企業に融資の基本を伝え、3ヶ月で1.5億円の資金調達を実現。この経験を原点に、中小企業の資金繰り支援を使命とし、日本の企業成長に全力を尽くす。

この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。
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