厚生労働省の「両立支援等助成金」について、2022年4月からの変更点(予定)が公表されました。
今回は、男性労働者の育児休業取得を支援する「出生時両立支援コース」について、変更後の内容をご紹介します。
■助成額
変更後は、第1種、第2種に大きくメニューが分けられました。
第1種を受給した後に、第2種を受給するという流れですが、第2種のハードルは高めになっています。
■対象企業
中小企業のみ
今回の変更で、大企業は対象から除かれました。
■主な要件
<第1種 育児休業取得 20万円>
・育児・介護休業法に規定する雇用環境整備の措置を複数実施する(※) ・育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに係る規定を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をする ・男性労働者が、子の出生後8週間以内に連続5日以上の育児休業を取得する |
(※)以下のうち、原則2つ以上を実施する必要があります。
a. その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施
b. 育児休業に関する相談体制の整備
c. その雇用する労働者の育児休業の取得に関する事例の収集及びその雇用する労働者に対する当該事例の提供
d. その雇用する労働者に対する育児休業に関する制度及び育児休業の取得の促進に関する方針の周知
取り組みやすいbとdを選択する企業が多いでしょう。
<第1種 代替要員加算 20万円~45万円>
・男性労働者の育児休業期間中に、代替要員を新規雇用(派遣を含む)する |
1名なら20万円、3名以上なら45万円が追加で受給できます。新規雇用を検討している企業などは、育児休業期間中に雇用すると良いでしょう。
<第2種>
・育児休業を取得した男性労働者が、第1種の申請対象者を除いて2名以上いる ・男性労働者の育児休業取得率が、第1種の支給を受けてから3事業年度以内に30%以上上昇している など |
第2種は、第1種を受給した企業が対象になります。
男性労働者の育児休業取得率とは、「育児休業を取得した男性被保険者の人数÷配偶者が出産した男性被保険者の人数」で計算します。
これを「第1種の申請年度」、「翌3事業年度以内のいずれかの年度」について計算し、後者が30%以上上昇している必要があります。
いずれにせよ、最低3名以上の男性労働者が育児休業を取得する必要がありますので、多くの企業にとって第2種の受給は難しいと感じます。
■考察
育児目的休暇を取得した場合に対する助成も廃止されるなど、全体的に厳しな改正内容となっています。
このため、第1種の「育児休業取得 20万円」だけを申請する企業がほとんどになると予想しています。
上記は令和4年度予算の成立等が前提となりますので、 今後変更される可能性があることにご注意ください。
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