
ものづくり補助金の10次公募で新設された「デジタル枠」について
今回は、ものづくり補助金の10次公募で新設された「デジタル枠」についてご紹介します。
デジタル枠とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を行う事業者が申請できる枠です。
申請要件
通常枠の要件に加えて、(1)~(3)の要件を満たす事業者が対象となります。
(1)次の①又は②に該当する事業であること
- ①DXに資する革新的な製品・サービスの開発
- ②デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(2)DX推進指標による自己診断の実施
経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
(3)「SECURITY ACTION」の宣言
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行っていること。
要件(1)の例
①の例
AI・IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む)等
②の例
AIやロボットシステムの導入によるプロセス改善、受発注業務のIT化、複数の店舗や施設にサービスを提供するオペレーションセンターの構築等
これらの例を見ると、(1)の要件に該当する事業計画の裾野は、比較的広いように思います。
要件(2)の自己診断について
IPAのサイトで公開されているエクセル『自己診断フォーマット』をダウンロードし、エクセルに回答を入力します。(2022年2月28日時点ではver2.2が公開)
質問は、大きく以下の4構成となっています。
- DX推進の枠組み(定性指標)
- DX推進の取組状況(定量指標)
- ITシステム構築の枠組み(定性指標)
- ITシステム構築の取組状況(定量指標)
定性指標には、DX推進の成熟度レベルを、6段階(0~5)で入力します。
定量指標には、自社がDXによって伸ばそうとしている定量指標を設定し、その数値を入力します。
自己診断は、DXの課題や気付きの機会を得ることが目的となりますので、良い点数を取る必要はありません。
入力が終わったら、「DX推進ポータル」というサイトにGビズIDでログインし、回答済みのExcelを添付して終了となります。
応募締切日までに確実に提出している必要がありますのでご注意ください。
要件(3)の「SECURITY ACTION」とは
中小企業自らが情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。
「★ 一つ星」と「★★ 二つ星」という2つのランクがあります。
★ 一つ星
中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン付録の「情報セキュリティ5か条」に取り組むだけなので、簡単に宣言できます。
★★ 二つ星
- 「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」で自社の状況を把握する
- 情報セキュリティ基本方針を定め、外部に公開したことを宣言する
一つ星よりも少々やるべきことが多いですが、余裕があれば「二つ星」を宣言すると良いでしょう。
デジタル枠のメリット
1)補助率が上がる
通常枠は1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3)、デジタル枠は2/3となるため、補助率が上がります。ただし、小規模事業者・再生事業者に関しては、通常枠でも補助率2/3ですので、こちらはメリットとは言えません。
2)採択率が上がる
デジタル枠は、応募時に「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(様式3)」という書類を別途提出すれば、政策加点を受けることができます。また、デジタル枠で不採択となった場合、通常枠で再審査されます。同じ回で2回審査を受けられるので、採択を受けやすくなると言えます。ただし、再審査の結果、通常枠で採択された場合は、通常枠の補助率等の条件が適用されます。
デジタル枠のデメリット
通常枠に比べると、「自己診断の実施→IPAへの提出」、「SECURITY ACTIONの宣言」、「デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(様式3)の作成」といった手間がかかります。
考察
「手間がかかっても良いから、政策加点を受けて少しでも採択率をあげたい」という事業者は、デジタル枠の申請がオススメと言えます。
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