
創業者必見!日本政策金融公庫の賢い活用法と成功のポイント
「起業したいけど、資金が不安……」そんな声を本当によく耳にします。ズバリ言います。そんなあなたの強い味方、それが「日本政策金融公庫」です。
私、中野裕哲はこれまでに何百件もの起業支援に関わってきましたが、創業期に公庫を使わない手はありません。それほどまでに、頼りがいのある存在なのです。
■日本政策金融公庫ってどんなところ?
日本政策金融公庫、略して「公庫」とは、政府100%出資の金融機関で、民間の銀行とはちょっと違います。営利目的ではなく、政策的な目的——たとえば「中小企業支援」「地域活性化」「起業促進」など——を果たすために設立された金融機関です。
特に「これから起業します!」という方にとっては、まさに最初の金融パートナー。事業実績がまだ無い段階でも、計画と熱意をもとに融資してくれる、数少ない存在です。
なぜ起業時は公庫が選ばれるのか?
起業初期というのは、どうしても銀行融資が難しい。理由は簡単で、「実績がないから」です。ところが公庫は、そうした創業者の特性をよく理解しており、未来の計画や本人の意欲を重視してくれるのです。
例えば、あるカフェを開業した女性起業家のケースでは、自己資金200万円で500万円の融資を受けました。カギとなったのは、詳細な収支計画と、飲食業での経験。そして、熱意のこもったプレゼンでした。
融資を受けるには、どんな準備が必要?
公庫から融資を受けるためには、以下のようなステップを踏む必要があります:
- 事業計画書の作成(売上計画・資金計画・競合分析など)
- 自己資金の準備(目安は希望額の3割程度)
- 必要書類の収集(身分証明書・見積書・許認可など)
- 公庫への申込(オンライン or 窓口)
- 面談(プレゼンテーション)
- 審査→結果通知→融資実行
ポイントはやはり「事業計画書」。ここに魂を込めてください!
融資審査で見られるポイントとは?
公庫の審査担当者が見ているのは、次の3点です:
- 事業の実現可能性(計画に無理がないか)
- 自己資金の比率(どれだけ本気か)
- 人柄・信頼性(過去の職歴や姿勢)
「人柄なんて関係あるの?」と思われるかもしれませんが、実は大いにあります。面談の場では、起業に対する想いや熱意も重要な評価ポイント。きちんとした服装、明確な話し方、礼儀なども意外と見られています。
公庫の創業融資にはどんな種類がある?
代表的なのは「新規開業・スタートアップ支援資金」です。この制度は、融資限度額が最大7,200万円(うち運転資金は4,800万円)まで借入可能。返済期間も、運転資金10年、設備資金20年以内と長期に設定できます。
また、事業開始後税務申告を2期終えていない方は、原則無担保・無保証人、利率を一律0.65%引下げ(雇用の拡大を図る場合は0.9%)と有利に利用することができます。
失敗しないための実務的アドバイス
- 計画書は第三者に見せてブラッシュアップする
- 資金の使い道は明確に(備品、家賃、広告など)
- 返済シミュレーションを作成する
- 売上見込みは「根拠」を添えて説明する
- 専門家の力を借りることも検討
中でも、「根拠ある売上計画」は非常に重要です。たとえば、見込み顧客のアンケート結果や、市場データなどを添えることで説得力が増します。
公庫融資が通った後、注意すべきこと
融資が通ってからが本当のスタートです。資金の使い方には細心の注意を払い、無駄遣いは厳禁。きちんと帳簿をつけ、月次で利益とキャッシュの動きを把握していきましょう。
また、創業時の資金繰りには「予測外の支出」がつきもの。余裕を持った資金調達と、支出管理が成功のカギです。
まとめ:日本政策金融公庫は「賢い起業家」の味方
いかがでしたか?
起業初期における資金調達は、非常に大きな壁です。しかし、日本政策金融公庫という公的支援機関を活用すれば、その壁は乗り越えられます。
ただし、準備と戦略が必要です。思いつきで申請するのではなく、きちんと計画を立て、専門家に相談しながら進めていきましょう。
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無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。