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コラム

売上債権回転期間って何?現金化までのリードタイムを見える化する指標

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売上債権回転期間って何?現金化までのリードタイムを見える化する指標

「うちって、売ったあとにお金入ってくるまで、どれくらいかかるんだろう?」
そんな疑問を持った社長さんも多いでしょう。売上を上げるだけではなく、「売ってから現金が口座に入るまで」の流れを把握することも、健全な経営には必要です。そこで役立つ指標が「売上債権回転期間(Days Sales Outstanding:DSO)」です。


◆ 売上債権回転期間とは?

カタカナが多くて難しく聞こえますが、実は単純です。

売上債権回転期間(DSO)は「売上金が現金化するまでに、何日かかっているか」を示した数値です。

計算式はこうなります:

売上債権回転期間(DSO) = 売上債権残高 ÷(年間売上÷365)

つまり「今の売上債権残高(未回収分)が、年換算すると何日分か」を表しています。


◆ どうしてこの数字を見たほうがいいの?

① 資金繰りに直結する

売上は上がっていても、現金がいつ入るかわからないと資金不足になります。DSOが長いと、手元資金が回らなくなるリスクがあるのです。

② 取引先や制度から見られる信頼性指標

銀行・取引先・株主は、DSOを見て「回収に時間がかかりすぎてないか」「資金体力は大丈夫か?」を判断します。信用評価に直結します。

③ ビジネスモデルに改善余地があるサイン

「今の支払い条件を見直すべきか」「前受金や立替払いなどで調整できないか」「回収プロセスにムダがないか?」など、改善点が見えてきます。


◆ 具体的な数値例

たとえば…

  • 売上債権残高=1,000万円

  • 年間売上=1億円

  • 売上÷365=約27万円/日

  • 1,000万円 ÷ 27万円 ≒ 37日

この場合、売ってから現金が入るまで、平均37日かかっている、ということになります。支払いのルールや期日が1か月であれば妥当ですが、2か月だったら改善余地あり、という判断になるわけですね。


◆ 売上債権回転期間の“目安”と注意点

  • BtoB中心の業態では「30〜60日程度」が一般的

  • BtoCや前金をいただく業態は「0〜30日」が多い

  • 数値だけに頼らず、業種や取引慣行を加味して判断しましょう

焦点は「現金の回転が遅すぎないか?」です。


◆ DSOを改善するには?

1. 回収フローを見直そう

請求タイミングを早めに、督促や振込先案内など細かいフォローをルール化する。

2. 支払い条件を改善する

期日の短縮、分割払いの仕組み化、前受金・一部入金の導入など。

3. 前受金や立替金の活用

大きな案件では一部を前入金にすると安心です。

4. 回収ミスをなくす体制に

請求漏れ・誤請求が発生すると、回収遅れ→資金ショートの連鎖に。一元管理のルール作りが肝心です。


◆ DSOの数値が改善すると、経営はどう変わる?

  • 手元の現金が増え、資金ショートの不安が減る

  • 借入ニーズが減り、金融コストの圧縮につながる

  • キャッシュ重視の取引先からの信頼が高まる

  • 将来の投資判断(設備投資・人件費)も安心して進められる

  • コスト管理や案件設計に“現金回収”という視点が加わる


◆ 数字だけでは見えない“経営力”

DSOはあくまで平均値です。そこから読み取れるのは:

  • 一部の未回収先によって、数値が引っ張られているケース

  • 業績ピーク時など、売上に伴い一時的にDSOが伸びることもある

ですから、「平均」と「何が原因か」をセットで把握する視点が求められます。


📝まとめ──売上債権回転期間は手元資金を支える管理指標

売上債権回転期間(DSO)は、一見難しそうに見えるかもしれませんが、実は「いま売上から現金が入るまで、どれくらい時間がかかっているか?」を可視化する手段です。

  • 資金繰りの不安を数値として言語化できる

  • 銀行や取引先に数字で説明できる

  • 自社の回収フローを客観的に改善できる

このように、DSOを押さえておくことで、経営の安定性や成長の余地が見えてきます。
「売上を伸ばす」の一歩先にあるのは、「売上を現金に変える力」です。
数字の診断が苦手な方でも、計算や改善策のご相談はいつでもお気軽にどうぞ。資金面からも事業をサポートいたします!


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弊社では、中野裕哲を中心とした所属専門家チーム(起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、中小企業診断士、FP、元日本政策金融公庫支店長、元経済産業省系補助金審査員など)が一丸となって、幅広い起業支援・経営支援を行っております。
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この記事を書いた人

中野裕哲/Nakano Hiroaki

起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)

V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。

【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。

この記事を監修した人

多胡藤夫/Fujio Tago

元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。

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