
公庫の審査で見られる「個人信用情報」って?──その実態をやさしく解説!
創業融資の準備をしていると、こんな不安を耳にすることがあります。
「日本政策金融公庫って、個人信用情報も見てるんですか?」
「どこまでチェックされるのか不安で…」
はい、ズバリ申し上げますと、
日本政策金融公庫の創業融資では、個人信用情報も審査対象に含まれます。
ただし、「信用情報を見られる」と聞くと、どうしてもネガティブに捉えがち。
でも、実際にはそれほど恐れる必要はありません。
ポイントを押さえれば、十分に対応可能です。
この記事では、信用情報の“中身”を具体的にご紹介しつつ、
「審査で何を見られているのか」「どこに注意すればいいのか」について、
わかりやすく解説していきます。
■そもそも「個人信用情報」とは?
まず基本からご説明しましょう。
個人信用情報とは、あなたのクレジットカードやローンなどの“お金の借り方・返し方”に関する履歴のこと。
この情報は、「信用情報機関」と呼ばれる第三者機関に集約・管理されており、以下のような内容が記録されています。
-
クレジットカードの契約内容と利用状況
-
ローンや借入の金額・返済状況
-
支払いの遅延や延滞履歴
-
債務整理や自己破産の情報
-
携帯端末の分割払い(=実質ローン)の支払状況
公庫を含む金融機関は、融資の審査の際にこれらの情報をチェックし、
「この人に貸して大丈夫か?」を判断しているのです。
■公庫が見ているのは「返済履歴と信用の蓄積」
日本政策金融公庫は、民間金融機関よりも起業支援に積極的な機関ですが、
融資である以上、返済される見込みがあるかは当然チェックされます。
信用情報で特に重視されるのは、次のような点です。
① 延滞や滞納がないか?
61日以上の延滞があると、「事故情報」として記録されます。
たとえ少額でも、クレジットカードや携帯の分割払いで遅れたことがあると、
審査に影響する可能性があります。
② 借入の件数や残高は適切か?
カードローン・消費者金融・クレジット枠など、借入が多数あると
「資金管理に不安あり」と見られることがあります。
③ 完済済みか?現在返済中か?
「きちんと返済している実績」も重要な判断材料です。
住宅ローンや自動車ローンを延滞なく支払っている場合は、
むしろプラス評価につながることもあります。
■どの信用情報機関が使われている?
主に以下の3つの機関が信用情報を管理しています。
-
CIC(シー・アイ・シー):クレジットカード、携帯端末の分割など
-
JICC(日本信用情報機構):カードローン・消費者金融
-
全国銀行個人信用情報センター(KSC):銀行系ローン・住宅ローンなど
公庫がどの機関を利用しているかは明言されていませんが、
実務的には主にCICの情報が参照されていると考えられます。
■「信用情報に不安がある」ときはどうする?
過去に延滞やトラブルがあった方にとって、信用情報はとても気になる部分ですよね。
でも、ご安心ください。以下のような対応策があります。
① 信用情報を開示してチェック
CIC・JICCでは、数百円でご自身の信用情報を開示できます。
スマホ・郵送いずれでも可能です。
② 延滞がある場合は、まず完済し6か月以上支払実績を積む
事故情報が残っている場合でも、現在の支払いが安定していれば、
「改善の努力」として評価される場合があります。
③ 借入件数を減らす
複数のカードを持っている場合は、
不要なものを解約・整理することも効果的です。
■信用情報だけがすべてじゃない!“人物評価”も大切
ここで大事なことをお伝えします。
公庫の審査では、「信用情報」だけで判断されるわけではありません。
-
どんな事業を始めようとしているのか
-
生活費や自己資金の管理がしっかりしているか
-
融資後の返済計画が現実的か
-
起業に対する熱意と準備状況
こういった「人となり」も総合的に評価されます。
ですので、信用情報に少し不安があったとしても、
事業計画をしっかり立てて、
前向きな姿勢を見せることがとても大切なんです。
■小さな不安も、一緒に整理していきましょう
「信用情報が気になるから…」と、起業の夢をあきらめてしまうのは、
とてももったいないことです。
不安があるなら、今のうちに“見える化”して、一緒に対策を考えていきましょう。
経験豊富な専門家に相談すれば、不安が安心に変わり、準備もスムーズになります。
小さな一歩が、大きな成果につながるはずです。
■おわりに──“今のあなた”が評価されます
過去に失敗や延滞があったとしても、それで終わりではありません。
むしろ、信用情報は「これからの改善」で評価されていくもの。
誠実に対応していること、事業に真剣に取り組んでいることを、
公庫の担当者はしっかり見てくれます。
「信用情報が気になるけど、融資を受けたい」
そんな方は、一人で悩まず、どうぞお気軽に専門家にご相談ください。
あなたの夢をカタチにするための第一歩を、私たちは全力でサポートいたします!
【無料相談のご案内】
起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひいちどご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。