
ポスティングのメリット・デメリットってなに?
~地域密着型ビジネスにおける“手渡しに近い”広告戦略~
「集客したいけど、できるだけコストを抑えたいんです……」
「ネット広告は苦手なので、紙でアピールしたいのですが……」
起業相談の現場で、こういった声を聞くことはよくあります。そんなとき、私がよくご紹介するのが「ポスティング」という手法です。
今回は、ズバリ「ポスティングって実際どうなの?」というテーマで、そのメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。
「チラシを配るなんて時代遅れ?」
いえいえ、そんなことはありません!むしろ、地域密着型ビジネスにおいては、いまでも“確実に効果が出る”王道の戦略です。
そもそもポスティングって何?
まずは基本からおさらいしておきましょう。
ポスティングとは、チラシやパンフレットなどの販促物を、住宅のポストに1軒1軒配布していく広告手法です。新聞折込と違って、新聞を購読していない家庭にも直接届くのが大きな特徴。
時間を取れるなら、自分で配布することもできますし、業者に依頼することも可能です。
では、まずはポスティングのメリットから見ていきましょう!
【メリット①】新聞未購読世帯にも届く!
これが一番の強みです。
昨今、特に若年層を中心に新聞の購読率は下がり続けています。新聞折込ではアプローチできない世帯が年々増えているのです。
一方、ポスティングであれば、新聞を取っていない家庭にも確実にチラシを届けられます。これは特に、20代~40代の世帯をターゲットにした商品やサービスでは大きなメリットになります。
たとえば、
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フィットネスジム
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ネイルサロン
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学習塾・個別指導
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宅配サービス
など、“現役世代の家庭”がメインターゲットのビジネスには非常に相性がいいのです。
【メリット②】エリアを細かく絞り込める
ポスティングは“地図ベース”での配布が基本です。町丁目単位での細かな指定ができるため、「この地域だけに集中して配りたい」という要望にも対応可能。
しかも、業者によっては「マンションのみ」「一戸建てのみ」「高所得者層の多い地域だけ」など、ターゲット層に合わせた配布も可能です。住宅地図でターゲットを絞り、大企業の社宅だけに撒く!なども戦略も可能です。
つまり、広告の“無駄打ち”を減らすことができるということですね。
【メリット③】タイミングが自由
新聞折込は、配布が「朝刊と一緒」など、時間が限定されてしまいます。
それに対し、ポスティングは「週末だけ配布」「月末キャンペーン前に集中配布」など、自分のビジネスのタイミングに合わせて自由に設定できます。これは非常に使いやすいポイントです。
また、急なキャンペーンなどにも対応しやすいのが魅力ですね。
【メリット④】信頼感と地域密着アピール
人の手で配られたチラシは、WEB広告よりも“温もり”が感じられます。地域密着感を演出するにはぴったり。
とくに「近所のクリニック」「町のリフォーム屋さん」「地域の美容室」など、地元の人の信用が何より大切な業種では、“ご近所感”が伝わるポスティングは効果的です。
さて、ここからは気になるデメリットについても、正直にお伝えしていきましょう。
【デメリット①】印刷費+配布費がかかる
ポスティングも、完全無料ではありません。
チラシの印刷費に加え、業者に配布を依頼する場合は配布単価が1枚あたり3~8円程度かかるのが一般的です。配布エリアや部数、難易度(坂道の多い地域など)によっても変動します。
たとえば、1万枚配布で合計5万円~10万円程度かかることもあります。
「少ない予算で効果を出したい!」という方は、まず少部数からテスト的に配布して反応を見てみるのがオススメです。
【デメリット②】“捨てられてしまう”可能性も…
現実的な話として、どんなに精魂込めて作ったチラシでも、見ずにゴミ箱へ……なんてこともあります。
これを防ぐには、
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パッと見て興味を引くキャッチコピー
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写真やビジュアルの工夫
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限定クーポンやプレゼント情報
など、「手を止めさせる仕掛け」をしっかり考えることが重要です。
内容勝負、です!
【デメリット③】効果測定が難しい
WEB広告と違って、ポスティングは「何人が見て」「何人が反応したか」を数値で測るのが難しいです。
ですので、チラシには「限定クーポン」や「QRコード」「◯月◯日まで」などの“反応を測る仕掛け”を必ず入れておくようにしましょう。
ポスティングが向いているのはこんな業種
最後に、ポスティングと相性の良い業種をまとめておきます。
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飲食店(デリバリー含む)
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美容室・エステ
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整体・整骨院
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学習塾・習い事
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不動産・リフォーム
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地域密着型の士業・コンサル
「家のポストに届いたチラシを見て、初めて知った」というお客様、実はたくさんいらっしゃいます。
最後に:アナログは、まだまだ強い!
インターネットが普及した今でも、“紙のチラシ”の力は侮れません。
なぜなら、紙は「人の生活空間」に自然に入り込めるからです。スマホで見て消える広告とは違い、リビングや玄関先に“しばらく残る”可能性があります。
つまり、ポスティングは「地域のご縁を作る」ための第一歩なのです。
起業初期こそ、こういった地道で手堅い手法を使って、自分の存在を知ってもらうことが大切です。
お金をかけすぎず、手間を惜しまず。チラシ1枚に“想い”を込めて、地域のお客様とのつながりを育んでいきましょう!
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起業の手続きって何から始めればいいの?といった疑問に対して適切なアドバイスを無料にて行っております。
無料相談も行っているので、ぜひ一度、ご相談ください。お問い合わせお待ちしております!
この記事を書いた人
中野裕哲/Nakano Hiroaki
起業コンサルタント(R)、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、サーティファイドファイナンシャルプランナー・CFP(R)、1 級FP技能士。大正大学招聘教授(起業論、ゼミ等)
V-Spiritsグループ創業者。税理士法人V-Spiritsグループ代表。東京池袋を本拠に全国の起業家・経営者さんを応援!「ベストセラー起業本」の著者。著書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAMGATE」で12年連続相談件数日本一。
【まるごと起業支援(R)・経営支援】
起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
【略歴】
経営者である父の元に生まれ、幼き頃より経営者になることを目標として過ごす。バブル崩壊の影響を受け経営が悪化。一家離散に近い貧困状況を経験し、「経営者の支援」をライフワークとしたいと決意。それに役立ちそうな各種資格を学生時代を中心に取得。同じく経営者であるメンターの伯父より、単に書類や手続を追求する専門家としてではなく、視野を広げ「ビジネス」の現場での経験を元に経営者の「経営そのもの」を支援できるような専門家を目指すようアドバイスを受け、社会人生活をスタート。大手、中小、ベンチャー企業、会計事務所等で営業、経理、財務、人事、総務、管理職、経営陣等、ビジネスの「現場」での充実した修行の日々を送ったあと、2007年に独立。ほかにはない支援スタイルが起業家・経営者に受け入れられ、経済産業省「DREAM GATE」にて、面談相談12年連続日本一。補助金・助成金支援実績600件超。ベストセラー含む起業・経営本20冊を出版。累計25万部超。無料相談件数は全国から累計3000件を超す。
この記事を監修した人
多胡藤夫/Fujio Tago
元日本政策金融公庫支店長、社会生産性本部認定経営コンサルタント、ファイナンシャルプランナーCFP(R)、V-Spirits総合研究所株式会社 取締役
同志社大学法学部卒業後、日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に入行。 約63,000社の中小企業や起業家への融資業務に従事し審査に精通する。
支店長時代にはベンチャー企業支援審査会委員長、企業再生協議会委員など数々の要職を歴任したあと、定年退職。
日本の起業家、中小企業を支援すべく独立し、その後、V-Spiritsグループに合流。
長年融資をする側の立場にいた経験、ノウハウをフル活用し、融資を受けるためのコツを本音で伝えている。